地域社会技術特論

科目基礎情報

学校 奈良工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 地域社会技術特論
科目番号 0007 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 物質創成工学専攻 対象学年 専1
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 適宜プリント資料を配付
担当教員 谷口 幸典,顯谷 智也子,竹原 信也

到達目標

1. 地方創生とはなにかと、その重要性について説明ができる。
2. テーマ(水素)に対して、現状を把握し、あるべき姿(目標)とのギャップから問題を明確にし、問題に対する調査・分析結果から課題を導きだすという課題発見の一連のプロセスを理解している。
3. 課題を解決する具体的な手段を自身の専門分野と関連付けて提案することができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安最低限の到達レベルの目安(可)未到達レベルの目安
地方創生への貢献力地域創生に対して技術者が果たす役割について、自身の専門分野と関連付けて提案することができる。右記に加えて、地域創生に対して技術者が果たす役割について説明できる。地方創生とはなにかと、その重要性について説明ができる。地方創生とはなにかと、その重要性について説明ができない。
課題分析能力右記に加えて、問題の要因を明快に説明することができる。右記に加えて、課題の背景にある現状とあるべき姿、並びに具体的な問題点を示すことができる。企業から提示される課題に対し、課題の背景にある現状とあるべき姿(目標)を探り、そのギャップから問題を明確するという課題分析の一連のプロセスを理解している。企業から提示される課題に対し、課題の背景にある現状とあるべき姿(目標)を探り、そのギャップから問題を明確するという課題分析の一連のプロセスを理解していない。
課題解決能力右記に加え、解決策の成果(目標値)や地域への貢献度を自身の専門分野と関連付けて説明することができる。右記に加え、提案した解決策が実効可能である裏付けを説明することができる。その課題を解決する具体的な手段を導き出すことができる。その課題を解決する具体的な手段を導き出すことができない。
ファシリテーション能力場の状態や推移を確認しながら、必要に応じ、場に介入し、対話の促進や合意形成の筋道を立て、最適解を導き出すことができる。意見を引き出し、意見を整理しまとめる手法を理解し、その手法のもと、合意形成を図ることができる。グループで意見を出し合い、1つの意見にまとめることができる。意見をまとめることができない

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
1) 地方創生とは何か、また地方創生に対して技術者が果たす役割とその重要性について理解する。
2) 奈良県内ものづくり企業や自治体等が抱える問題に対する課題解決策の作成を通じて、技術者が社会の関わりの中で身につけるべき、課題発見、課題分析、解決策考案、解決策評価という一連の流れを理解し、それを実践する。
3) グループワークを通じ、ファシリテーション能力、コミュニケーション能力、チームビルディング力など社会的自立に必要な汎用的能力を養う。
実務との関係
この科目は, 企業でスマートフォンやタブレットなどの情報機器の開発に携わり, また加えてMBA(経営管理修士)の専門職学位を有する教員が, その知識と実務経験を活かし, 奈良県内のものづくり企業や自治体等の抱える問題に対して課題解決型学習形式で授業を行うものである.
授業の進め方・方法:
「地域創生に対して技術者として何ができるか?」を課題とした問題解決をグループで取り組む。地域におけるカーボンニュートラルへの取り組み(技術開発事案、自治体政策等)について地域社会の状況を調査し考察するとともに、地域が水素エネルギー技術を活用してさらなる発展を目指す上で抱えている問題、あるいは、研究・開発に係る課題、を演習テーマとして設定し、それを解決するアイデアの創造にチャレンジする。それら過程を通じ、水素エネルギーを主としたカーボンニュートラル社会の実現に対して地域がどのように寄与できるのか、その問題分析力、問題解決能力を養う。
中間発表会では、問題の背景分析、設定課題の抽出プロセス、解決すべき課題の絞り込み、および課題解決策の案について発表する。
最終発表会では、中間発表時のコメントを加味して課題を修正するとともに、設定した課題に対する解決策とその根拠を発表する。
なお、本科目は課題解決策のアイデア創出とその発表を行うものであり、実際のものづくりを行うものではない。
注意点:
事前学習
毎回の授業時にグループで決定した各自の役割分担に基つき作業(資料収集、スライド作成等)を遂行し、次回の授業時に円滑にグループ作業ができるようにする。
事後展開学習
グループでの作業となるが、コミュニケーション能力、チームビルディング力に係る役割・作業分担を明確にするために、毎回の講義後に個人の作業振り返りシートを記入・提出する。また、授業のまとめのレポートも作成する。最終の成績評価には、レポートと毎週の振り返りシートを考慮する。

学修単位の履修上の注意

自学自習の時間の課題について:
中間発表、最終発表前にグループとしてわかりやすい発表資料を作成、期限までに提出すること。
作業振り返りシートに明確に分担項目と進捗状況を記載できるように情報収集に努めること。
最終レポートはルーブリックに基づいた評価の観点を事前に提示するので、自分のグループの取り組みについて、解決策提案に至った一連の流れを各自で整理しておくこと。
上記の課題は、自学自習時間も含めて実施すること、その時間の作業も含めてシラバスに沿った評価を行う。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス・地域社会の捉え方~グローバル化・科学技術化する社会~(竹原) 地域社会の定義や科学技術と地域・グローバル化の関係性について理解できる。
2週 テーマ説明(環境・エネルギー問題とGEAR5.0の取組紹介)~グループ分け
テーマに沿って事前調査
テーマの内容を理解し、テーマに沿って、マイドマップ等を活用し、問題の背景について調査できる。
3週 問題分析と課題設定 調査から見えてきた問題点を分析し、それを解決する課題設定ができる。
4週 問題分析と課題設定 調査から見えてきた問題点を分析し、それを解決する課題設定ができる。
5週 問題分析と課題設定 調査から見えてきた問題点を分析し、それを解決する課題設定ができる。
6週 問題解決演習 設定した複数の課題を評価するとともに、選定した課題について解決策の案を提案できる。
7週 中間発表会準備 中間発表会の資料を、分かりやすくまとめることができる。
8週 中間発表会 調査を通して得た情報から、問題の原因、解決すべき課題、解決策案についてまとめて発表することができる。
2ndQ
9週 問題解決演習 中間発表でのコメントも加味して設定した課題に対し、チーム内で議論および調査活動を行い、具体的な解決策を導き出すことができる。
10週 問題解決演習 設定した課題に対し、チーム内で議論および調査活動を行い、具体的な解決策を導き出すことができる。
11週 問題解決演習 設定した課題に対し、チーム内で議論および調査活動を行い、具体的な解決策を導き出すことができる。
12週 問題解決演習 設定した課題に対し、チーム内で議論および調査活動を行い、具体的な解決策を導き出すことができる。
13週 最終提案発表会準備 最終発表会の資料を、分かりやすくまとめることができる。
14週 最終提案発表会準備 最終発表会の資料を、分かりやすくまとめることができる。
15週 最終提案発表会 中間発表時のコメントも加味し、設定した課題に対する解決策とその根拠を分かりやすく発表することができる。
16週 まとめ(期末レポート提出) 授業で取り組んだ一連の作業を整理してレポートにまとめ、地方創生に対して技術者が果たす役割とその重要性について理解できる。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

中間発表最終発表期末レポート継続的に取り組む姿勢合計
総合評価割合30303010100
地方創生への貢献力101010030
課題分析能力10105025
課題解決能力101010030
ファシリテーション能力00505
主体的、積極的に物事に取り組む姿勢0001010