到達目標
1. 微分・積分の基本的な公式(積の公式,合成関数の公式,基本定理,曲線の長さ)の導出ができ,具体的な場面で使うことができる.
2. 微分積分の応用としてウォリス積分,ラグランジュの補間公式,積分の近似公式(台形公式,シンプソンの公式)の導出ができ,具体的な場面で適切に使うことができる.
3. マチン型公式の導出ができ,それを用いて円周率の近似値を計算できる.
4. 平面上の1次変換を基本的な1次変換の合成(積)に分解すること,適当な座標変換によって簡単な行列で表すことができ,具体的な場面で適切に使うことができる.
5. 線形代数(内積,フーリエ級数展開)を統計学(相関係数の計算,回帰直線の計算)へ応用できる.
6. グラム・シュミットの直交化法によって正規直交系を作ることができる.
7. 留数計算によってフーリエ変換・ラプラス変換を求めることができる.
8. ガンマ関数,ウォリス積分を使ってn次元球の体積を求めることができる.
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
評価項目1 | | | |
評価項目2 | | | |
評価項目3 | | | |
学科の到達目標項目との関係
教育方法等
概要:
本講義は,本科の数学で学んだいくつかの計算技術を振り返ったうえで,それらの意味を深く理解することを目標とする.その経験を通して,実際に諸君が出会う現象を数理科学的に解析する場面において適切な判断ができるようになることが本講義の目的である.
授業の進め方・方法:
本講義は座学による講義が中心である.微分積分,線形代数など複数の分野が交錯する数理科学的な話題を取り上げ,本科で学んだ計算技術がどのように活用されるかを解説していく.
注意点:
関連科目
本科の数学系科目は,本講義を理解する基礎となる.
学習指針
数学の理解には自分の手を動かす体験が不可欠である.講義の復習をていねいに行い,課題には積極的に取り組むことで理解を深めてほしい.また,講義で扱った題材をきっかけに図書館等で参考書にあたって様々な計算例や具体例を調べると良い.
自己学習
今まで別々と思っていた知識が繋がった,実は関係があったのだと知る喜びこそが勉強の醍醐味である.履修にあたってこれを強く意識し自らの知識の幅を広げるよう努力してほしい.
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
後期 |
3rdQ |
1週 |
微分の復習(1) |
積・商の微分公式,合成関数の微分公式を説明できる
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2週 |
微分の復習(2) |
関数が凸であることを第2次導関数の条件として説明できる
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3週 |
積分の復習(1) |
台形公式を使って簡単な楕円積分の近似値を計算できる
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4週 |
積分の復習(2) |
ウォリスの積分公式を使ってガウス積分を計算できる
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5週 |
微分積分の応用(1) |
新しいマチン型公式を自分で見出し,円周率の近似値を求めることができる
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6週 |
微分積分の応用(2) |
ラグランジュの補間公式,シンプソンの公式を使って積分の近似値を計算できる
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7週 |
線形代数の復習(1) |
与えられた1次変換を,基本的な1次変換の合成に分解できる(岩澤分解)
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8週 |
線形代数の復習(2) |
与えられた1次変換を,適当な座標変換によって簡単な1次変換として表せる(行列の対角化)
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4thQ |
9週 |
線形代数の応用(1) |
スペクトル分解によって行列のn乗を計算できる
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10週 |
線形代数の応用(2) |
与えられたベクトル空間の基底から,グラム・シュミットの直交化法を用いて正規直交系を構成できる
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11週 |
統計学への応用(1) |
内積を計算することによって,2つのデータ間の相関を調べることができる
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12週 |
統計学への応用(2) |
正規直交系のフーリエ級数展開として,回帰直線を求めることができる
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13週 |
解析学への展開(1) |
有理型関数のローラン展開の主要部として,部分分数分解を求めることができる
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14週 |
解析学への展開(2) |
留数計算によって,フーリエ変換・ラプラス変換を求めることができる
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15週 |
解析学への展開(3) |
ガンマ関数,ウォリス積分を使ってn次元球の体積を求めることができる
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16週 |
学年末試験 |
授業内容を理解し,試験問題に対して正しく解答することができる
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
評価割合
| 試験 | 課題 | 合計 |
総合評価割合 | 50 | 50 | 100 |
基礎的能力 | 50 | 50 | 100 |