電気回路Ⅰ

科目基礎情報

学校 和歌山工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 電気回路Ⅰ
科目番号 0029 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 3
開設学科 電気情報工学科 対象学年 2
開設期 通年 週時間数 3
教科書/教材 「例題で学ぶやさしい電気回路[直流編]」堀浩雄,森北出版
「基礎からの交流理論」電気学会
担当教員 岡部 弘佑,山吹 巧一

到達目標

本科目は全電気系目の基礎となる科目で,電気回路の理解に役立つ.電気の基礎科目であるため将来電気に関連する仕事全般に役に立つ.
1. オームの法則、キルヒホッフの法則等各種の解法を使って回路計算ができる。
2. 複素数やフェーザを用いて電圧・電流を表すことができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
回路の基礎知識合成インピーダンスが求められる正弦波が理解できるオームの法則が理解できない
回路方程式接続点法を用いて回路方程式が解ける網目法を用いて回路方程式が解けるキルヒホッフの法則を理解できない
位相関係各種回路における電圧と電流の位相関係を導出できるRLC回路の位相関係を理解できる正弦波をフェーザ表示できる

学科の到達目標項目との関係

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教育方法等

概要:
電気工学の基礎として重要な電気回路論のうち、直流・交流回路の基礎的事項を学習する。週3時間の内容は、2時間の講義と講義内容に対応した1時間の演習である。演習は、正解するまで受理されない。
授業の進め方・方法:
座学形式の講義と課題演習を併用する.
注意点:

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 オリエンテーション,電気の基礎 電荷と電流,電圧を説明できる
2週 オームの法則
オームの法則を用いて電圧降下を説明できる
3週 抵抗の接続 3個以上の素子による複雑な回路の合成抵抗を計算できる
4週 Δ接続とY接続
電圧源と電流源
ΔーY,YーΔ接続について説明できる
5週 キルヒホッフの法則 キルヒホッフの法則を用いて直流回路の計算ができる
6週 直列接続の電圧分布,並列接続の電流分布 電圧分配則,電流分配則を用いて電圧と電流の計算ができる
7週 閉回路における2点間の電位差 2点間の電位差を計算できる
8週 ブリッジの平衡条件 ブリッジ回路を計算し,平衡条件を求められる
2ndQ
9週 中間試験
10週 重ねの理 重ねの理を用いて,回路の計算ができる
11週 網目法 網目法を用いて回路の計算ができる
12週 接続点法 接続点法を用いて回路の計算ができる
13週 クラメルの公式による計算法 クラメルの公式を用いて回路方程式を解ける
14週 電力の意味と電力量 電力量と電力を説明し,これらを計算できる
15週 期末試験
16週 期末試験の返却と解説
後期
3rdQ
1週 正弦波交流
ー正弦波交流の発生,用語
交流発電の基本原理と正弦波交流の特徴を説明できる
2週 複素数による表示法
ー複素数,正弦波と複素数の対応

交流電圧電流の複素表示,フェーザ表示を説明できる。
3週 インピーダンス・アドミタンス
ー回路素子(R,L,C)
交流回路における回路素子の振る舞いについて説明できる
4週 交流回路
ー複素記号法
直交座標形式ー極座標系式の変換ができる
5週 RL回路
ー直列・並列回路
RL回路における電気諸量の計算ができる
6週 RC回路
ー直列・並列回路
RC回路における電気諸量の計算ができる
7週 RLC回路
ー直列回路,並列共振
共振回路について説明でき,計算できる
8週 中間試験
4thQ
9週 中間試験の返却と解説
10週 回路方程式
ー閉路方程式(網目法)
網目法を用いて交流回路の計算ができる
11週 回路方程式
ー節点方程式(接続点法)
接続点法を用いて交流回路の計算ができる
12週 回路方程式
ー様々な回路
様々な交流回路の計算ができる
13週 インピーダンス再考
ー複素数表示と微分・積分の関係
電気回路論における複素記号法と瞬時値記法の対応について説明できる
14週 正弦波交流
ー交流の大きさと波形
交流波形の大きさ(平均値,絶対平均値,実効値)および交流波形の特徴(波形率,波高率)を計算できる
15週 期末試験 期末試験
16週 期末試験の返却と解説

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電気回路電荷と電流、電圧を説明できる。4前1
オームの法則を説明し、電流・電圧・抵抗の計算ができる。4前2
キルヒホッフの法則を用いて、直流回路の計算ができる。4前5
合成抵抗や分圧・分流の考え方を用いて、直流回路の計算ができる。4前3
ブリッジ回路を計算し、平衡条件を求められる。4前8
電力量と電力を説明し、これらを計算できる。4前14
正弦波交流の特徴を説明し、周波数や位相などを計算できる。4後1
平均値と実効値を説明し、これらを計算できる。4後14
正弦波交流のフェーザ表示を説明できる。4後2
R、L、C素子における正弦波電圧と電流の関係を説明できる。4後3
瞬時値を用いて、交流回路の計算ができる。4後13
フェーザ表示を用いて、交流回路の計算ができる。4後4
インピーダンスとアドミタンスを説明し、これらを計算できる。4後3
キルヒホッフの法則を用いて、交流回路の計算ができる。4後10,後11
合成インピーダンスや分圧・分流の考え方を用いて、交流回路の計算ができる。4後10,後11
直列共振回路と並列共振回路の計算ができる。4後7
重ねの理を用いて、回路の計算ができる。4前10
網目電流法を用いて回路の計算ができる。4前11,後13
節点電位法を用いて回路の計算ができる。4前12,後14
情報系分野その他の学習内容オームの法則、キルヒホッフの法則を利用し、直流回路の計算を行うことができる。4前2,前5

評価割合

試験演習合計
総合評価割合7030100
基礎的能力403070
応用的能力30030