電子応用化学

科目基礎情報

学校 奈良工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 電子応用化学
科目番号 0027 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 物質創成工学専攻 対象学年 専2
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材
担当教員 片倉 勝己

到達目標

電荷移動が関与する化学反応についてその仕組みを理解し、自らそのような電荷移動を利用したシステム(物質の合成、エネルギー変換、光エネルギー変換、表面処理、分析技術、環境技術、クリーンエネルギー創製等)を開発するための基礎知識を理解し、技術開発における諸問題の解決方法を考察できるようにする。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1電解合成と電池のエネルギー論を理解し説明できる。電解合成と電池のエネルギー論を理解できる。ネルギー論を理解できない。
評価項目2電気化学測定法の原理を理解し実用できる。電気化学測定法の原理を理解している。電気化学測定法の原理を理解できない。
評価項目3表面処理と環境技術における電気化学現象を説明できる。表面処理と環境技術における電気化学現象を例示できる。表面処理と環境技術における電気化学現象を理解できない。

学科の到達目標項目との関係

専攻科学習教育目標 (2) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
現代文明の直面する環境とエネルギー資源の問題を解決するための有効な方策の一つとして、クリーンで効率のよいシステムである電気化学的エネルギー変換・貯蔵システムが注目を集めている。そうした意味で、本講義では、今日的に重要な意味を持つ電気化学(電子化学)の応用技術について、草創期の基礎技術から先端的な技術までを概観し、そうした過程のなかで技術創造のヒントをあぶり出す作業をする。電気化学(電子化学)は高専本科3~4学年で学んだ物理化学と5学年選択科目の基礎電子化学を基礎にして、応用技術の話題に結び付けることになるが、重要な基礎知識は復習を重ね、化学工学専攻以外の受講者にも確かな知識として身に付けられるよう配慮する
授業の進め方・方法:
講義形式で授業を進めるが、理解度を高めるため課題レポートの提出を求めるされた課題を遂行するだけでなく,復習やテキストの該当箇所にある例題や問題を自発的に解いて理解を深めること。
教科書の記述を越える範囲は、補助教材や参考書を読んで理解すること。
また、与えられたテーマに関して調査した結果を学習成果発表会において発表し全体討論実施する。
注意点:
講義形式で授業を進めるが、理解度を高めるため課題レポートの提出を求めるので、必ず解答し、理解できない場合は積極的に質問するよう心掛けてほしい。

学修単位の履修上の注意

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 電子化学の基礎
(1) 電解質溶液と電気化学プロセス
(2) Nernst 式と電位窓
(3) 電極反応速度論(電流・電位プロフィール)
(1) 電解質溶液と電気化学プロセスの概要を理解する。
(2) Nernst 式と電位窓の意味理解する
(3) 電極反応速度論(電流・電位プロフィール)の概要を理解する
2週 物質合成のための電子化学1
(1)電解合成の特徴(2)無機電解合成
電解合成の特徴のエネルギー論を理解する。
3週 物質合成のための電子化学2
(2)無機電解合成
(3)有機電解合成
代表的な無機電解合成法を理解し説明する
代表的な有機電解合成法を理解し説明する
4週 エネルギー変換のための電子化学‐1
(1)Nernst の式、(2)電子の流れとガルバニ電池、
(3)二次電池の条件
酸化還元電位、Nernst の式、電池の起電力、エネルギ論を理解する。
5週 エネルギー変換のための電子化学‐2
(1)次世代二次電池
二次電池の原理を理解し、次世代二次電池の現況を知る。
6週 エネルギー変換のための電子化学‐3
(1)水素エネルギー社会、(2)燃料電池の原理、(3)燃料
電池の種類、(4)燃料電池の特長と課題
燃料電池の原理、種類と特長、課題を理解する。
7週 電気化学測定法-1 (1) 2電極法と3電極法
(2) 電位測定、(3)電流測定、(4)ボルタンメトリ
3電極法、ボルタンメトリを理解する。
8週 電気化学測定法-2 (5)電位制御法(電位ステップ、電位走査法) 電位制御法の種類と特徴を理解する。
2ndQ
9週 学習成果発表‐1
前半8つの講義項目から選択して電子化学システムの応用技
術について学習成果を発表。達成度点検シートに記入。
10週 表面処理のための電子化学
(1)電気化学腐食、(2)プールベイダイアグラム、
(3)金属の防食法(4)電解メッキと無電解メッキ
腐食と防食、電解メッキと無電解メッキを熱力学的に理解する。
11週 分析技術としての電子
化学‐1 (1)導電率滴定、(2)ドナン平衡と膜電位
導電率滴定を理解し、ドナン平衡および膜電位の理論と応用を理解する。
12週 分析技術としての電子
化学‐2 (1)電気化学センサ
電気化学センサの種類と原理を理解する。
13週 のための電子化学
(1) 環境技術、(2)温室効果とCO2 の循環再利用、(3)無機化合物のための電気化学処理、(4)エネルギー消費の歴史、(5)21 世紀のエネルギー、(6)水素経済社会、(7)地球環境保全のために
環境技術とクリーンエネルギーと電気化学の観点で技術調査し発表する能力を身につける
14週 電子応用化学のまとめ これまでに学習した内容についてのまとめと復習をする。 表面処理と防食や物質合成と電気化学の観点で技術調査し発表する能力を身につける
15週 習成果発表‐2
後半4つの講義項目から選択して電子化学システムの応用技術について学習成果を発表。達成度点検シートに記入。
分析技術とセンシング技術と電気化学の観点で技術調査し発表する能力を身につける
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

課題発表相互評価態度ポートフォリオ小テスト合計
総合評価割合50500000100
基礎的能力3020000050
専門的能力1020000030
分野横断的能力1010000020