電気材料

科目基礎情報

学校 和歌山工業高等専門学校 開講年度 令和06年度 (2024年度)
授業科目 電気材料
科目番号 0067 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 電気情報工学科 対象学年 4
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 [教科書] 澤岡 昭著「電子・光材料 基礎から応用まで」森北出版 / 配布プリントまたはPDF
[参考書] 青木昌治「電子物性工学」コロナ社
担当教員 直井 弘之

到達目標

電気電子材料の基礎特性や応用について説明できる。(C-1)
本科目で得られた知識が活かされる学問(科目):専攻科の電気電子工学特論やセンサー工学、大学での材料工学や固体物理学関連科目等
本科目で得られた知識が活かされる仕事:各種の電子・光・誘電・磁気材料の製造メーカーやそれらの材料を使った各種の電子部品・デバイス製造メーカー等

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
電気電子材料の基礎特性や応用電気電子材料の基礎特性や応用について説明できている。電気電子材料の基礎特性や応用について限定的に説明できている。電気電子材料の基礎特性や応用について全く説明できていない。

学科の到達目標項目との関係

C-1 説明 閉じる
JABEE C-1 説明 閉じる

教育方法等

概要:
本科目は、大学やベンチャー企業にて半導体材料やデバイスの開発に従事していた教員が、その経験を活かし、電気・電子・情報工学分野における技術革新を支える電気電子材料の基礎と応用について、講義形式で授業を行うものである。
授業の進め方・方法:
講義とともに適宜課題を実施する。適宜配布プリントまたはPDFで補足しながら教科書に沿って説明する。
注意点:
科目は学修単位であり、授業の進み方が速いことから、下記に注意すること。
事前学習: 教科書や参考書を用いて予習し、授業範囲の中の専門用語の意味を理解した上で、その範囲に書かれている内容の概要を説明できるようにしておくこと。
事後学習:毎授業後に復習することにより学習した内容を正しく深く理解するとともに定期的に出される課題にも精力的に取り組み、次の授業やおよび定期試験に備えること。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 オリエンテーション:学習目標・授業の進め方・成績の評価方法等の説明 学習目標・授業の進め方・成績の評価方法を説明できる。
2週 材料を学ぶために:結晶構造,化学結合,原子の電子配列 物質と材料の違いを説明できる。単結晶,多結晶,アモルファスの違いを説明できる。単位格子と格子定数の概念を説明できる。原子の電子配列の仕方を説明できる。
3週 導電材料と絶縁材料:電気伝導と抵抗,導電材料,サーミスタ,バリスタ,絶縁材料 導電体,半導体,絶縁体それぞれの導電率(抵抗率)のおおよその範囲を説明できる。常温における導電率の最も高い材料と低い材料を答えることができる。金属の抵抗率の温度変化の機構を定性的に説明できる。主な金属材料と絶縁材料のついて、例を挙げ、それらの用途を説明できる。サーミスタおよびバリスタの特性の概要を定性的に説明できる。
4週 誘電材料:電気分極,常誘電体と強誘電体,チタン酸バリウム 誘電分極の種類とそれらの内容を定性的に説明できる。常誘電体および強誘電体のB-H曲線の概形の違いを説明できる。チタン酸バリウムの応用例を説明できる。
5週 圧電材料:圧電効果,圧電材料,電歪材料 圧電効果の概要を説明できる。圧電効果と電歪の違いを定性的に説明できる。圧電材料および電歪材料の応用について例を挙げ、それらの概要を説明できる。
6週 磁気材料:磁気的性質,硬質強磁性体,軟質強磁性体 原子磁石の概要を定性的に説明できる。主な磁性体の磁気モーメントの発現原理の概要を定性的に説明できる。硬質強磁性体と軟質強磁性体について、B-H曲線の概形の違いおよびそれぞれの主な用途を説明できる。
7週 磁気記録材料:磁気記録,磁気テープ材料,ハードディスク材料 磁気記録のしくみの概要を定性的に説明できる。磁気テープやハードディスクの記録層に用いられる材料の基本的な磁気的性質を説明できる。
8週 中間試験 中間試験
4thQ
9週 半導体の性質と基本的な電子デバイス:教科書第7章の内容の内、前期の電子工学にて詳説していない内容や視点に重点をおいた補講的内容 エネルギーバンドができるメカニズムをパウリの排他律を用いて説明できる。半導体の導電率の温度変化の機構およびp型,n型,真性の違いを説明できる。基本的な電子デバイスについて基本構造と動作原理の概要を定性的に説明できる。
10週 半導体結晶の製造法:シリコンの結晶成長,LSIの製造,化合物半導体 シリコンの結晶成長法,LSIの製造法,化合物半導体の結晶成長法のそれぞれについて概要を説明できる。
11週 光材料:発光素子,受光素子,撮像デバイス,光ファイバ 発光素子,受光素子,撮像デバイスの基本構造と動作原理の概要を定性的に説明できる。光ファイバの基本構造および石英ガラスファイバの伝送損失(光パワーの減衰率)の原因要素と値について説明できる。
12週 ディスプレイ材料:液晶ディスプレイ,プラズマディスプレイ,有機EL,透明導電膜,CD,DVD,BD 液晶ディスプレイ,プラズマディスプレイ,有機ELディスプレイの基本構造と動作原理の概要を定性的に説明できる。透明導電膜の存在意義と用途を説明できる。CD,DVD,BDについて、記録容量が異なる理由およびデータの書き込み・読み出しのしくみの概要を説明できる。
13週 エネルギー材料:太陽光発電,太陽電池,蓄電池,燃料電池 太陽電池,蓄電池,燃料電池の基本構造と動作原理の概要を定性的に説明できる。太陽電池、ソーラーパネル、ソーラーアレイの違いを説明できる。
14週 超伝導材料:超伝導現象,超伝導材料 超電導現象の概要および第1種超伝導体と第2種超伝導体の磁化特性の違いを説明できる。
15週 期末試験 期末試験
16週 超伝導材料の応用 超電導材料の応用について例を挙げて説明できる。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験課題相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合60400000100
基礎的能力0000000
専門的能力60400000100
分野横断的能力0000000