応用数学

科目基礎情報

学校 和歌山工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 応用数学
科目番号 0071 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 知能機械工学科 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 [教科書1]新応用数学,高遠節夫ほか著,大日本図書 [教科書2]新確率統計,高遠節夫ほか著,大日本図書
担当教員 溝川 辰巳 ,村山 暢

到達目標

[前期:村山教員]制御工学で用いるラプラス変換及び逆変換の定義と基本的な諸公式を修得し、これを常微分方程式の解法に応用できるようにする。次に,確率を数学的に取り扱うための様々な定理およびデータを統計的に処理する方法を学ぶ。将来、膨大なデータを取り扱う際に大いに役立つ。
[後期:溝川教員]流体力学で多用するベクトル解析および複素数の基本的取り扱いができるようになるとともに,正則関数の意味を理解する。将来、機械に作用する力の計算を簡潔に行う際に大いに役立つ。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
ラプラス変換制御系の問題を、ラプラス変換を使って解くことができる資料を参考にすれば、制御系の問題を、ラプラス変換を使って解くことができる制御系の問題を、ラプラス変換を使って解くことができない、または間違いが多い
確率統計確率統計の基本的な定理や計算方法を理解している確率統計の基本的な定理や手法を用い具体的な事例の計算ができる確率統計の基本的な定理や計算方法を理解していない
ベクトル解析内積や外積および微分積分の基本的な計算方法を理解しているベクトルの基本的な計算を正確に行うことができる内積や外積および微分積分の基本的な計算方法を理解していない
複素関数複素関数の計算を行うことができる簡単な解説を受ければ、複素関数の計算を行うことができる複素関数の計算を行うことができない、もしくは間違いが多い

学科の到達目標項目との関係

C-1 説明 閉じる
JABEE C-1 説明 閉じる

教育方法等

概要:
[前期:村山教員]制御工学で用いるラプラス変換及び逆変換の定義と基本的な諸公式を修得し、これを常微分方程式の解法に応用できるようにする。次に,確率を数学的に取り扱うための様々な定理およびデータを統計的に処理する方法を学ぶ。
[後期:溝川教員]流体力学で多用するベクトル解析および複素数の基本的取り扱いができるようになるとともに,正則関数の意味を理解し取り扱えるようにする。
授業の進め方・方法:
[前期:村山教員]
・当該週のトピックの説明,例題の解説,小テスト
[後期:溝川教員]
・前回の課題レポートの解説
・新規事項の学習
・グループで課題レポートに取り組む,解答が終わったグループに板書・説明してもらう
注意点:
[前期:村山教員]
・事前学習:数学Ⅲβの確率・微分方程式の単元の復習
・事後学習:授業中に説明する例題・小テストの復習
[後期:溝川教員]
・事前学習:教科書を一読してくること
・事後学習:課題レポートに取り組むこと

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 オリエンテーション 一年間に学ぶ内容の確認
2週 ラプラス変換
ラプラス変換とは何か、何の役に立つか
ラプラス変換が技術の現場でどのように使われているかを知る。
3週 ラプラス変換
ラプラス変換の基本的性質
ラプラス変換の基本的性質とその証明を理解する。
4週 ラプラス変換
ラプラス変換、問題
基本的な関数のラプラス変換が出来るようになる。
5週 ラプラス変換
逆ラプラス変換
逆ラプラス変換を理解し、基本的な関数の逆ラプラス変換を実行できる。
6週 ラプラス変換
線形常微分方程式の解法への応用
ラプラス変換を使って、線型常微分方程式を表現できる。
7週 ラプラス変換
線形常微分方程式の解法への応用
ラプラス変換を使って、基本的な線型常微分方程式を解けるようになる。
8週 ラプラス変換
専門分野への応用
電気回路や制御工学などの分野に応用できることを理解する。
2ndQ
9週 前期中間試験
10週 確率・統計
確率、条件付き確率、加法定理、乗法定理
確率、条件付き確率、加法定理、乗法定理を理解し、基本的な問題を解けるようになる。
11週 確率・統計
確率変数と確率分布
確率変数と確率分布を理解する。
12週 確率・統計
順列・組合せ、二項分布
順列・組合せ、二項分布を理解し、計算できるようになる。
13週 確率・統計
度数分布表、代表値と散布度、平均・分散・標準偏差正規分布
度数分布表、代表値と散布度、平均・分散・標準偏差を理解し、計算できるようになる。正規分布を理解する。
14週 確率・統計
相関関数、回帰直線、回帰曲線
相関関数、回帰直線、回帰曲線を理解し、計算できるようになる。
15週 前期期末試験
16週 前期期末試験の返却、まとめ 前期期末試験の解答を理解し、整理する。
後期
3rdQ
1週 ベクトル解析
ベクトルの和,差,位置ベクトルと成分
ベクトルの和,差,位置ベクトルと成分を理解し、基本的な問題を解けるようにする。
2週 ベクトル解析
ベクトルの内積と外積
ベクトルの内積と外積を理解し、基本的な問題を解けるようにする。
3週 ベクトル解析
曲線と曲面
ベクトルの曲線と曲面を理解し、基本的な問題を解けるようにする。
4週 ベクトル解析
スカラー場の勾配
スカラー場の勾配の概念を理解する。
5週 ベクトル解析
ベクトル場の発散と回転
ベクトル場の発散と回転の概念を理解する。
6週 ベクトル解析
線積分(1)
線積分を理解し、計算できるようになる。
7週 ベクトル解析
線積分(2)
線積分を理解し、計算できるようになる。
8週 中間試験
試験の解答を理解し、整理する。
4thQ
9週 ベクトル解析
面積分(1)
面積分を理解し、計算できるようになる。
10週 ベクトル解析
面積分(2)
面積分を理解し、計算できるようになる。
11週 複素数と複素関数
極形式、オイラーの公式、絶対値と偏角
極形式、絶対値と偏角、オイラーの公式の計算ができる
12週 複素数と複素関数
ド・モアブルの公式、複素関数
ド・モアブルの公式、複素関数の説明ができる
13週 複素数と複素関数
正則関数、コーシー・リーマンの関係式
正則関数、コーシー・リーマンの関係式の説明ができる
14週 複素数と複素関数
導関数、逆関数
導関数、逆関数の計算ができる
15週 後期期末試験
16週 後期期末試験の返却、まとめ 後期期末試験の解答を理解し、整理する。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力数学数学数学積の法則と和の法則を利用して、簡単な事象の場合の数を数えることができる。3前10
簡単な場合について、順列と組合せの計算ができる。3前12
ベクトルの定義を理解し、ベクトルの基本的な計算(和・差・定数倍)ができ、大きさを求めることができる。3後1
平面および空間ベクトルの成分表示ができ、成分表示を利用して簡単な計算ができる。3後1
平面および空間ベクトルの内積を求めることができる。3後2
問題を解くために、ベクトルの平行・垂直条件を利用することができる。3後3
空間内の直線・平面・球の方程式を求めることができる(必要に応じてベクトル方程式も扱う)。3後3
独立試行の確率、余事象の確率、確率の加法定理、排反事象の確率を理解し、簡単な場合について、確率を求めることができる。3前10
条件付き確率、確率の乗法定理、独立事象の確率を理解し、簡単な場合について確率を求めることができる。3前10
1次元のデータを整理して、平均・分散・標準偏差を求めることができる。3前13
2次元のデータを整理して散布図を作成し、相関係数・回帰直線を求めることができる。3前14
オイラーの公式を用いて、複素数変数の指数関数の簡単な計算ができる。3後11
専門的能力分野別の専門工学機械系分野計測制御基本的な関数のラプラス変換と逆ラプラス変換を求めることができる。4前2,前3,前4,前5
ラプラス変換と逆ラプラス変換を用いて微分方程式を解くことができる。4前6,前7,前8

評価割合

試験課題と小テスト合計
総合評価割合8020100
数学的能力8020100