流体力学

科目基礎情報

学校 和歌山工業高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 流体力学
科目番号 0033 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 知能機械工学科 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 坂田光雄・坂本雅彦著 流体の力学 コロナ社
担当教員 早坂 良

到達目標

流体工学のエネルギー保存則を表すベルヌーイの定理を理解し、実際の管路設計等に応用できる能力を身に付ける。また、ナビエ・ストークスの運動方程式の意味がわかるレベルに到達する。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
理想流体の運動理想流体の運動を理解し、他条件でも解析ができる理想流体の運動を理解している理想流体の運動を理解していない
ベルヌーイの定理と運動量保存ベルヌーイの定理と運動量保存を理解し、他条件でも解析ができるベルヌーイの定理と運動量保存を理解しているベルヌーイの定理と運動量保存を理解していない
粘性流体の運動粘性流体の運動を理解し、他条件でも解析ができる粘性流体の運動を理解している粘性流体の運動を理解していない
管路内の圧力損失管路内の圧力損失の計算ができる管路内の圧力損失を理解している管路内の圧力損失を理解していない

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
水・空気に代表される「流体」の特性とその流れの力学の基本的事項を理解する。流体の粘性、圧縮性が運動に果たす役割、静止流体の圧力や浮力、流体運動を支配する連続の方程式、オイラーの運動方程式、ベルヌーイの定理、ナビエ・ストークスの運動方程式を学習する。
授業の進め方・方法:
[15分]前回の課題レポートの解説 [60分]基本事項の確認 [15分]課題レポート
注意点:
・事前学習:教科書を一読すること
・事後学習:授業中に行った演習問題の復習をし,値により結果がどのように変化するか考察すること。課題レポートが終わっていない場合は取り組み、必ず提出すること。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 Orientationと流体力学の概説、レイノルズ数 本授業の全体論とレイノルズ数について説明できる。
2週 理想流体の運動   流体力学で必要になる数学 ベクトルの内積と外積、完全微分方程式が理解できる。
3週 理想流体の運動   流れの観察、連続の方程式 流れを観察する方法と連続の方程式を説明できる。
4週 理想流体の運動   連続の式、定常流と非定常流、オイラーの運動方程式 連続の式、定常流と非定常流の違い、オイラーの運動方程式を理解できる。
5週 理想流体の運動   流線と流管、流れ関数 流線と流感の違いが説明できる。流線の方程式から流れ関数が導出できる。
6週 理想流体の運動   流体の変形と回転 流体の変形と回転を説明できる。
7週 理想流体の運動   速度ポテンシャル 速度ポテンシャルを求めることができる。
8週 前期前半のまとめ   1-7週で学習した内容をより深く説明および計算ができる。
2ndQ
9週 エネルギー保存   ベルヌーイの定理 ベルヌーイの定理を導出し説明ができる。
10週 エネルギー保存   ベルヌーイの定理の応用 ベルヌーイの定理を応用し、トリチェリの定理の導出、ピトー管を用いて流速の測定、ベンチュリ管を用いて流量の測定が可能になる。
11週 運動量の法則    運動量保存則 流体の運動量保存則を導出できる。
12週 運動量の法則    運動量の法則の応用(1) 運動量の法則を用いて、物体に作用する力の計算ができる。
13週 運動量の法則    運動量の法則の応用(2) 運動量の法則を用いて、物体に作用する力の計算ができる。
14週 角運動量の法則 角運動量の法則を導出し説明することができる。散水器の回転数を計算することができる。
15週 試験返却・前期後半のまとめ 9-14週で学習した内容をより深く説明および計算ができる。
16週
後期
3rdQ
1週 粘性流体の運動   応力について,応力と速度の関係 応力について、応力と速度の関係について説明できる。
2週 粘性流体の運動   ナビエ・ストークスの運動方程式 ナビエ・ストークスの運動方程式を導出できる。
3週 粘性流体の運動   ナビエ・ストークス方程式の幾つかの解(1) 粘性流体の流れをナビエ・ストークスの運動方程式から求めることができる。
4週 粘性流体の運動   ナビエ・ストークス方程式の幾つかの解(2) 粘性流体の流れをナビエ・ストークスの運動方程式から求めることができる。
5週 境界層、はく離、円柱周りの流れ 境界層の存在とはく離が生じる現象、さらに円柱周りの流れについて説明できる。
6週 抗力と揚力 抗力と揚力について理解し計算ができる。
7週 次元解析      ロード・レイリーの方法 次元解析の基礎を説明できる。
8週 後期前半のまとめ 1-7週で学習した内容をより深く説明および計算ができる。
4thQ
9週 次元解析 バッキンガムのπ定理 バッキンガムのπ定理を用いて、実用式を導出できる。
10週 相似則 概念、代表的な無次元数 レイノルズ相似則とレイノルズ数、および他の無次元数について説明できる。
11週 管路内の流れ    層流、乱流 層流、乱流について説明できる。
12週 速度分布      臨界レイノルズ数、遷移、速度分布 臨界レイノルズ数、遷移、速度分布について説明できる。
13週 圧力損失      管摩擦損失係数、管路の諸損失、ダルシー・ワイズバッハの式 管摩擦損失係数、管路の諸損失、ダルシー・ワイズバッハの式について説明できる。
14週 ムーディー線図、管路系の総損失、ポンプ動力 ムーディー線図、管路系の総損失、ポンプ動力について説明できる。
15週 試験返却・後期後半のまとめ 9-14週で学習した内容をより深く説明および計算ができる。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野熱流体定常流と非定常流の違いを説明できる。4前1
流線と流管の定義を説明できる。4前5
連続の式を理解し、諸問題の流速と流量を計算できる。4前3,前4
オイラーの運動方程式を説明できる。4前4
ベルヌーイの式を理解し、流体の諸問題に適用できる。4前9,前10
運動量の法則を理解し、流体が物体に及ぼす力を計算できる。4前11,前12,前13
層流と乱流の違いを説明できる。4後11
レイノルズ数と臨界レイノルズ数を理解し、流れの状態に適用できる。4後12
ダルシー・ワイスバッハの式を用いて管摩擦損失を計算できる。4後13
ムーディー線図を用いて管摩擦係数を求めることができる。4後14
境界層、はく離、後流など、流れの中に置かれた物体の周りで生じる現象を説明できる。4後5
抗力について理解し、抗力係数を用いて抗力を計算できる。4後6
揚力について理解し、揚力係数を用いて揚力を計算できる。4後6

評価割合

試験課題レポート合計
総合評価割合8020100
基礎的能力000
専門的能力8020100