地域学

科目基礎情報

学校 奈良工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 地域学
科目番号 0082 科目区分 一般 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 物質化学工学科 対象学年 5
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 ちくま新書『地域学入門』山下祐介、授業内での配布資料
担当教員 増山 聖子

到達目標

1.多様な地域を読み解くために必要な地域についての定義を理解し、類型の指標を捉えることができる。
2.地域の成立から発展について産業との関わりや人々の営みを理解し、地域文化の意義について考察できる。
3.高度経済成長期における国土開発を理解し、現代日本が抱える諸問題を考察できる。
4.持続的環境利用に必要な地域との関わり方について問題意識を持ち、技術者・研究者が果たす役割を考察できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1多様な地域を読み解くために必要な地域についての定義を理解し、類型の指標を捉えることができる。地域を構成する指標について理解し、分類できる。地域を構成する指標について理解し分類ができない。
評価項目2地域の成立から発展について産業との関わりや人々の営みを理解し、地域文化の意義について考察できる。地域の成立から発展について産業との関わりや人々の営みから地域文化の意義について理解できる。地域の成立から発展について産業との関わりや人々の営みから地域文化の意義について理解できない。
評価項目3高度経済成長期における国土開発を理解し、現代日本が抱える諸問題を考察できる。高度経済成長期における国土開発と現代日本が抱える諸問題を理解できる。高度経済成長期における国土開発と現代日本が抱える諸問題を理解できない。
評価項目4持続的環境利用に必要な地域との関わり方について問題意識を持ち、技術者・研究者が果たす役割を考察できる。持続的環境利用に必要な地域との関わり方について問題意識を持ち、技術者・研究者が果たす役割を理解できる。持続的環境利用に必要な問題意識を持ち、技術者・研究者が果たす役割を理解できない。

学科の到達目標項目との関係

準学士課程(本科1〜5年)学習教育目標 (2) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
グローバル化が進展する現代において、世界に関する知識とグローバル化にともなうローカルな地域変容の理解は重要である。
本講義では、講義を概ね身近な地域(ローカリゼーション)から世界(グロバリゼーション)へとつながる、➀「自然環境」➁「産業と文化・歴史」➂「地域構造と地域社会の変容」の3つのパートに分けて解説していく。
授業の進め方・方法:
“地域”とは、人間社会がつくりだした一定の空間を指す用語である。地域の指す範囲は大陸・州・国などスケールは様々だが、それぞれの地域の特色は、そこでみられる自然環境(地形・気候など)と社会環境(歴史・民族・宗教など)の両面からアプローチしなければ見えてこない。また、1つの地域だけの閉鎖的な見方でも、地域の特色を理解することはできない。本講義では、身近な地域(ローカリゼーション)から世界(グロバリゼーション)へとつながる、現代世界の地域像、そして地域変化とその意味を学ぶことを目指す。
授業では、パーワーポイントや動画等も利用し、視覚的な理解を深める。
注意点:
関連科目:地理・歴史・公共・政治経済
学習指針:身近な地域の理解と愛着を深め、地域が抱える課題を理解し、技術者として課題解決のために問題提起できることを目指す。
自己学習:到達目標を達成するために、授業の予習・復習だけでなく、日頃から新聞やニュースを見るなどして様々な地域について理解を深めるように心掛けること。

学修単位の履修上の注意

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 ガイダンス
講義の目的・概要を理解し、説明できる。
2週 地域論とは何か
―産業からみた等質地域と結節地域―
地域論について、様々な定義や学問分野での違いを理解することができる。
3週 照葉樹林文化とブナ林文化
環境と文化と伝播、地域の見方の変化を理解できる。
4週 宗教と地域(等質地域) 社会集団として人々をつなぎ地域を構成する宗教について理解できる。
5週 地域の原型としての江戸時代 家(イエ)と村(ムラ)など日本の原風景をつくった江戸時代の社会構造を理解できる。
6週 方言周圏論とアホバカ分布考
―技術と産業の起源と伝播―
文化・技術の伝播による地域の成立について理解できる。
7週 近代日本の地域変化 急激な産業化・軍事化によって変化し、成立した工業都市について理解できる。
8週 高度成長期以降の社会変化と景観 
―戦後日本の国土政策―
戦後の産業発展がもたらしたプラスとマイナスを理解できる。
4thQ
9週 都市の発展
―都市計画の変化と都市景観―
都市計画法に基づく街づくりによってつくられた都市の姿を理解できる。
10週 地域構造と土地利用の変化    
―大和郡山市から見る構造変化―
土地利用の変化から歴史的景観変化を捉えることができる。
11週 人口と移動
地域を構成する人口の時代による変化と、構成する人々の変化を理解できる。
12週 街道から道路へ
五畿七道から五街道、近代道路へと整備されることが起こる地域の変化を理解できる。
13週 河川と産業 河川がもたらす地場産業や河川との関わりで生まれる地域の姿を理解できる。
14週 環境の改変と破壊
―資源と産業・持続的環境利用を考える―
限りある資源をいかに後世に伝えていくか、地域環境を守るためにできることを考えることができる。
15週 学年末試験 授業内容を理解し、試験問題に対して正しく解答できる。
16週 試験返却・解答 試験問題を見直し、理解が不十分な点を解消できる。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験(学年末)授業への取り組み(提出課題の完成度)合計
総合評価割合6040100
基礎的能力6040100