応用物理

科目基礎情報

学校 和歌山工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 応用物理
科目番号 0015 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 電気情報工学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 [教科書]小暮陽三、潮秀樹、中岡艦一郎:高専の応用物理,森北出版,[参考書] 総合物理Ⅰ、Ⅱ(数研出版)
担当教員 溝川 辰巳

到達目標

ベクトルや微分積分を使って速度・加速度・仕事・エネルギーなどの物理量の間の関係を式に表せ、基本的な問題を解けるようにする。温度と熱、気体の状態変化、熱力学の基本法則を説明できるようにする。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
いろいろな運動とそれを表す方程式加速度運動、円運動、単振動などの運動方程式を導ける助言等あれば、加速度運動、円運動、単振動などの運動方程式を導ける加速度運動、円運動、単振動などの運動方程式などが理解できない
力学エネルギーと保存則運動エネルギー、位置エネルギーの関係が方程式を含めて自在に立てられる助言等あれば、運動エネルギー、位置エネルギーの関係が方程式を含めて自在に立てられる運動エネルギー、位置エネルギーの関係が理解できない
回転系の方程式回転を含んだ方程式が理解できる助言等あれば、回転を含んだ方程式が理解できる回転を含んだ方程式が理解できない
剛体運動質点系の運動方程式との違いが説明できる資料等を参照すれば、質点系の運動方程式との違いが説明できる質点系の運動方程式との違いが説明できない
振動と波動種々の波動について、波動方程式を立てて解析できる資料等を参照すれば、種々の波動について、波動方程式を立てて解析できる波動方程式の成り立ちと意味を理解できない

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
ベクトルと微分・積分を使いこなす事により、質点や剛体の力学、熱と分子運動をより深く理解する。
関連の深い他の専門科目と連携し、演習による習熟を特に重視する。
授業の進め方・方法:
1,2年の物理では、例えば鉛直投射の問題での
     v=v0+at
     x=v0t+(1/2)at2
など、複数の公式を覚える必要が良くあった。しかし実は、「速度は位置を時間で微分したものである」という事を知っていれば、上の x の式だけを覚えていれば v の式を導くことが出来る。同じように、位置エネルギーと保存力の関係その他多くの物理現象が、微分・積分の知識を使うと以前よりはるかにすっきりと理解できるようになる。

 このように、数学の進んだ知識を物理に応用すると、今までより見通しの良い物理現象や法則の記述が可能となり、より難しい問題も取り扱えるようになる。この事を学ぶのが3年、4年の「応用物理」の課題である。合わせて、1、2年の物理の学習成果を再確認し、より習熟度を高める事もこの科目の目的とする。
注意点:
<事前学習>
 次回学習する分野について2年生までに学んだ基礎事項を確認しておく事。また教科書を一読しておくこと。
<事後学習>
 講義内容を復習し理解した上で、出された課題を次回提出できるよう解いておくこと。
 

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ベクトルと微分・積分を使って位置、変位、速度の関係を表すこと  変位、速度、加速度間の関係が、微分・積分でもって関係づけられ、計算式で表すことができるようになる。
2週 ベクトルの基本的性質(内積、外積など) ベクトル成分が明らかであれば、その内積と外積の計算ができる
3週 落体の運動、等速円運動 重力加速度による変位、速度、加速度の計算ができる。
求心力の計算ができる。
4週 速度と加速度の関係、単振動、円運動、角速度
5週 運動の法則
6週 運動の法則
7週 慣性力
8週 仕事とエネルギー、運動エネルギー
2ndQ
9週 前期中間試験
10週 保存力と位置エネルギー 
11週 力学的エネルギー保存則、位置エネルギーから力を求めること
12週 質点系: 重心、運動量、運動量保存則
13週 質点系: 力のモーメント、角運動量
14週 質点系: 回転の運動方程式、角運動量保存則
15週 まとめと演習 
16週
後期
3rdQ
1週 剛体: 剛体の回転の運動方程式、慣性モーメント、回転の運動エネルギー
2週 剛体: 慣性モーメントの計算
3週 剛体: 慣性モーメントの計算
4週 剛体: 種々の剛体の運動
5週 剛体: 種々の剛体の運動
6週 振動: 単振動の基礎
7週 振動: 振動のエネルギー、振動の運動方程式
8週 振動: 抵抗力がある場合の運動方程式(減衰振動、臨界制動、過減衰)
4thQ
9週 後期中間試験
10週 振動: 強制振動
11週 振動: 強制振動、続き
12週 振動: 共振
13週 波動: 波動の基礎
14週 波動: 波動方程式
15週 波動: 波動方程式、続き
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験課題・小テスト合計
総合評価割合8020100
能力8020100