電子制御Ⅱ

科目基礎情報

学校 和歌山工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 電子制御Ⅱ
科目番号 0017 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 知能機械工学科 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 「速解論理回路」、宮田武雄 著、コロナ社、「速解電子回路」、宮田武雄 著、コロナ社
担当教員 古金谷 圭三

到達目標

 2進数や10進数の相互変換ができる。符号付き整数その他、様々なデータが2進数で表現されていることを理解する。真理値表から論理式を作れる。論理式の演算規則とド・モルガンの法則などの諸公式が正しく使える。カルノー図などにより論理式の簡単化ができる。基本的な組み合わせ論理回路の論理設計ができる。ダイオード、トランジスタ、FET、OPアンプの性質とそれらを使った基本的な回路の動作が説明できる。論理ICの基本的な使い方がわかる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
2進数、10進数、16進数の相互変換と、2進数の符号などの扱いを理解する。2進数、10進数、16進数の相互変換の計算や2進数の四則演算、符号化などの計算が行える。一部確認しながら、2進数、10進数、16進数の相互変換の計算や2進数の四則演算、符号化などの計算が行える2進数、10進数、16進数の相互変換の計算や2進数の四則演算、符号化などの計算に間違いが多い。
論理回路における、真理表、論理回路図を理解し、主加法、カルノー図による論理回路の簡易化を行える。真理表を理解して、カルノー図を使った、論理回路の簡易化などの課題をこなせる。一部関係資料を確認することで、真理表、カルノー図を使った論理回路の簡易化などの課題をこなせる。真理表、カルノー図に関する、論理回路の簡易化などの課題について間違いが多い。
ダイオードとトランジスタの非線形素子の動作を理解する。ダイオード、トランジスタの基本的な回路に関する計算ができる。一部資料を確認すれば、ダイオード、トランジスタの基本的な回路に関する計算ができる。ダイオード、トランジスタの基本的な回路に関する計算において、間違いが多い。
オペアンプ、コンパレータの動作を理解する。オペアンプの増幅回路の増幅率の計算、コンパレータにおけるヒステリシスを示す計算ができる。一部資料を確認すれば、オペアンプの増幅回路の増幅率の計算、コンパレータにおけるヒステリシスを示す計算ができる。オペアンプの増幅回路の増幅率の計算、コンパレータにおけるヒステリシスを示す計算に間違いが多い。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
4年通年と5年半期(電子制御Ⅲ)を通じて、電子制御システムの設計の基礎について学ぶ。4年では、まずデジタル回路の論理設計法について学び、続いて基本的な組み合わせ論理回路を理解した後、それらを支えるアナログ技術、さらに論理ICの構造と使い方について学ぶ。
授業の進め方・方法:
適宜、例題のプリントを配布し、理解を深めるとともに、一部の授業では回路を組み込んだものを見ることで、興味を抱かせるようにする。
注意点:
5年の電子制御Ⅲでは、引き続く形で、「順序論理回路」、「マイクロコンピュータ」、及びそれらによる電子制御システムの構成について学びます。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 年間のガイダンス、アナログ回路・デジタル回路の意味と役割 サンプリング、量子化、符号化の一連の流れを理解する。
2週 デジタル信号によるデータの表現:数系(2進数、8進数、16進数) 10進数から2進数、16進数への変換、逆変換ができる
3週 デジタル信号によるデータの表現:2進数の演算 2進数の四則演算について、理解する。
4週 デジタル信号によるデータの表現:「補数」による符号付き整数の表現 桁数が限られているときの、2進数の補数表現が負の数を表していて、加算で減算が行われていることを理解する。
5週 デジタル信号によるデータの表現:各種のデータの表現=「コード(符号)」① グレイコード、ASCIIコード、パリティビットについて理解する。
6週 デジタル信号によるデータの表現:各種のデータの表現=「コード(符号)」② データの誤り検出に関する、ハミング符号とハミング距離についての理解
7週 記号論理:基本論理式と論理式の演算規則 ブール代数における演算記号について理解する。
8週 前期中間までの総まとめ。 2進数の四則演算の扱いと、コード、誤り訂正などを再確認。
2ndQ
9週 論理設計:ド・モルガンの定理  ブール代数による論理展開を踏まえ、ド・モルガンの定理の展開を理解する。
10週 論理設計:論理回路と論理記号 論理式などから、論理記号を使った論理回路への展開を行える。
11週 論理設計:論理式の簡単化、カルノー図 カルノー図を使った論理式の簡略化が行える。
12週 論理設計:論理式の簡単化、クワイン・マクラスキの方法 冗長要素を理解する。クワイン・マクラスキの方法とカルノー図の比較による、カルノーズの利点を理解する。
13週 組み合わせ論理回路:実際の回路設計 条件が付いた場合の論理式の実際と、カルノーズの適用を演習で行い、理解する。
14週 組み合わせ論理回路:デコーダとエンコーダ、マルチプレクサとデマルチプレクサ 簡単なデコーダとエンコーダ、マルチプレクサとデマルチプレクサを理解する。
15週 前期のまとめ  論理回路の真理表、論理式、カルノー図による簡略化などが行える。
16週
後期
3rdQ
1週 デジタル回路を支えるアナログ技術:電子回路の考え方 交流回路の素子(線形、非線形と受動型、能動型)の概略を理解する。
2週 デジタル回路を支えるアナログ技術:素子の電圧と電流 キルヒホッフの法則、テプナンの法則、オームの法則が適用されることの再確認、
3週 デジタル回路を支えるアナログ技術:アナログ信号の基本形 正弦波、矩形波などの信号とそれらの有効電圧などの計算が行える。
4週 デジタル回路を支えるアナログ技術:ダイオードと整流 ダイオードの動作の仕組みを理解する。順方向電圧での電圧降下などの特性を理解する。
5週 デジタル回路を支えるアナログ技術:いろいろな整流回路と平滑 ダイオードによる半波整流とブリッジ回路による全波整流の動作を理解する。
6週 デジタル回路を支えるアナログ技術:その他のダイオード 倍電圧回路の動作原理を理解する。ツェナーダイオードなどの種類を知る。
7週 デジタル回路を支えるアナログ技術:ダイオードを含んだ回路の計算 フォトダイオードなど、電流値を制御する抵抗、消費電力の計算方法を理解する。
8週 後期中間までのまとめ  回路計算、消費電力計算、ダイオードに関する計算を行える。
4thQ
9週 デジタル回路を支えるアナログ技術:トランジスタの基本回路 トランジスタの動作原理を理解する。トランジスタの基本回路を確認する。
10週 デジタル回路を支えるアナログ技術:トランジスタのバイアス回路、等価回路 増幅作用を理解する。等価回路の考え方を理解する。
11週 デジタル回路を支えるアナログ技術:トランジスタの増幅回路 小信号増幅と動作点の関係を理解する。増幅率の計算が行える。
12週 デジタル回路を支えるアナログ技術:オペアンプの基本特性 オペアンプの増幅回路の動作原理と反転増幅回路の増幅の仕組みを理解する。
13週 デジタル回路を支えるアナログ技術:オペアンプの基本回路 オペアンプの非反転増幅回路、これらの組み合わせによる信号増幅の実際を理解する。
14週 デジタル回路を支えるアナログ技術:オペアンプの応用回路 オペアンプによる、微分、積分回路、コンパレータなどの動作を理解する。
15週 総まとめ トランジスタのエミッタ接地回路、オペアンプの増幅回路の計算が行える。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験課題合計
総合評価割合8020100
能力8020100