応用反応工学

科目基礎情報

学校 奈良工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 応用反応工学
科目番号 0022 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 物質創成工学専攻 対象学年 専1
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 O. Levenspiel “Chemical Reaction Engineering”(3rd ed.)
担当教員 米田 京平

到達目標

1. 境膜拡散や多孔質触媒中の細孔内拡散について理解する。
2. 触媒有効係数について理解し、触媒反応が関与する反応装置設計について理解する。
3. 反応装置内のエネルギー収支式について理解する。
4. 温度変化を伴う場合の反応装置設計について理解する。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1境膜拡散や多孔質触媒中の細孔内拡散について定性的、定量的に正しく理解し、数式で記述できる。境膜拡散や多孔質触媒中の細孔内拡散について定性的に理解できている。境膜拡散や多孔質触媒中の細孔内拡散について基本的な理解が足りない。
評価項目2反応速度データから触媒有効係数を算出し、その触媒を用いた反応器設計ができる。反応速度データから触媒有効係数を算出できる。触媒有効係数について基本的な理解が足りない。
評価項目3未知の化学反応系について、反応装置内のエネルギー収支が取れる。既知の化学反応系およびその組み合わせによる系について、反応装置内のエネルギー収支が取れる。反応装置内のエネルギー収支について基本的な理解が足りない。
評価項目4未知の化学反応系について、温度変化を伴う場合の反応装置設計ができる。既知の化学反応系およびその組み合わせによる系について、温度変化を伴う場合の反応装置設計ができる。温度変化を伴う場合の反応装置設計について基本的な理解が足りない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
種々の化学物質は反応操作を経て製造される場合が多い。特に反応速度の制御、あるいは目的の反応生成物を得るために触媒が利用される。また、一般に化学反応は反応の前後において熱エネルギー量の変化が見られるため、現実の化学反応をより一般的に取り扱うためには温度変化を加味した反応理論の習得が必要である。本講義では触媒反応および非等温反応系における反応速度の理論を修得するとともに反応器の設計・操作法について講義を行う。
授業の進め方・方法:
本科で修得した反応工学を基礎として、主に触媒反応および非等温反応系を主題とし、複数の相が反応に関与する系や温度変化を伴う反応系について、理論的な取り扱いを学ぶと共に、反応装置の設計・操作法について習得する。
注意点:
関連科目
反応工学の基礎知識を必要とする。
  学習指針
各単元の繋がりを理解し、講義内容の全体像を把握することを意識すること。
  自己学習
講義の復習を怠らないこと。特に、講義中には実際の計算演習などはほとんど行わないため、参考図書などを活用した自主学習を推奨する。

学修単位の履修上の注意

講義内にて課題提出を課す。成績評価に含まれる点に留意すること。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 ガイダンス 応用反応工学の概論
2週 反応工学の復習(1) 化学反応速度論について確率論的背景に基づき復習する。
3週 反応工学の復習(2) 種々の反応器設計について復習する。
4週 不均一系反応 不均一系における反応の基礎について学ぶ。
5週 境膜拡散 境膜モデルに基づく相から相への物質拡散について学ぶ。
6週 吸着速度 物質の固体表面に対する吸着速度論について学ぶ。
7週 細孔内拡散 細管モデルに基づく多孔質触媒中の細孔内拡散のメカニズムとその速度論について学ぶ
8週 触媒有効係 触媒有効係数の定義とその物理的意味および、測定法と算出法について学ぶ
4thQ
9週 種々の触媒形状 種々の形状の触媒における反応速度の違いについて学ぶ
10週 触媒反応系の設計(1) 触媒反応を利用した反応器の設計・操作について学ぶ
11週 触媒反応系の設計(2) 同上
12週 反応熱と化学平衡 化学反応による系の熱エネルギー変化と、反応の温度依存性について学ぶ
13週 エネルギー収支 化学反応装置におけるエネルギー収支の取り方について学
14週 非等温反応系の設計(1) 非等温反応系における反応期の設計・操作について学ぶ
15週 非等温反応系の設計(2) 同上
16週 期末試験 期末試験

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験課題相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合60400000100
基礎的能力2515000040
専門的能力2515000040
分野横断的能力1010000020