基礎量子化学

科目基礎情報

学校 奈良工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 基礎量子化学
科目番号 0070 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 物質化学工学科 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 アトキンス物理化学(上)(下) 千原、中村訳 東京化学同人
担当教員 松浦 幸仁

到達目標

1. 量子論の概念と原子軌道が理解できる。

2. 化学結合と分子軌道が理解できる。

3. 分光学の基礎が理解できる。

 4.統計熱力学の基礎が理解できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1並進運動のシュレディンガー方程式を解くことができる。量子力学の基本原理が説明できる。量子力学の成立過程が判らない。
評価項目2水素型原子のシュレディンガー方程式の解が説明できる。振動・回転運動の量子化が説明できる。量子化とは何かわからない。
評価項目3分子軌道法が説明できる。2原子分子の電子状態と結合が説明できる。共有結合とは何かわからない。
評価項目4電子遷移が説明できる。振動・回転スペクトルが説明できる。NMR、ESRの原理が説明できない。

学科の到達目標項目との関係

準学士課程(本科1〜5年)学習教育目標 (2) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
物性を理解するためには量子力学・統計熱力学の知識が不可欠である。本講義では、量子力学で記述される電子・原子のふるまいを学習した後に、それらの原理を応用した分光学について習得する。
※実務との関係 
量子化学は、電子材料や化学薬品などに使われる材料の分子設計を行う際に用いられるコンピュータシミュレーションには不可欠な知識である。
当該授業では、量子化学の基礎に加えて、コンピュータシミュレーションによる分子設計について企業で行われている具体的な例を交えて講義を行い、その知識を深める。
授業の進め方・方法:
講義が主体の授業を行う。
注意点:
関連科目
無機化学Ⅰ、Ⅱ
  学習指針
シュレディンガー方程式の解法などは図書館で演習書などを参考にして自分で解く。
  自己学習
   低学年で習った微積分、代数幾何、古典力学などを見直しておく。

学修単位の履修上の注意

アトキンス物理化学をよく読むこと。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 量子論:序論と原理 量子力学の起源
2週 同上 シュレディンガー方程式
3週 同上 波動関数とボルンの解釈
4週 同上 量子力学的原理
5週 同上 同上
6週 同上 並進運動
7週 前期末試験 試験
8週 テスト返却 復習
2ndQ
9週 量子論:手法と応用 振動運動
10週 同上、以下同文 回転運動
11週 同上 スピン
12週 原子構造と原子スペクトル 水素型原子の構造
13週 同上 原子軌道関数
14週 同上 原子軌道関数のエネルギー
15週 前期末試験 試験
16週 テスト返却 復習
後期
3rdQ
1週 原子構造と原子スペクトル 多電子原子の構造
2週 同上 複雑な原子のスペクトル
3週 分子構造 ボルンオッペンハイマー近似
4週 同上、以下同文 分子軌道法:水素分子イオン
5週 同上 分子軌道法:等核二原子分子
6週 同上 分子軌道法:変分原理
7週 後期中間試験 試験
8週 テスト返却 復習
4thQ
9週 分子の対称 対称要素
10週 同上 群論
11週 同上 指標表
12週 同上 対称性の応用
13週 分子分光 回転スペクトル、振動スペクトル
14週 同上 電子遷移、磁気共鳴
15週 学年末試験 試験
16週 テスト返却 復習

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合10000000100
基礎的能力300000030
専門的能力300000030
分野横断的能力400000040