反応工学

科目基礎情報

学校 奈良工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 反応工学
科目番号 0092 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 物質化学工学科 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 板書による講義を行う.〔補助教材・参考書〕化学系学生のための化学工学,森秀樹・加藤格 共編著(培風館),反応工学(改訂版),橋本健治著(培風館)
担当教員 中村 秀美

到達目標

1.反応結果を定量的に解析するための量論関係の基礎知識を身につけ,反応速度解析のための速度式を導き出せること。
2.回分反応器,連続槽型反応器,管型反応器の特徴や違いを理解し,希望する製品を必要量だけ得るための反応器の設計計算ができる基礎的な実践的能力を身につけること。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1反応速度解析のための様々な速度式を導出できる。化学反応の量論関係を理解し,反応速度解析のための速度式を導出できる。化学反応の量論関係が理解できず,速度式を導出できない。
評価項目2回分反応器,連続槽型反応器,管型反応器の特徴や違いを理解し,より複雑な反応器の設計計算ができる。回分反応器,連続槽型反応器,管型反応器の特徴や違いを理解し,簡単な反応器の設計計算ができる。回分反応器,連続槽型反応器,管型反応器の特徴や違いを理解できず,簡単な反応器の設計計算ができない。

学科の到達目標項目との関係

準学士課程(本科1〜5年)学習教育目標 (2) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
反応工学では目的生成物を最も望ましい方法で生産するため,最適な反応器を設計し,操作方法を決定することが要求される。ここでは,反応の速度式を把握し,反応器の設計に適用するための基礎的事項を学ぶとともに,反応器の設計計算ができる基礎的な実践的能力を身につける。
授業の進め方・方法:
液体あるいは気体のみからなる均一相系での反応を対象として,反応速度の濃度・温度依存性について説明するとともに反応速度解析のための速度式の導出法について解説する。さらに,単一反応の反応速度解析,理想流れの各種反応器の設計法を述べる.
注意点:
〔関連科目〕
化学工学Ⅰ,化学工学Ⅱ,物理化学Ⅰ,物理化学Ⅱ,有機化学Ⅰ,有機化学Ⅱ
〔学習指針〕
 数学的な取り扱いが多いので,演習を繰り返し解くことで,十分理解できるようにする。
〔自己学習〕
 随時課題を課すので自宅学習を十分すること。
〔事前学習〕
 あらかじめ講義内容に該当する部分の参考図書を読み,理解できるところ,理解できないところを明らかにしておくこと。
〔事後展開学習〕
 講義ノートを見直し,追記,まとめをやっておくこと。

学修単位の履修上の注意

講義で課す課題レポートを成績に加える。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 反応工学の概要 化学工学における反応工学の位置づけや化学反応と反応装置について説明できる。
2週 化学反応と反応器 反応工学で取り扱う化学反応の種類や反応器の種類について説明できる。
3週 反応速度式 反応速度の定義について説明し,さまざまな場合における反応速度式が理解できる。
4週 反応速度定数と反応次数 反応速度定数と反応次数の決定法,反応速度の温度依存性について理解できる。
5週 擬定常状態の近似 擬定常状態の近似による反応速度式の導出について理解できる。
6週 律速段階の近似 律速段階の近似による反応速度式の導出について理解できる。
7週 前期中間試験 授業内容を理解し,試験問題に対して正しく解答することができる。
8週 試験返却と反応の量論関係 試験問題を見直し,理解が不十分な点を解消する。
反応の量論的関係,反応率,モル分率,分圧などの計算法について理解できる。
2ndQ
9週 量論関係と各成分の濃度 反応器の違いによる量論関係と各成分の濃度の関係が理解できる。
10週 回分反応器の設計式 回分反応器の設計計算法,反応率,反応時間,反応器体積の求め方が理解できる。
11週 連続槽型反応器の設計式 連続槽型反応器の設計計算法,反応率,反応時間,反応器体積の求め方が理解できる。
12週 管型反応器の設計式 管型反応器の設計計算法,反応率,反応時間,反応器体積の求め方が理解できる。
13週 反応器の形式による性能の比較 所定の反応率を達成するための反応時間や空間時間の比較を行い,反応器の性能を比較するができる。
14週 反応速度式の決定と反応器の設計 微分法,積分法による反応速度式の決定法について理解できる。
各種反応器の設計法について理解できる。
15週 前期末試験 授業内容を理解し,試験問題に対して正しく解答することができる。
16週 試験返却とまとめ 試験問題を見直し,理解が不十分な点を解消する。
反応工学のまとめと応用例について理解できる。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野化学工学SI単位への単位換算ができる。4前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15
物質の流れと物質収支についての計算ができる。4前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15
化学反応を伴う場合と伴わない場合のプロセスの物質収支の計算ができる。4前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15
バッチ式と連続式反応装置について特徴や用途を理解できる。4前2,前7,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15

評価割合

試験課題レポート合計
総合評価割合8020100
基礎的能力000
専門的能力8020100
分野横断的能力000