到達目標
子の構造と性質、化学結合と結晶構造の種類と特徴についての考え方を学び、化学物質を原子レベルで理解するための基礎概念を習得する。周期表を理解し、原子それぞれの電子の状態や結合に伴う電子の状態を理解する。
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
基礎化学を理解できる。 | イオン化エネルギーや電気陰性度などと周期表との関連が理解できる。 | 原子の構造と核種、水素原子での電子の挙動が理解できる。 | 原子の構造がわからない。イオン化エネルギーや電気陰性度の定義がわからない。 |
種々の化学結合を理解できる | 混成軌道や分子軌道法の概要が理解できる。 | 電子配置と結合との関連が理解できる。 | 各種の結合の分類が理解できない。 |
個体化学の基礎を理解できる。 | バンド構造とキャリヤおよび不純物の挙動が理解できる。 | 化学結合と結晶との関連を理解できる。 | 基本的な結晶格子が理解できない。 |
学科の到達目標項目との関係
教育方法等
概要:
この科目では、無機化学の基礎を学びます。無機化学とは、有機化合物以外のあらゆる物質およびそれを構成する元素の構造、反応性、物性を取り扱う学問分野です。本講では、1年生で学習した化学の基本を復習しながら、原子の構造と性質、化学結合の種類と特徴、結晶の形態と特徴、固体中の電子の挙動、エネルギーバンド構造等の内容を詳しく学習します。これらの中には、無機化学だけでなくあらゆる化学分野での基礎となる重要な内容も含まれますので、十分な理解が必要になります。なお、担当教員は企業において無機化学品の研究開発に携わった経験を有しており、その経験を活かして無機化学品の特性の理解に必要となる基礎化学について解説します。
授業の進め方・方法:
基礎化学では、化合物を構成している基本単位である原子の構造を理解し、原子中の電子の性質と周期律表との関係を学習します。また、軌道の概念についても学習し、電子の性質を考察することが化学を学ぶ上で最も重要であることを理解できるようにします。化学結合論では、原子の組み合わせにより構成される化学結合の種類と特徴について詳しく学びます。物質の化学的・物理的性質は、化学結合の種類によって大きく変わることを学びます。固体化学では、固体の結晶構造の形態と特徴を学びます。また、固体のエネルギーバンド構造を考えると固体中での電子の動きを説明できることを理解し、半導体物性の基礎を学習します。定期試験:70%,小テスト・演習・レポート等:30%を基準として評価する。
注意点:
指定した教科書および演習書の該当部分を事前に読んで予習しておいてください。必要に応じて、参考書を調査してください。教科書、参考書、授業ノートにより学習した内容を復習してください。必要に応じて、参考書を調査してください。適時、小テストを行ったりレポート課題を出すことがあるので、十分に復習をして準備をしておいてください。
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
後期 |
3rdQ |
1週 |
授業計画と内容の概略説明 |
無機化学の学習内容の概要を知る。
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2週 |
基礎化学:原子の構造 |
原子の構造を理解する。
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3週 |
基礎化学:質量と電気量,核種 |
原子の質量や電気量を理解し、核種についても学ぶ。
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4週 |
基礎化学:放射性崩壊,質量欠損 |
核種の放射性崩壊や質量欠損を学習し、核種の挙動について学ぶ。
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5週 |
基礎化学:水素原子モデル,物質波 |
水素原子のモデルと励起状態における電子の挙動を理解する。物質派の概念を学ぶ。
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6週 |
基礎化学:波動方程式,電子の軌道,電子殻 |
シュレーディンガーの波動方程式の概要を学びながら、電子の軌道や挙動を理解する。
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7週 |
基礎化学:周期表と電子配置,量子数 |
周期表と電子配置や量子数との関係を学ぶ。
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8週 |
基礎化学:元素の陽性と陰性,遮蔽,イオン化エネルギー,電気陰性度 |
イオン化エネルギー、電子親和力、電気陰性度を理解する。
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4thQ |
9週 |
化学結合論:イオン結合,共有結合(多重結合を含む),混成軌道 |
イオン結合と共有結合との違いや、混成軌道の考え方を理解する。
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10週 |
化学結合論:分子軌道法の概要 |
共有結合の根幹となる分子軌道法の基礎を学ぶ。
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11週 |
化学結合論:配位結合,金属結合,水素結合 |
配位結合、金属結合、水素結合の特徴を比較しながら理解する。
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12週 |
固体化学:結晶格子 |
結晶格子の種類と充填率の計算ができる。
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13週 |
固体化学:化学結合と結晶(イオン結晶,共有結晶,金属結晶,分子結晶) |
化学結合と、それによる結晶の関連を学ぶ。
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14週 |
固体化学:固体の電気伝導,エネルギーバンド構造 |
固体中の電子の挙動やエネルギーバンド構造を学ぶ。
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15週 |
固体化学:半導体の電子状態,不純物の働き |
半導体の基礎と不純物の働きを学ぶ。
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16週 |
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 化学・生物系分野 | 無機化学 | 主量子数、方位量子数、磁気量子数について説明できる。 | 4 | 後2,後7 |
電子殻、電子軌道、電子軌道の形を説明できる。 | 4 | 後3 |
パウリの排他原理、軌道のエネルギー準位、フントの規則から電子の配置を示すことができる。 | 4 | 後4 |
価電子について理解し、希ガス構造やイオンの生成について説明できる。 | 4 | 後5 |
元素の周期律を理解し、典型元素や遷移元素の一般的な性質を説明できる。 | 4 | 後7 |
イオン化エネルギー、電子親和力、電気陰性度について説明できる。 | 4 | 後8 |
イオン結合と共有結合について説明できる。 | 4 | 後9 |
基本的な化学結合の表し方として、電子配置をルイス構造で示すことができる。 | 4 | 後10,後11 |
金属結合の形成について理解できる。 | 4 | 後11 |
代表的な分子に関して、原子価結合法(VB法)や分子軌道法(MO法)から共有結合を説明できる。 | 4 | 後9 |
電子配置から混成軌道の形成について説明することができる。 | 4 | 後9 |
結晶の充填構造・充填率・イオン半径比など基本的な計算ができる。 | 4 | 後12 |
評価割合
| 試験 | 課題等 | 合計 |
総合評価割合 | 70 | 30 | 100 |
総合的理解 | 70 | 30 | 100 |