電子応用化学

科目基礎情報

学校 奈良工業高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 電子応用化学
科目番号 0046 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 物質創成工学専攻 対象学年 専2
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材  「基礎からわかる電気化学」(泉 生一郎他共著、森北出版)
担当教員 片倉 勝己

到達目標

電荷移動が関与する化学反応についてその仕組みを理解し、自らそのような電荷移動を利用したシステム(物質の合成、エネルギー変換、光エネルギー変換、表面処理、分析技術、環境技術、クリーンエネルギー創製等)を開発するための基礎知識を理解し、技術開発における諸問題の解決方法を考察できるようにする。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
電気化学の基礎電解質と電極界面構造 平衡論(電位、電位窓) 速度論について、それぞれを区別して原理を理解している。電解質と電極界面構造 平衡論(電位、電位窓) 速度論について理解している。電解質と電極界面構造 平衡論(電位、電位窓) 速度論について理解していない。
電気化学的物質合成平衡論、速度論、反応場を理解した上で、その有用性と短所を理解しており、代表的な反応を書ける。平衡論、速度論、反応場の理解は不十分であるが、その有用性と短所を理解しており、代表的な反応を書ける。有用性と短所を理解しておらず、代表的な反応も書けない。
エネルギー変換平衡論、速度論、反応場を理解した上で、その有用性と短所を理解してお平衡論、速度論、反応場の理解は不十分であるが、その有用性と短所を理解しており、代表的な反応を書ける。有用性と短所を理解しておらず、代表的な反応も書けない。
電気化学計測平衡論、速度論、反応場を理解した上で、その有用性と短所を理解してお平衡論、速度論、反応場の理解は不十分であるが、その有用性と短所を理解しており、代表的な反応を書ける。有用性と短所を理解しておらず、代表的な反応も書けない。
分析技術平衡論、速度論、反応場を理解した上で、その有用性と短所を理解してお平衡論、速度論、反応場の理解は不十分であるが、その有用性と短所を理解しており、代表的な反応を書ける。有用性と短所を理解しておらず、代表的な反応も書けない。

学科の到達目標項目との関係

専攻科学習教育目標 (2) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
現代文明の直面する環境とエネルギー資源の問題を解決するための有効な方策の一つとして、クリーンで効率のよいシステムである電気化学的エネルギー変換・貯蔵システムが注目を集めている。本講義では、電荷移動が関与する化学反応についてその仕組みを理解し、自らそのような電荷移動を利用したシステム(各種エネルギー変換技術、電池、電解、センサ等)を開発する場合の基礎知識を習得する。
授業の進め方・方法:
本講義では、今日的に重要な意味を持つ電気化学(電子化学)の応用技術について、草創期の基礎技術から先端的な技術までを概観し、そうした過程のなかで技術創造のヒントをあぶり出す作業をする。電気化学(電子化学)は高専本科3~4学年で学んだ物理化学と5学年選択科目の基礎電子化学を基礎にして、応用技術の話題に結び付けることになるが、重要な基礎知識は復習を重ね、化学工学専攻以外の受講者にも確かな知識として身に付けられるよう配慮する。
注意点:
講義形式で授業を進めるが、理解度を高めるため課題レポートの提出を求めるので、必ず解答し、理解できない場合は積極的に質問するよう心掛けてほしい。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 電子化学の基礎として
(1) 電解質溶液と電気化学プロセス
(2) Nernst式と電位窓
(3) 電極反応速度論(電流・電位プロフィール)
の概要を教授する
電子化学の基礎として
(1) 電解質溶液と電気化学プロセス
(2) Nernst式と電位窓
(3) 電極反応速度論(電流・電位プロフィール)
の概要を理解する
2週 物質合成のための電子化学として1)電解合成の特徴、(2)無機電解合成(3)有機電解合成
を教授する。
物質合成のための電子化学として1)電解合成の特徴、(2)無機電解合成(3)有機電解合成
の特徴と具体的な反応を理解する。
3週 エネルギー変換のための電子化学
(1)Nernstの式、(2)電子の流れとガルバニ電池、
(3)二次電池の条件
を教授する。
エネルギー変換のための電子化学
(1)Nernstの式、(2)電子の流れとガルバニ電池、
(3)二次電池の条件
について理解する。
4週 次世代二次電池の開発動向を教授する 次世代二次電池の必要性と開発り理念を理解する
5週 水素エネルギー社会について、燃料電池についてとその原理、種類、特長と課題について教授する。 水素エネルギー社会について、燃料電池についてとその原理、種類、特長と課題についてを理解する。
6週 電気化学測定法
2電極法と3電極法、電気伝導率測定、電位測定、電流測定、ボルタンメトリの概要を教授する。
電気化学測定法の基本的な構成を学びし、2電極法と3電極法の相違を理解する。
7週 電気化学測定法
電位制御法(電位ステップ、電位走査法)について教授する
電位制御法によって得られる情報について理解する。
8週 電気化学測定法
回転電極法、電気化学インピーダンス測定
各種、応用的な電気化学測定法について、その必要性と役割を理解する。
2ndQ
9週 成果発表 前半8つの講義項目から選択して電子化学システムの応用技術について学習成果を発表。する。
10週 表面処理のための電子化学
電気化学腐食、プールベイダイアグラム、金属の防食法、電解メッキと無電解メッキ
電気化学腐食現象とその防食技術について、電気化学的な見地から理解する。
11週 分析技術としての電子化学
ドナン平衡と膜電位
電気化学ポテンシャルについて理解し、ドナン平衡と膜電位など,固定電荷のある系での電気化学現象を理解する。
12週 電気化学センサの種類と原理について教授する 電気化学センサの種類と原理を理解し、その特徴を理解したしえで,利用できにようなスキルを身につける。
13週 環境技術とクリーンエネルギーのための電子化学について教授する。 環境技術、CO2の循環再利用、
無機化合物のための電気化学処理、21世紀のエネルギー、地球環境保全のために電気化学ができることを考える。
14週 学習成果発表 後半4つの講義項目から選択して電子化学システムの応用技術について学習成果を発表。
15週 学習成果発表 後半4つの講義項目から選択して電子化学システムの応用技術について学習成果を発表。
16週 総括 総括

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合30700000100
基礎的能力300000030
専門的能力070000070
分野横断的能力0000000