到達目標
前期中間試験:1)金属錯体の基礎,2)素反応とクロスカップリング を理解する。
前期末試験: 1)メタセシス 2)不斉水素化 3)付加環化反応 を理解する。
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
評価項目1 | 有機金属化合物と錯体化学的に理解できる | 錯体化学の基礎が理解できている | 錯体化学が理解できていない |
評価項目2 | 金属触媒を利用したの反応が理解できる | 素反応が理解できる | 素反応が理解できない |
評価項目3 | 典型金属と遷移金属の共通点、相違点が理解できる | 遷移金属の反応性が理解できる | 遷移金属の反応性が理解できない |
学科の到達目標項目との関係
準学士課程(本科1〜5年)学習教育目標 (2)
説明
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教育方法等
概要:
最先端の有機材料合成に重要である有機金属触媒を用いた反応を講義する。錯体化学の中で有機金属化学に必要な基礎的な内容を復習した後、パラジウム錯体の触媒する反応を用いて、酸化的付加、トランスメタル化、還元的脱離、β―水素脱離の素反応を理解する。最終的には、素反応の組み合わせによって触媒反応が進行していることを解説する。
実務との関係
この科目は企業で創薬研究を担当していた教員が,その経験を活かし,探索合成に必要な金属触媒反応に関して講義形式で授業を行うものである
授業の進め方・方法:
講義形式で反応の解説をする。宿題として有機化学の基礎的な反応に関するプリントを課し、これまでの有機化学反応と金属触媒反応の違いを理解させる。
注意点:
関連科目
有機化学、無機化学(錯体化学)。
学習指針
これまでの有機化学と異なる反応機構と感じることが多くあるが、実際は有機化学と錯体化学の境界領域であり、意識して理解することが重要である。
自己学習
有機金属化学を扱った本を用いて、自学自習を心がけること。最先端の内容なので適宜論文(ACS、エルゼビア)を参考にしてもよい。
事前学習:錯体化学を予習しておく
事後展開学習:習った反応を利用した関連文献を調べてみる。
学修単位の履修上の注意
授業の属性・履修上の区分
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
ガイダンス、エノラートの化学 |
エノラートの化学
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2週 |
エノラートの化学 |
エノラートの化学 アルドール
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3週 |
エノラートの化学 |
クライゼン、共役付加
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4週 |
アミン |
アミンの命名、性質、
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5週 |
還元アミノ化、ジアゾカップリング |
ジアゾカップリング、ガブリエル合成
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6週 |
還元アミノ化、ジアゾカップリング |
ジアゾカップリング、ガブリエル合成
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7週 |
中間試験 |
中間試験
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8週 |
金属錯体の基礎 |
d金属錯体の電子の数え方、18電子則、金属錯体の命名、配位子、cone angle、bite angle
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2ndQ |
9週 |
金属錯体の素反応 |
配位子置換反応、酸化的付加、還元的脱離、β水素脱離(クロスカップリング反応)
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10週 |
不斉水素化 |
不斉水素化反応(ロジウム、ルテニウム)
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11週 |
クロスカップリング |
配位子置換反応、酸化的付加、還元的脱離、β水素脱離(クロスカップリング反応)
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12週 |
クロスカップリング |
配位子置換反応、酸化的付加、還元的脱離、β水素脱離(クロスカップリング反応)
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13週 |
Pd(II)を使う反応 |
配位子への攻撃(wacker酸化、辻ートロスト反応)
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14週 |
付加環化反応、メタセシス |
付加環化反応、メタセシス
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15週 |
学年末試験 |
試験
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16週 |
試験返却 |
試験返却
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 化学・生物系分野 | 有機化学 | 有機物が炭素骨格を持つ化合物であることを説明できる。 | 4 | 前15 |
代表的な官能基を有する化合物を含み、IUPACの命名法に基づき、構造から名前、名前から構造の変換ができる。 | 4 | 前15 |
σ結合とπ結合について説明できる。 | 4 | 前15 |
混成軌道を用い物質の形を説明できる。 | 4 | 前15 |
誘起効果と共鳴効果を理解し、結合の分極を予測できる。 | 4 | 前15 |
σ結合とπ結合の違いを分子軌道を使い説明できる。 | 4 | 前15 |
ルイス構造を書くことができ、それを利用して反応に結びつけることができる。 | 4 | 前15 |
共鳴構造について説明できる。 | 4 | 前15 |
炭化水素の種類と、それらに関する性質および代表的な反応を説明できる。 | 4 | |
芳香族性についてヒュッケル則に基づき説明できる。 | 4 | |
分子の三次元的な構造がイメージでき、異性体について説明できる。 | 4 | 前15 |
構造異性体、シスートランス異性体、鏡像異性体などを説明できる。 | 4 | 前15 |
化合物の立体化学に関して、その表記法により正しく表示できる。 | 4 | 前15 |
代表的な官能基に関して、その構造および性質を説明できる。 | 4 | 前15 |
それらの官能基を含む化合物の合成法およびその反応を説明できる。 | 4 | 前15 |
代表的な反応に関して、その反応機構を説明できる。 | 4 | 前15 |
電子論に立脚し、構造と反応性の関係が予測できる。 | 4 | 前15 |
反応機構に基づき、生成物が予測できる。 | 4 | 前15 |
評価割合
| 試験 | 発表 | 相互評価 | 態度 | ポートフォリオ | その他 | 合計 |
総合評価割合 | 60 | 0 | 0 | 0 | 40 | 0 | 100 |
基礎的能力 | 10 | 0 | 0 | 0 | 40 | 0 | 50 |
専門的能力 | 30 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 30 |
分野横断的能力 | 20 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 20 |