電力システム工学特論

科目基礎情報

学校 奈良工業高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 電力システム工学特論
科目番号 0050 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 システム創成工学専攻(電気電子システムコース) 対象学年 専2
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 大久保「新インターユニバーシティ 電力システム工学」(オーム社)
担当教員 池田 陽紀

到達目標

 ・電力系統の構成・概要を理解し各部の特性や問題点を説明できる。
 ・電力系統における安定度計算、潮流計算、故障解析などができる。
 ・今後の電力システムの在り方について自らの意見を論理的に述べることができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1各種発電方式について理解するとともに、各方式がおかれる現状と問題点について説明できる。さらに、この問題点について自らの考えを述べることができる。各種発電方式について理解するとともに、各方式がおかれる現状と問題点について説明できる。各種発電方式がおかれる現状と問題点について説明できない。
評価項目2送電線・変圧器の等価回路によるモデリング手法について説明できる。送電線・変圧器の等価回路表現について理解できる。送電線・変圧器の等価回路表現が理解できない。
評価項目3電力潮流・系統安定度の意味を説明でき,計算によって系統各値が計算できる。電力潮流・系統安定度の計算ができる。あるいは電力潮流・系統安定度の意味を理解できる。電力潮流・系統安定度の計算ができない。電力潮流・系統安定度の意味を理解できない。
評価項目4系統の電圧特性と周波数特性,および制御方法について説明できる。系統の電圧特性と周波数特性,および制御方法について理解できる。系統の電圧特性と周波数特性,および制御方法について理解できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
 電気エネルギーは、今や世界中で当たり前のように利用されているが、インフラとしての電力の安定供給は容易なことではない。発電所から需要家まで電力を輸送する電力システム(系統)は発電、送電、配電、およびこれらの制御からなる。
本講義は、この電力システムの構成や各要素の特性、解析手法について理解することを目的とする。
授業の進め方・方法:
基本的には講義形式の授業で、適宜演習を実施する。
内容としては、本科の「電力系統工学」と重複する部分もあるが、そこからさらに踏み込んだ内容を取り扱う。また演習では、講義で学習した解析手法を実際に使ってみる。
注意点:
複素数や微積分、三角関数、行列計算等の知識を要する部分がある。
適宜演習を実施する計画なので、自ら手を動かすこと、考えることを意識して履修してほしい。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 電力システムの概要 電力システムの概要について整理する。
2週 発電方式(1) 各種発電方式の役割と火力、水力発電について理解する。
3週 発電方式(2) 原子力発電について理解する。
4週 発電方式(3) 新エネルギーについて理解する。
5週 送電線(1) 分布定数回路、集中定数回路による送電線の表現方法を理解する。
6週 送電線(2) 送電線の周囲で生じる誘導障害や故障について理解する。
7週 変圧器(1) 変圧器の役割と構造について理解する。
8週 変圧器(2) 変圧器の等価回路表現ついて理解する。
4thQ
9週 電力潮流計算(1) 電力円線図を用いた電力潮流計算を理解する。
10週 電力潮流計算(2) ノードアドミタンス行列と電力方程式を理解する。
11週 電力システムの安定度(1) 定態安定度と過渡安定度の意味と求め方を理解する。
12週 電力システムの安定度(2) 等面積法による安定度評価と安定度向上策について理解する。
13週 系統制御(1) 系統電圧特性と制御方法について理解する。
14週 系統制御(2) 系統の周波数特性と制御方法について理解する。
15週 期末試験
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

演習・課題期末試験合計
総合評価割合5050100
専門的能力5050100