到達目標
本科で体系的に学んできた数学は人類が長い歴史の中で積み重ねてきた文化的活動の一部分です。本講義では、先人の歩んだ道筋を追体験し、その成果を深く理解することを目的です。その経験を通して、実際に諸君が数学を使う場面(数理現象を扱う場面)で適切な判断ができるようになることが最終的な目標です。
(1)3次および4次方程式の解の公式を導き出すことができ、具体的な方程式の解が計算できる。
(2)冪乗和の公式の導出について理解し、4乗和、5乗和の公式を導き出せる。
(3)母関数を用いて様々な数列の一般項および和公式(バーゼルの問題)を導き出せる。
(4)様々な分割数の母関数から種々の分割恒等式(関数等式)を導き出せる。
(5)グレブナー基底に関する基礎知識を習得し、簡単なイデアルのグレブナー基底が計算できる。
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
4次以下の代数方程式の解が計算できる。 | 3次4次方程式の解の公式を自力で導出できる。 | 3次4次方程式の解の公式を用いて、具体的な方程式が解ける。 | 3次4次方程式には解の公式が存在することを知らない。 |
母関数を用いて数列の一般項、和公式を導き出せる。 | バーゼルの問題が解ける。 | 解析関数のマクローリン展開が計算できる。 | 解析関数のマクローリン展開が計算できない。 |
分割数の母関数から分割恒等式を導き出せる。 | ロジャース-ラマヌジャン恒等式が解ける。 | 分割数の母関数から分割恒等式を導き出せる。 | 分割数の母関数が計算できない。 |
学科の到達目標項目との関係
教育方法等
概要:
本講義では、方程式論、微分積分(数列と冪級数展開)、整数の分割などからいくつかの具体的な話題、特に古来考えられてきた話題を取り上げ、本科で学んだ知識がどのように活用されているかを解説していく。
授業の進め方・方法:
座学による講義が中心です。講義ごとに演習問題に取り組み、各自の理解度を確認します。
注意点:
関連科目:本科の数学系科目は、本講義を理解する基礎となります。
学習指針:数学の理解には自分の手を動かして考える経験が不可欠です。講義の復習をていねいに行い、課題には積極的に取り組むことで理解を深めて下さい。
自己学習:講義で扱った題材をきっかけに図書館等で参考書にあたって様々な計算例や具体例を調べて下さい。履修するなら、このことを意識し、自らの知識の幅を広げるよう努力して欲しいです。
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
高次方程式(1) |
因数定理、剰余の定理を復習し多項式の根を求める
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2週 |
高次方程式(2) |
3 次方程式の解の公式を導き、公式を用いて方程式を解く
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3週 |
高次方程式(3) |
4 次方程式の解の公式(フェラーリ)を導き、公式を用いて方程式を解く
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4週 |
高次方程式(4) |
4 次方程式の解の公式(オイラー)を導き、公式を用いて方程式を解く
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5週 |
高次方程式(5) |
5 次以上の方程式について(特に解の公式に関する話題)
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6週 |
数列と関数(1) |
冪乗和の公式とベルヌーイ数
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7週 |
数列と関数(2) |
形式的冪級数(母関数から様々な和公式まで)
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8週 |
数列と関数(3) |
フィボナッチ数、ベルヌーイ数、カタラン数などの母関数
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2ndQ |
9週 |
数列と関数(4) |
マクローリン展開の復習と無限積表示について
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10週 |
数列と関数(5) |
バーゼルの問題(リーマン・ゼータ関数の特殊値)
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11週 |
整数の分割(1) |
集合論の用語を復習しオイラー恒等式の全単射を与える
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12週 |
整数の分割(2) |
オイラーペアの構成により分割恒等式を導く
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13週 |
整数の分割(3) |
分割恒等式の母関数とり、様々な関数等式を導く
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14週 |
整数の分割(4) |
多変数多項式の割り算の余りと整数の分割をつなぐ
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15週 |
整数の分割(5) |
ロジャース-ラマヌジャン恒等式に挑戦しよう
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16週 |
前期末試験 |
授業内容を理解し,試験問題に対して正しく解答することができる
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
評価割合
| 試験 | 発表 | 相互評価 | 態度 | ポートフォリオ | 課題 | 合計 |
総合評価割合 | 50 | 0 | 0 | 0 | 0 | 50 | 100 |
基礎的能力 | 50 | 0 | 0 | 0 | 0 | 50 | 100 |
専門的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
分野横断的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |