環境分離工学

科目基礎情報

学校 奈良工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 環境分離工学
科目番号 0093 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 物質化学工学科 対象学年 5
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 板書による講義を行う/〔補助教材・参考書〕「化学工学―解説と演習―(改訂第3 版)」朝倉書店 化学工学会監修 多田豊 編
担当教員 中村 秀美

到達目標

1. 分離工学,吸着現象,吸着平衡関係に関する基礎事項の説明と関連する設計計算ができる。
2. 回分吸着に関する基礎事項の説明とそれに関連する設計計算ができる。
3. 固定層吸着に関する基礎事項の説明とそれに関連する設計計算ができる。
4..膜分離の原理を理解し,簡単な膜分離プロセスの設計計算ができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1吸着現象,吸着平衡関係に関するより複雑な設計計算ができる。吸着現象,吸着平衡関係に関する基礎事項を理解し、関連する設計計算ができる。吸着現象,吸着平衡関係に関する基礎事項を理解できず,関連する設計計算ができない。
評価項目2回分吸着に関するより複雑な設計計算ができる。回分吸着に関する基礎事項を理解し,関連する設計計算ができる。回分吸着に関する基礎事項を理解できず,関連する設計計算ができない。
評価項目3固定層吸着に関するより複雑な設計計算ができる。固定層吸着に関する基礎事項を理解し,関連する設計計算ができる。固定層吸着に関する基礎事項が理解できず,関連する設計計算ができない。
評価項目4 膜分離の原理を理解し,より複雑な膜分離プロセスの設計計算ができる。膜分離の原理を理解し,簡単な膜分離プロセスの設計計算ができる。膜分離の原理を理解できず,膜分離プロセスの設計計算ができない。

学科の到達目標項目との関係

準学士課程(本科1〜5年)学習教育目標 (2) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
分離に関する単位操作は化学プロセスのみならず,産業界では重要な地位を占めている。本講義では,環境問題の解決に特に重要な役割を示す分離工学の基礎知識を習得し,吸着現象,吸着平衡,吸着装置の基礎的な事項と設計計算法および膜分離の原理・プロセス計算について学ぶ。
授業の進め方・方法:
環境問題における分離工学の重要性を踏まえ,吸着工学,膜分離を含めた環境分離工学に関する基礎事項を学ぶ。さらに,吸着現象について解説し,種々の吸着剤の特性について講義するとともに吸着平衡,吸着剤を利用した化学装置について,設計計算法などを解説し,環境問題への適用例等,基本的な問題の演習を行う。また,膜分離の基礎,膜分離プロセスの概要について解説する.
注意点:
〔関連科目〕
物理化学Ⅰ,物理化学Ⅱ,化学工学Ⅰ,化学工学Ⅱ、微粒子工学
〔学習指針〕
現象の数式化,物質移動の考え方等,数学的な取り扱いも多いので,化学工学的な考え方をしっかり理解すること。
〔自己学習〕
目標を達成するためには,授業以外にも予習復習を怠らないこと。
〔事前学習〕
 あらかじめ講義内容に該当する部分の参考図書を読み,理解できるところ,理解できないところを明らかにしておくこと。
〔事後展開学習〕
 講義ノートを見直し,追記,まとめをやっておくこと。

学修単位の履修上の注意

講義で課す課題レポートを成績評価に加える。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 環境分離工学の基礎 分離の原理と方法,環境問題への関わりについて理解できる。
2週 吸着現象および吸着剤 吸着現象の基礎的事項,吸着剤の種類,多孔体について理解できる。
3週 吸着平衡1 吸着平衡,吸着等温線について説明でき,Langmuir 式の導出ができる。
4週 吸着平衡2 Henry 式,Langmuir 式,Freundlich 式による実験データの相関ができる。
5週 イオン交換平衡 イオン交換平衡について理解し,吸着との違いが説明できる。
6週 多成分吸着平衡 多成分系の吸着平衡関係について理解し、Langmuir 型の式の導出ができる。
7週 後期中間試験 授業内容を理解し,試験問題に対して正しく解答することができる。
8週 試験返却および吸着速度 試験問題を見直し,理解が不十分な点を解消する。
吸着における物質移動現象,吸着速度の概念が理解できる。
4thQ
9週 回分吸着 回分吸着操作における計算法について理解できる。
10週 固定層吸着1 固定層における物質移動について説明し,破過曲線について理解できる。
11週 固定層吸着2 固定層吸着操作における計算法について理解できる。
12週 固定層吸着3 固定層吸着操作における計算法の応用例について演習できる。
13週 膜分離1 膜分離の基礎と膜分離プロセスの概要について説明できる。
14週 膜分離2 膜分離プロセスの設計について理解できる。
15週 学年末試験 授業内容を理解し,試験問題に対して正しく解答することができる。
16週 試験返却およびまとめ 試験問題を見直し,理解が不十分な点を解消する。
環境分離工学のまとめが理解できる。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野化学工学SI単位への単位換算ができる。4後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後14,後15
物質の流れと物質収支についての計算ができる。4後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後14,後15
化学反応を伴う場合と伴わない場合のプロセスの物質収支の計算ができる。4後5,後7,後9,後10,後11,後12,後14,後15
吸着や膜分離の原理・目的・方法を理解できる。4後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15,後16

評価割合

試験課題レポート合計
総合評価割合8020100
基礎的能力000
専門的能力8020100
分野横断的能力000