応用物理

科目基礎情報

学校 和歌山工業高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 応用物理
科目番号 0031 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 電気情報工学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 [教科書] 高専の応用物理,小暮陽三(森北出版) [参考書] 総合物理1-力と運動・熱-, 総合物理2-波・電気と磁気・原子-(数研出版)
担当教員 孝森 洋介

到達目標

(1)熱とは何かを理解し,熱・仕事・エネルギーの関係性について説明できる
(2)質点,質点系,剛体の力学をベクトルと微積分を用いて説明できる

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
熱力学第一法則を理解し様々な熱機関の熱効率を計算することができる熱力学第一法則を理解し簡単な熱機関の熱効率を計算することができる熱力学第一法則に関する計算ができない
質点の力学微分・積分・ベクトルを用いた質点の力学の応用問題が解ける微分・積分・ベクトルを用いた質点の力学の基礎問題が解ける微分・積分・ベクトルを用いた質点の力学の基礎問題が解けない
質点系の力学2質点系の力学をより多い質点からなる質点系へ応用した問題が解ける2質点系の力学に関する基礎問題が解ける2質点系の力学に関する基礎問題が解けない
剛体の力学微分・積分・ベクトルを用いた剛体の力学の応用問題が解ける微分・積分・ベクトルを用いた剛体の力学の基礎問題が解ける微分・積分・ベクトルを用いた剛体の力学の基礎問題が解けない

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
(1)「熱」について学び,熱・仕事・エネルギーの関係を理解する
(2)質点の力学をベクトル・微積分を用いて理解する
(3)質点系の力学(特に2質点系)をベクトル・微積分を用いて理解する
(4)剛体の力学をべクトル・微積分を用いて理解する
(5)1・2年生の「物理」で学習した内容について復習する
授業の進め方・方法:
講義で物理概念を学習し,問題演習によりその理解を深める
注意点:
事前学習:指定の教科書・参考書を用いて,次回の授業範囲を予習し専門用語の意味などを理解しておくこと。
事後学習:授業で行った演習問題を再度解きなおす,ノートを見返すなどをし,復習をすること。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 オリエンテーション,熱力学概観, 理想気体の状態方程式 気体の法則に関する計算問題が解ける
2週 熱力学第1法則(1)熱容量,熱量保存の法則 熱容量,熱量保存の法則に関する計算問題が解ける
3週 熱力学第1法則(2)気体分子運動論,温度と内部エネルギー 気体分子運動論を説明できる。内部エネルギーの計算ができる
4週 熱力学第1法則(3)気体のする仕事,熱力学第1法則,小テスト 気体のする仕事を計算できる。熱力学第一法則を表すことができる
5週 熱力学第1法則(4)定積変化,定圧変化 定積変化と定圧変化について熱力学第一法則を用いた計算ができる
6週 熱力学第1法則(5)等温変化,断熱変化 等温変化と断熱変化について熱力学第一法則を用いた計算ができる
7週 熱力学第1法則(6)熱機関と熱効率 いくつかの熱機関の熱効率について計算することができる
8週 熱力学第2法則(不可逆過程とエントロピー),小テスト エントロピーと不可逆変化の関係について説明することができる
2ndQ
9週 速度と加速度(1)微積分とベクトルの復習 微分・積分・ベクトルの基本的な計算問題が解ける
10週 速度と加速度(2)位置,速度,加速度 位置・速度・加速度を微積・ベクトルで表すことができ計算して求めることができる
11週 運動の法則(1)運動の法則,具体的な運動(落体の運動,摩擦力と運動) 落体の運動と摩擦力による運動の運動方程式を微分方程式としてみて解くことができる
12週 運動の法則(2)具多的な運動(空気抵抗ありの自由落下,単振動) 空気抵抗ありの自由落下と単振動の運動方程式を微分方程式としてみて解くことができる
13週 仕事とエネルギー(1)運動エネルギーと仕事,小テスト 運動方程式を積分することで運動エネルギーと仕事の関係を得ることができる
14週 仕事とエネルギー(2)保存力による仕事と位置エネルギー 位置エネルギーの表式から微分により力が得られることを理解し計算することができる
15週 仕事とエネルギー(3)力学的エネルギー保存則,試験前の演習 力学的エネルギー保存則に関する計算問題が解ける
16週 期末試験
後期
3rdQ
1週 質点系の力学(1)試験の講評,質点系と重心 質点系の重心を計算することができる
2週 質点系の力学(2)運動量保存則,2質点系の運動(運動量保存則) 2質点系の運動量保存則に関する問題が解ける
3週 質点系の力学(3)2質点系の運動(糸でつながれた2質点系) 糸でつながれた2質点の運動方程式を書き解くことができる
4週 質点系の力学(4)2質点系の運動(ばねでつながった2質点系),小テスト ばねでつながれた2質点の運動方程式を書き解くことができる
5週 質点系の力学(5)ベクトルの外積,角運動量,力のモーメント ベクトルの外積を計算することができる。角運動量と力のモーメントを外積で表し計算ができる
6週 質点系の力学(6)回転の運動方程式,角運動量保存則 回転の運動方程式を表し,角運動量保存則を導くことができる
7週 中心力による回転運動(1)中心力による運動と角運動量保存則 中心力による運動では角運動量が保存することを計算で導くことができる
8週 中心力による回転運動(2)万有引力による運動(運動方程式),小テスト 万有引力による運動の運動方程式を解くことができる
4thQ
9週 剛体の力学(1)質点系と剛体 剛体が質点系として理解し説明することができる。剛体のつりあいの問題が解ける
10週 剛体の力学(2)固定軸まわりを回転する剛体の運動方程式 剛体の運動方程式を書き簡単な運動について解くことができる
11週 慣性モーメントの計算(1)棒,円環 棒と円環の慣性モーメントが計算できる
12週 慣性モーメントの計算(2)長方形板,円盤 長方形板と円盤の慣性モーメントが計算できる
13週 慣性モーメントの計算(3)円柱,球殻,球,小テスト 円柱,球殻,球の慣性モーメントが計算できる
14週 剛体の力学(3)自由な運動(円柱が転がる運動) 円柱が転がる運動について運動方程式を立て解くことができる
15週 試験前の演習 これまでの学習に関する演習問題が解ける
16週 期末試験

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学物理力学平面内を移動する質点の運動を位置ベクトルの変化として扱うことができる。4前9
物体の変位、速度、加速度を微分・積分を用いて相互に計算することができる。4前10
簡単な運動について微分方程式の形で運動方程式を立て、初期値問題として解くことができる。4前11,前12,前13,前14,前15,後2,後3,後4,後7,後8
力のモーメントを求めることができる。4後5
角運動量を求めることができる。4後5,後6
角運動量保存則について具体的な例を挙げて説明できる。4後6
剛体における力のつり合いに関する計算ができる。4後9
重心に関する計算ができる。4後1
一様な棒などの簡単な形状に対する慣性モーメントを求めることができる。4後11,後12,後13
剛体の回転運動について、回転の運動方程式を立てて解くことができる。4後10,後14
原子や分子の熱運動と絶対温度との関連について説明できる。4前3
時間の推移とともに、熱の移動によって熱平衡状態に達することを説明できる。4前1
物体の熱容量と比熱を用いた計算ができる。4前2
熱量の保存則を表す式を立て、熱容量や比熱を求めることができる。4前2
動摩擦力がする仕事は、一般に熱となることを説明できる。4前8,前15
ボイル・シャルルの法則や理想気体の状態方程式を用いて、気体の圧力、温度、体積に関する計算ができる。4前1
気体の内部エネルギーについて説明できる。4前3
熱力学第一法則と定積変化・定圧変化・等温変化・断熱変化について説明できる。4前4,前5,前6
エネルギーには多くの形態があり互いに変換できることを具体例を挙げて説明できる。4前8
不可逆変化について理解し、具体例を挙げることができる。4前8
熱機関の熱効率に関する計算ができる。4前7
物理実験物理実験熱に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。4前8

評価割合

期末試験小テスト授業時課題合計
総合評価割合503020100
配点503020100