工業力学

科目基礎情報

学校 和歌山工業高等専門学校 開講年度 平成31年度 (2019年度)
授業科目 工業力学
科目番号 0031 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 知能機械工学科 対象学年 2
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 機械系教科書シリーズ17 工業力学 コロナ社
担当教員 山東 篤

到達目標

力・モーメント・速度と加速度・回転運動などの基本概念を確実に理解し、応用出来る能力を身に付ける。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1剛体に働く力の釣り合いを理解し、支点反力や未知力を計算できる。剛体に働く力の釣り合いを理解できる。剛体に働く力の釣り合いを理解できない。
評価項目2剛体に働く力と運動の関係を理解し、物体の運動から物体にかかる力を計算できる。剛体に働く力と運動の関係を理解できる剛体に働く力と運動の関係を理解できない。
評価項目3力学的エネルギー保存則や運動量保存則、仮想仕事の原理を理解し、力が働く前後の運動量やエネルギーの変化について説明できる。力学的エネルギー保存則や運動量保存則、仮想仕事の原理を理解できる。力学的エネルギー保存則や運動量保存則、仮想仕事の原理を理解できない。

学科の到達目標項目との関係

JABEE C-1 説明 閉じる

教育方法等

概要:
 力学の最も基礎となる「力」について勉強する.複数の力を等価な一つの力に変換する「合成」,各方向別に足し合わせるために一つの力を複数に分ける「分解」,そして力を受ける物体が静止するときに満たすべき「つりあい式」,そして「モーメント」は材料力学を学習するために最低限必要な知識である.これらについては特に時間をかけて重点的に説明する.
 
授業の進め方・方法:
 1つの授業は①講義 ②演習 ③小テストの形式を基本とする.①講義で当日学習する新しい内容を解説し,②演習でそれを用いた計算問題を解く.その際にクラス内で解き方を教えあうのを推奨する.③小テストは授業の冒頭にどのような問題かを提示するので,②演習の時間中に解き方を理解しておくこと.
注意点:
1年生の物理の内容と重複する部分もあるのでよく復習しておくこと。また、ベクトルや微積分など簡単な数学の知識が必要なのでそちらの授業もよく学習すること。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 オリエンテーション
単位と有効桁
質点力学と剛体力学の違いを説明できる
物理量の単位を理解し,換算できる
2週 力の表示,つりあい 力の表し方を説明できる
3週 力の合成と分解 力の合成や分解の計算ができる
4週 力の合成と分解 力の合成や分解の計算ができる
5週 力のつりあい つりあい式を立てることができる
6週 力のつりあい つりあい式を使った計算問題を解くことができる
7週 モーメント 力のモーメントの意味を理解し計算できる
8週 演習と解説 力のつりあい,モーメントに関する計算練習と解説
2ndQ
9週 試験と解説
10週 着力点の異なる力の合成 着力点の異なる力のつりあい式を立てることができる
11週 着力点の異なる力のつりあい 着力点の異なる力のつりあい式を用いた計算問題を解くことができる
12週 演習問題 支点の種類を説明できる.静定ばりの反力を計算できる
13週 静定ばりの反力 支点の種類を説明できる.静定ばりの反力を計算できる
14週 静定ばりの反力 静定ばりの反力を計算できる
15週 静定ばりの反力 静定ばりの反力を計算できる
16週
後期
3rdQ
1週 図心,重心 モーメントのつりあいをもとに簡単な図形の重心位置を計算できる
2週 図心,重心 モーメントのつりあいをもとに簡単な図形の重心位置を計算できる
3週 摩擦 静摩擦と動摩擦の計算ができる
4週 摩擦 転がり摩擦,ベルト,くさびの摩擦に関する計算問題を解くことができる
5週 摩擦 転がり摩擦,ベルト,くさびの摩擦に関する計算問題を解くことができる
6週 直線運動 変位,速度,加速度の意味と関係性を説明できる
7週 回転運動 角変位,角速度,角加速度の意味と関係性を説明できる
8週 試験と解説
4thQ
9週 運動の法則 ニュートンの運動の三法則を説明できる
10週 運動の法則 ニュートンの運動の三法則を説明できる
11週 運動の法則 ニュートンの運動の三法則を用いた計算問題を解くことができる
12週 回転運動の力 向心力,遠心力を説明できる
13週 回転運動の力 回転運動を含む計算問題を解くことができる
14週 回転運動の力 回転運動を含む計算問題を解くことができる
15週 総まとめ 本授業と3年材料力学の関係を理解し,次年度にもこの知識が必要であることを理解する
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野力学力は、大きさ、向き、作用する点によって表されることを理解し、適用できる。4前1,前2
一点に作用する力の合成と分解を図で表現でき、合力と分力を計算できる。4前3,前4
一点に作用する力のつりあい条件を説明できる。4前5,前6
力のモーメントの意味を理解し、計算できる。4前7
偶力の意味を理解し、偶力のモーメントを計算できる。4前4,前9
着力点が異なる力のつりあい条件を説明できる。4前9,前10
重心の意味を理解し、平板および立体の重心位置を計算できる。4後1,後2
速度の意味を理解し、等速直線運動における時間と変位の関係を説明できる。4後6
加速度の意味を理解し、等加速度運動における時間と速度・変位の関係を説明できる。4後6
運動の第一法則(慣性の法則)を説明できる。4後9
運動の第二法則を説明でき、力、質量および加速度の関係を運動方程式で表すことができる。4後9
運動の第三法則(作用反作用の法則)を説明できる。4後10
周速度、角速度、回転速度の意味を理解し、計算できる。4後7
向心加速度、向心力、遠心力の意味を理解し、計算できる。4後12
すべり摩擦の意味を理解し、摩擦力と摩擦係数の関係を説明できる。4後3

評価割合

試験演習合計
総合評価割合7030100
基礎的能力000
専門的能力7030100
分野横断的能力000