電子工学Ⅱ

科目基礎情報

学校 和歌山工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 電子工学Ⅱ
科目番号 0068 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 電気情報工学科 対象学年 4
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 [教科書] 宮入圭一,橋本佳男「やさしい電子物性」森北出版 / 藤本 晶「基礎電子工学」森北出版 / 配布資料    [参考書] 青木昌治「電子物性工学」コロナ社 / S. M. ジィー(訳:南日康夫,川辺光央,長谷川文夫)「半導体デバイス-基礎理論とプロセス技術」産業図書
担当教員 直井 弘之

到達目標

1.半導体の基本的性質の内、(電子工学Ⅰでは扱わず)本科目で扱ったものについて、その内容を説明できる。
2.基本的な半導体デバイスの内、(電子工学Ⅰでは扱わず)本科目で扱ったものについて、動作原理や特性を説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
本科目で扱った半導体の基本的性質に関する理解度本科目で扱った半導体の基本的性質を説明できている。本科目で扱った半導体の基本的性質を限定的に説明できている。本科目で扱った半導体の基本的性質を全く説明できていない。
本科目で扱った、基本的な半導体デバイスの動作原理や特性に関する理解度本科目で扱った、基本的な半導体デバイスの動作原理や特性を説明できている。本科目で扱った、基本的な半導体デバイスの動作原理や特性を限定的に説明できている。本科目で扱った、基本的な半導体デバイスの動作原理や特性を全く説明できていない。

学科の到達目標項目との関係

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教育方法等

概要:
半導体デバイスを中心とした各種のデバイスの動作・特性の理解のために必要となる基本的な電子物性および基本的なデバイスの内、電子工学Ⅰで扱わなかった事項について学習する。
授業の進め方・方法:
講義とともに適宜課題を実施する。適宜プリントで補足しながら教科書に沿って説明する。本科目は後期に開設され、週1コマのペースで授業を実施予定であるが、新型コロナウイルス感染症の状況を考慮しながら、開設時期や週あたりのコマ数も変更する可能性がある。いずれにしても、当初の授業計画から変更がある場合は事前にアナウンスし、電子工学Ⅰの授業がすべて終了してから実施する。
注意点:
本科目は学修単位であり、授業の進み方が速いことから、下記に注意すること。
事前学習:  教科書や参考書を用いて予習し、授業範囲の中の専門用語の意味を理解した上で、その範囲に書かれている内容の概要を説明できるようにしておくこと。
事後学習: 毎授業後に復習することにより、学習した内容を正しく理解し、次の授業や定期的に出される課題および定期試験に備えていくこと。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 オリエンテーション(履修に際しての前提条件の確認と電子工学Ⅰの復習)、格子振動と熱 履修の前提条件となる電子工学Ⅰの内容を説明できる。フォノンの概念を説明でき、フォノンの光学様式と音響様式を区別できる。
2週 半導体における諸効果(ホール効果・熱電効果・光導電効果) 半導体におけるホール効果・熱電効果・光導電効果の内容について定性的に説明できる。
3週 電子放出(熱電子・光電子放出,電界放出,二次電子放出) 熱電子・光電子放出,電界放出,二次電子放出の内容を定性的に説明できる。
4週 半導体におけるキャリアの生成・再結合と直接遷移型・間接遷移型半導体 半導体におけるキャリアの生成・再結合について現象論的に説明でき、直接遷移型半導体と間接遷移型半導体での再結合時の振る舞いの違いを定性的に説明できる。
5週 少数キャリアの連続の式 半導体中のキャリアのドリフト・拡散・生成・再結合すべてを考慮に入れた、少数キャリアの連続の式の内容を説明できる。
6週 p-n接合の接合容量および接合の降伏 p-n接合の接合容量および接合の降伏を定性的に説明できる。
7週 金属-半導体接触(ショットキー接合、ショットキーダイオード、オーミック接合) ショットキー接合のエネルギーバンド図を描き、その図を用いてショットキー接合の整流作用について定性的に説明できる。オーミック接合のエネルギーバンド図を描き、その図を用いてオーミック接合が整流性を示さないことを定性的に説明できる。
8週 中間試験 中間試験
4thQ
9週 MOSキャパシタ MOSキャパシタの構造とエネルギーバンド図を描き、それらの図を用いてMOSキャパシタの低周波・高周波特性を説明できる。
10週 集積回路の構造 集積回路の構造の概要を説明できる。
11週 集積回路の製法、半導体のバンドギャップと発光・吸収波長の関係、半導体発光素子 (Ⅰ) (発光ダイオード) 集積回路の製法の概要、半導体のバンドギャップと発光・吸収波長の関係を説明できる。発光ダイオードの基本構造と動作原理の概要を説明できる。
12週 半導体発光素子 (Ⅱ) (半導体レーザ) 半導体レーザの基本構造と動作原理の概要を説明できる。
13週 半導体発光素子 (Ⅱ) (半導体レーザ)の続き(外部量子効率)、半導体受光素子(Ⅰ)(光導電セル)、半導体受光素子(Ⅱ)(太陽電池) 半導体レーザの外部量子効率を計算できる。光導電セルの動作原理の概要を説明できる。太陽電池の光起電力効果を説明できる。
14週 半導体受光素子(Ⅱ)(太陽電池の続き、フォトダイオード) 太陽電池およびフォトダイオードの基本構造と動作原理の概要を説明できる。
15週 期末試験 期末試験
16週 その他のデバイス(ディスプレイ,センサ) 液晶ディスプレイ,PDPと有機ELデバイス,圧力センサとガスセンサ等、他の半導体デバイスや半導体以外のデバイスが存在することを説明できる。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験課題合計
総合評価割合6040100
基礎的能力000
専門的能力6040100