電気電子回路特論

科目基礎情報

学校 奈良工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 電気電子回路特論
科目番号 0033 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 システム創成工学専攻(電気電子システムコース) 対象学年 専1
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 適宜,プリントを配布する.
担当教員 大谷 真弘

到達目標

1. R, L, Cで構成された回路の過渡現象について,ラプラス変換・逆変換および状態方程式(システム方程式)を用いて解析することができる.
2. 分布定数回路(伝送線路)について,無限長線路の過渡現象を解析することができ,線路の不連続点における反射や透過,有限長線路における反射などについて説明することができる.また,分布定数回路に正弦波交流電源を接続したときの定常現象について説明することができる.
3. 演算増幅器(オペアンプ)を用いた線形演算回路について,ナレータ・ノレータモデルによる等価回路を用いて解析することができる.また,演算増幅器とダイオードなどを用いた非線形演算回路について,その特徴や動作を説明することができる.
4. 演算増幅器(オペアンプ)を用いたアクティブフィルタについて,その伝達関数や周波数特性を解析し,基本的な低域フィルタや高域フィルタの設計を行うことができる.
5. 高周波回路の解析に用いられるSパラメータを用いて, 1端子対および2端子対回路網の基本的な解析を行うことができる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1R, L, Cで構成された回路について,ラプラス変換および状態方程式(システム方程式)を用いて,過渡解析を行うことができる.R, L, Cで構成された回路について,ラプラス変換および状態方程式(システム方程式)を用いて,過渡解析に必要な方程式を導出できる.R, L, Cで構成された回路について,ラプラス変換および状態方程式(システム方程式)を用いて,過渡解析に必要な方程式が導出できない.
評価項目2分布定数回路について,無限長線路の過渡解析ができ,また,分布定数回路に正弦波交流電源を接続したときの定常現象について説明できる.分布定数回路について,基礎方程式(伝送方程式)を導出でき,また,特性インピーダンスや位相速度,波長などを説明できる.分布定数回路について,基礎方程式(伝送方程式)が導出できず,また,特性インピーダンスや位相速度,波長などを説明できない.
評価項目3演算増幅器(オペアンプ)を用いた線形演算回路について,ナレータ・ノレータモデルを用いて解析できる.また,非線形演算回路について,その特徴や動作を説明することができる.演算増幅器(オペアンプ)を用いた線形演算回路について,ナレータ・ノレータモデルを用いた等価回路を記述できる.また,非線形演算回路について,その特徴を説明することができる.演算増幅器(オペアンプ)を用いた線形演算回路について,ナレータ・ノレータモデルを用いて等価回路を記述できない.また,非線形演算回路について,その特徴を説明することができない.
評価項目4演算増幅器(オペアンプ)を用いたアクティブフィルタについて,その伝達関数や周波数特性を解析し,基本的な低域フィルタや高域フィルタの設計を行うことができる.演算増幅器(オペアンプ)を用いたアクティブフィルタについて,その伝達関数を求めることができる.演算増幅器(オペアンプ)を用いたアクティブフィルタについて,その伝達関数を求めることができない.
評価項目5高周波回路の解析に用いられるSパラメータを用いて, 1端子対および2端子対回路網の基本的な解析を行うことができる.高周波回路の解析に用いられるSパラメータを用いて, 1端子対回路網の基本的な解析を行うことができる.高周波回路の解析に用いられるSパラメータについて,説明することができない.

学科の到達目標項目との関係

JABEE基準 (d-2a) 説明 閉じる
JABEE基準 (d-2b) 説明 閉じる
システム創成工学教育プログラム学習・教育目標 D-1 説明 閉じる

教育方法等

概要:
電気・電子機器や情報通信機器の高性能化や高周波化に伴い,回路の振る舞いは複雑なものとなっている.効率的な設計や検証・問題解決には回路理論に基づく洞察が必要不可欠である.本講義では,ラプラス変換・逆変換ならびに状態方程式を用いた過渡解析手法について解説した後,分布定数回路の定常現象ならびに過渡現象について解説する.また,演算増幅器(オペアンプ)を用いた各種演算回路・フィルタ回路,ならびに高周波回路などについて解説する.
授業の進め方・方法:
座学による講義を中心とする.講義の節目には演習課題に取り組み,各自の理解度を確認する.
注意点:
関連科目: 応用数学,電気回路Ⅲ,アナログ回路,電磁気学Ⅲなどとの関連が深い.
学習指針: 数学的な取り扱いが多いが,必要に応じて回路シミュレータなども活用し,回路の振る舞いを理解することも推奨する.
自己学習: 到達目標を達成するためには,講義内容の予習・復習はもちろん,演習問題などを解いて理解を深めることも重要である.下記の参考書などを参照して自学・自習を心掛けること.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 電気回路解析の基礎 回路素子の電気的特性ならびに回路解析のための基本定理について説明できる.
2週 ラプラス変換による過渡解析 R, L, Cで構成された線形回路について,ラプラス変換・逆変換を用いて過渡現象を解析できる.
3週 状態方程式による過渡解析1 状態方程式(システム方程式)を用いた過渡現象の解析方法とその特徴を説明できる.
4週 状態方程式による過渡解析2 状態方程式(システム方程式)を用いてR, L, Cで構成された線形回路の過渡解析ができる.
5週 分布定数回路(伝送線路)の解析1 分布定数回路の特徴について説明でき,過渡現象を解析するための基礎方程式を導出して一般解を求めることができる.
6週 分布定数回路(伝送線路)の解析2 各種の無限長線路における電圧・電流を求めることができ,伝搬定数や特性インピーダンスなどを説明できる.
7週 分布定数回路(伝送線路)の解析3 分布定数回路の過渡現象について解説する.分布定数回路の定常現象について解析する方法を解説する.
8週 演習 ラプラス変換および状態方程式を用いた過渡解析の問題を解くことができる.また,分布定数回路に関する基本的な問題を解くことができる.
2ndQ
9週 アナログ演算回路1 演算増幅器(オペアンプ)のナレータ・ノレータモデルによる等価回路を理解し,各種線形増幅回路について解析できる.
10週 アナログ演算回路2 演算増幅器(オペアンプ)による非線形演算回路について,その特徴や動作を説明することができる.
11週 アクティブフィルタ1 演算増幅器を用いたアクティブフィルタについて,回路の伝達関数を求め,周波数特性を説明することができる.
12週 アクティブフィルタ2 演算増幅器を用いたアクティブフィルタについて,基本的な低域フィルタや高域フィルタの設計を行うことができる.
13週 高周波回路1 高周波回路の解析などに用いられるSパラメータについて理解し,1端子対および2端子対回路網のSパラメータなどを求めることができる.
14週 高周波回路2 Sパラメータなどを用いて,1端子対および2端子対回路網の特性を解析することができる.また,2端子対回路網の安定性や利得について調べることができる.
15週 期末試験 講義内容を理解し,試験問題に正しく解答することができる.
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

期末試験演習課題合計
総合評価割合8020100
基礎的能力30535
専門的能力501565