工業熱力学

科目基礎情報

学校 和歌山工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 工業熱力学
科目番号 0012 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 知能機械工学科 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 丸茂榮佑・木本恭司「工業熱力学」コロナ社、機械系教科書シリーズ
担当教員 大村 高弘

到達目標

熱エネルギーや仕事および熱効率について理解する.実際の機械のシステムから熱効率や成績係数を計算し,基本的な事項を解析できる能力を養う.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1専門用語や公式を理解し,熱力学的現象に当てはめることができる.専門用語を理解している.専門用語を理解していない.
評価項目2熱力学的現象を論理的に説明できる.公式を使って物理量を計算できる.熱力学的現象に公式を当てはめられない.
評価項目3応用問題ができる.基本的な演習問題が解ける.基本的な演習問題が解けない.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
熱力学は熱と仕事の関係について調べる学問である.自動車や発電所のサイクルを調べて,熱効率を高めたり,多くの仕事を得る方法などを学ぶ.
授業の進め方・方法:
言葉の定義や、数式とその意味、図に至るまで、全てノートに書き込ませる。分かりにくいところは簡単な演習問題を行う。幾つかの章をまとめて演習問題を実施するが、解法のポイントを必ず示す。レポート課題を通して、問題解法のための計算以外の知識を習得させる。例えば、歴史的に有名な実験の正確なスケッチとその内容を説明することなどを課題とする。
注意点:

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 復習 完全ガスの状態変化(等温変化、等容変化、等圧変化)
2週 復習 完全ガスの状態変化(断熱変化、ポリトロープ変化)
3週 可逆変化・不可逆変化
4週 カルノーサイクル・熱効率・作動流体からの独立性
5週 クラウジウスの積分
6週 エントロピー
7週 完全ガスのエントロピー変化・P-v線図,T-S線図
8週 演習問題(解答・解説)
2ndQ
9週 今までの復習
10週 熱力学第2法則、エントロピー増大原理、エクセルギーとアネルギー
11週 ガスサイクルと熱効率(標準サイクル・オットーサイクル)
12週 ガスサイクルと熱効率(ディーゼルサイクル・サバテサイクル)
13週 ガスサイクルと熱効率(実際の内燃機関サイクル・ブレイトンサイクル)
14週 ガスサイクルと熱効率(スターリングサイクル)
15週 演習問題(解答・解説)
16週 前期期末試験の解説と熱サイクルの復習
後期
3rdQ
1週 蒸気の性質(水の蒸発現象、P-v線図、状態曲面)
2週 蒸気の性質(van der Waals式、水/水蒸気の状態量)
3週 蒸気の性質(蒸気表、蒸気線図、蒸気の状態変化)
4週 蒸気サイクルと冷凍サイクル(ランキンサイクル)
5週 蒸気サイクルと冷凍サイクル(再熱サイクル、再生サイクル)
6週 蒸気サイクルと冷凍サイクル(冷凍サイクル,成績係数)
7週 演習問題(解答・解説)
8週 後期の復習
4thQ
9週 湿り空気(湿度、露点、湿り空気の状態量)
10週 伝熱の基本形態,各伝熱様式の基礎式
11週 フーリエ則の適用~平板,多層平板,円管,球殻
12週 対流伝熱の基礎的事項~温度境界層,熱伝達率,熱通過
13週 ふく射伝熱,プランク則,ウィーン則,ステファン・ボルツマン
14週 伝熱工学概要の復習および演習問題解答・解説
15週
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野熱流体熱力学の第二法則を説明できる。4
サイクルの意味を理解し、熱機関の熱効率を計算できる。4
カルノーサイクルの状態変化を理解し、熱効率を計算できる。4
エントロピーの定義を理解し、可逆変化および不可逆変化におけるエントロピーの変化を説明できる。4
固体、液体および理想気体におけるエントロピーの変化量を計算できる。4
サイクルをT-s線図で表現できる。4
熱の有効エネルギーを説明できる。4
水の等圧蒸発過程を説明できる。4
飽和蒸気、湿り蒸気、過熱蒸気の状態量を計算できる。4
蒸気の状態量を蒸気表および蒸気線図から読み取ることができる。4

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合80000020100
基礎的能力400000040
専門的能力4000002060
分野横断的能力0000000