生物化学工学特論

科目基礎情報

学校 奈良工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 生物化学工学特論
科目番号 0038 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 物質創成工学専攻 対象学年 専2
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 ノート講義/ Bailey, J. E. and Ollis, D. F., Biochemical Engineering Fundamentals, Second Ed., McGraw-Hill, New York (1986) Blanch, H. W. and Clark, D. S., Biochemical Engineering, Marcel-Dekker, New York (1997)
担当教員 直江 一光

到達目標

1)バイオプロセスと生物化学工学の役割及びバイオプロセスの構成について説明できる、2)単一基質反酵素反応速度論についての理解し、速度パラメーターの決定ができ、酵素の変性失活について説明できる、3)微生物の除菌及び殺菌について説明でき、微生物反応の量論並びに速度論について説明できる、4)バイオ生産物の分離操作(沈降、遠心分離、ろ過等)について説明できる

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1バイオプロセスと生物化学工学の役割を理解し、バイオプロセスの構成について説明できる、バイオプロセスの構成について説明できる。バイオプロセスの構成について説明できない。
評価項目2単一基質反酵素反応速度論についての理解し、速度パラメーターの決定ができ、酵素の変性失活について説明できる。単一基質反酵素反応速度論についての理解し、速度パラメーターの決定ができる。単一基質反酵素反応における速度パラメーターの決定ができない。
評価項目3微生物の除菌・殺菌について説明でき、微生物反応の量論並びに速度論について説明できる。微生物の除菌・殺菌について説明できる。微生物の殺菌について説明できない。
評価項目4バイオ生産物の分離操作(沈降、遠心分離、ろ過等)について説明できる。バイオ生産物の分離操作(沈降、遠心分離)について説明できる。バイオ生産物の分離操作について説明できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
生物化学工業分野において、化学工学における一連の単位操作がどのように応用されているかについて、生物化学、微生物工学の知識を基礎として、生物化学的な機能を利用した有用物質の生産やその分離回収、また、有用な生産システムを構築する技術などを理解する。工業的物質生産におけるバイオプロセスと生物化学工学の役割について説明するとともに、酵素及び微生物を用いた物質変換の基礎となる反応速度論、微生物反応の量論、殺菌操作、バイオ生産物のための様々な分離精製操作について、実例を紹介しながら解説する。
授業の進め方・方法:
本講義では、基礎的な生物化学工学を教授するとともに、実際のデータを用いた演習も行うので、計算機、定規、グラフ用紙(普通, 片対数, 両対数方眼紙)を用意すること。
注意点:
関連科目
 化学工学全般、生物化学、微生物学
学習方針
 講義にあたっては、本科及び専攻科で開講されている化学工学系科目、生物工学系科目と関連づけて進めていきたい。参考文献は適宜紹介する。
自己学習
 目標を達成するためには、授業以外にも予習復習を怠らないこと。
事前学習
 あらかじめシラバスを読んで講義内容に該当する部分を把握し、書籍等を読み、理解できるところ、理解できないところを明らかにしておくこと。
事後展開学習
 講義ノートを見直し、追記、まとめをやっておくこと。

学修単位の履修上の注意

自学自習部分の成績評価は、課したレポート,宿題,課題等の評価をもって充てるので注意すること。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 総論 バイオプロセスと生物化学工学について説明できる。
2週 バイオプロセスの構成 バイオプロセスの上流及び下流プロセスについて説明できる。
3週 酵素反応速度論(1) 単一基質酵素反応全般について説明できる。
4週 酵素反応速度論(2) 阻害形式について説明することができる。
5週 酵素の変性と失活 酵素分子の変性失活について説明できる。
6週 微生物の特性 微生物のサイズ、至適温度、至適pH、環境と栄養源などについて説明できる。
7週 除菌 微生物の除菌操作について説明できる。
8週 殺菌 微生物の殺菌操作について説明できる。
4thQ
9週 微生物反応の量論 菌体収率、代謝産物収率の推算法について説明できる。
10週 微生物反応速度論(1) 微生物の増殖速度について説明できる。
11週 微生物反応速度論(2) 微生物の基質消費速度、代謝物生成速度について説明できる。
12週 沈降・遠心分離 バイオ生産物の沈降操作・遠心分離について説明できる。
13週 ろ過 バイオ生産物のろ過について説明できる。
14週 最近のトピックス 最近の生物化学工学に関するトピックスについて説明できる。
15週 学期末試験 授業内容を理解し,試験問題に対して正しく解答することができる。
16週 試験返却・解答 試験問題を見直し,理解が不十分な点を解消する。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験課題レポート合計
総合評価割合6040100
基礎的能力000
専門的能力6040100
分野横断的能力000