電気情報工学実験

科目基礎情報

学校 和歌山工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 電気情報工学実験
科目番号 0002 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 電気情報工学科 対象学年 1
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 プリント配布
担当教員 山吹 巧一,岡本 和也,岩﨑 宣生

到達目標

・電気情報工学分野の内容について、その概要を説明できる。
・電気情報工学分野の実験・実習を安全に行うための基本事項を説明できる。
本講義の内容は、電気・電子・情報分野全般の仕事に役立てることができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
電気情報工学分野の内容についての理解度電気情報工学分野の内容について、その概要を説明できている。電気情報工学分野の内容について、その概要を限定的に説明できている。電気情報工学分野の内容について、全く説明できていない。
電気情報工学分野の実験・実習を安全に行うための基本事項についての理解度電気情報工学分野の実験・実習を安全に行うための基本事項を説明できる。電気情報工学分野の実験・実習を安全に行うための基本事項を限定的に説明できる。電気情報工学分野の実験・実習を安全に行うための基本事項を全く説明できない。

学科の到達目標項目との関係

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教育方法等

概要:
ものづくりおよびものに触れることを通して、電気情報工学に関する興味を深める機会提供を目的とする。また、電気・電子・情報・化学工学など工学全般の横のつながりについても触れる。
授業の進め方・方法:
 毎回、最初に実験・実習内容について全体説明を行い、適宜プリントも配布した上で、個々の作業に取り組む。簡易な電気回路・電子回路の実体配線、第2種電気工事士レベルの単位作業、プログラミングと制御、テスターによる抵抗値や電圧の測定、オシロスコープによる信号波形観測、3次元CG描画に触れる機会を通して、これらの基本スキルを習得することはもちろん、電気情報工学分野の内容について、その概要を説明できる能力を養う。
 本科目は週1コマのペースで実施する予定であるが、新型コロナウイルス感染症の状況を考慮しながら、実験の順番を入れ替えたり、あるいは週2コマ以上のペースで実施せざるを得ない場合がある。実験スケジュールを当初のものから変更する際は、その都度事前にアナウンスする。
注意点:
事前学習: 配付したプリント(実験スケジュール表を含む)に目を通し、わからない用語等について事前に調べておくこと。
事後学習: 実習中に生じ、かつ解決できなかった疑問について、事後速やかに調べて理解すること。レポートを課す実験については、レポートを提出すること。
実験時のルールに違反した場合(忘れ物、不適切な服装、レポート・課題の遅延など)、最終成績から減点する場合があるので注意すること。ルールについてはオリエンテーションにて説明する。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 オリエンテーション(本科目の位置付け、電気・電子系の実験を安全に行うための基本事項) 本科目の位置付けおよび電気・電子系の実験を安全に行うための基本事項を説明できる。さらに実験・実習を安全性や禁止事項などを配慮して実践できる。
2週 回路工作の基礎 電子回路工作に用いる各種工具の使用方法、各回路部品の特徴と接続方法を明確に説明できる。特に抵抗の値については、カラーコードの読み方・テスターによる測定方法を説明できる。
3週 電子ホタル回路の製作① ブレッドボードの使い方を練習した上で、ブレッドボートの使い方を説明できる。
4週 電子ホタル回路の製作② 明るい場所でLEDが点灯し、音楽が流れる、「電子ホタル」をブレッドボード上で作製できる。
5週 電子ホタル回路の製作③ 上記電子ホタル回路をプリント基板に実装するための正確な半田付けの方法を説明できる。
6週 電子ホタル回路の製作④ 上記電子ホタル回路をプリント基板に実装できる。
7週 電子計測の基礎 テスターの使い方を理解し、電圧や電流などの測定を行うことができる。
8週 ロボット制御① LEGO MINDSTORM NXTを使用して、ブロックプログラムによるサーボモーター、光センサーの制御ができる。
2ndQ
9週 中間試験期間 中間試験期間
10週 ロボット制御② LEGO MINDSTORM NXTを使用して、ブロックプログラムによるライントレースプログラムを作成できる。
11週 ロボット制御③ LEGO MINDSTORM NXTを使用して、ブロックプログラムによる音センサーまたは超音波センサーの制御ができる。
12週 ロボット制御④ LEGO MINDSTORM NXTを使用して、ライントレース、障害物回避のブロックプログラミングができる。
13週 三次元CG合成① 三次元CGソフトの基本機能を使いこなせる。
14週 三次元CG合成② 三次元CGソフトを使って簡易な図形を描ける。
15週 期末試験期間 期末試験期間
16週 三次元CG合成③ 課題として与えた、上記よりもより難易度の高い図形の描画作業を自力で完了し、描画過程における自らの反省点を明確に説明できる。
後期
3rdQ
1週 ICアンプの製作① 音を増幅させるICアンプをブレッドボード上で作製できる。
2週 ICアンプの製作② 上記ICアンプの実体配線図を作成できる。
3週 ICアンプの製作③ 上記ICアンプをユニバーサル基板に実装できる。
4週 電気工事士実習① 単線図から複線図を描くことができる。
5週 電気工事士実習② 各器具の接続方法および結線方法を説明できる。
6週 電気工事士実習③ 単位作業を正確に完了できる。
7週 電気工事士実習④ 単線図から単位作業を正確に完了できる。
8週 中間試験期間 中間試験期間
4thQ
9週 電子計測実習① オシロスコープを用いてさまざまな信号波形を観測する練習をした上で、オシロスコープの使用法を説明できる。
10週 電子計測実習② シリアル通信時の電圧信号波形を観測する練習をした上で、文字のコード化や文字データの送信の仕組み等について説明できる。
11週 アナログ回路① オペアンプを用いて、指定したいくつかの基本的な入出力回路を作製した上で、それぞれの回路について入力電圧・出力電圧を測定できる。
12週 アナログ回路② 上記のそれぞれの回路について、入力と出力との関係を考察し明確に説明できる。
13週 マイコン実習① Arduino上で、基本的なマイコンプログラムを作成する練習をした上で、マイコンが動作するしくみのあらましを説明できる。
14週 マイコン実習② Arduino上で、短い曲を奏でるプログラムを作成できる。
15週 期末試験期間 期末試験期間
16週 マイコン実習③,ガイダンス(本年度のレビュー、実験スキル評価シートによるアンケートの実施、次年度に向けての諸注意) Arduino上で、指定された条件でLEDを点灯させるプログラムを作成できる。到達目標に対する到達度を説明できる。次年度の実験・実習に向けての留意事項を説明できる。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力工学基礎工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)物理、化学、情報、工学における基礎的な原理や現象を明らかにするための実験手法、実験手順について説明できる。2前1,前2
実験装置や測定器の操作、及び実験器具・試薬・材料の正しい取扱を身に付け、安全に実験できる。2前1,前7,後9
実験データの分析、誤差解析、有効桁数の評価、整理の仕方、考察の論理性に配慮して実践できる。2前7,後9
実験・実習を安全性や禁止事項など配慮して実践できる。3前1,後4
個人・複数名での実験・実習であっても役割を意識して主体的に取り組むことができる。3前1
共同実験における基本的ルールを把握し、実践できる。3前1
専門的能力分野別の工学実験・実習能力電気・電子系分野【実験・実習能力】電気・電子系【実験実習】電圧・電流・電力などの電気諸量の測定が実践できる。2前7,後9,後11
抵抗・インピーダンスの測定が実践できる。2前7
オシロスコープを用いて実際の波形観測が実施できる。2後9,後10
電気・電子系の実験を安全に行うための基本知識を習得する。2前1,前7,後9

評価割合

課題製作実技・筆記試験実験レポート合計
総合評価割合304030100
基礎的能力0000
専門的能力304030100
分野横断的能力0000