概要:
1年生で行なった物質基礎実験に引き続き、専門化学の基礎的実験を行う。実験のレポート作成を通じて実験内容や結果をまとめる能力を養い、また、演習や発表会等を行い各実験内容に対する理解や発表能力を深める。
クラスを3グループに分けてそれぞれ3つの分野の実験を順次行ない、1年間をかけて全テーマの実験を行う。
授業の進め方・方法:
化学および生物に関する基礎実験を、生物工学系(生物など)、合成系(有機化学・無機化学など)、物性系(分析化学など)の3分野に分けて学習する。3班に分かれて各分野の基本的な実験操作を習得するとともにそれぞれの実験内容について学習する。
1. 実験レポ-ト(生物工学系60%・合成系70%・物性系:50%),実験取組(実験ノート、実験操作等 (生物工学系: 40%・合成系30%・物性系:50%)で評価する。
2. 最終成績は「生物工学系」,「合成系」,「物性系」の3分野の評価を平均する。
注意点:
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
生物工学系実験に関する諸注意、器具、顕微鏡の取り扱い、観察方法の説明 |
実験に必要な器具や装置の取り扱いなどができる。
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2週 |
植物細胞オルガネラの観察(ミトコンドリア、葉緑体、核、原形質流動) |
植物の細胞を光学顕微鏡で観察し、オルガネラの形態、膜の性質、染色体の分裂状態などが理解できる。
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3週 |
植物細胞染色体の観察(体細胞分裂) |
動物の細胞を光学顕微鏡で観察し、それらの形態、膜の性質、染色体の分裂状態などが理解できる。
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4週 |
植物細胞原形質分離の観察(浸透圧による細胞壁および細胞膜の物質透過性の比較) |
浸透圧による細胞状態の変化を観察し、細胞壁と細胞膜の物質透過性が確認できる。
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5週 |
植物細胞の観察(TLC法による光合成色素の分離) |
TLC法による光合成色素の分離を行い、植物細胞の観察ができる。
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6週 |
動物組織の観察(横紋筋、軟骨組織) |
動物組織を観察し、各組織の構造を理解できる。
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7週 |
微生物培養と観察(カビ3種) |
代表的なカビを用いて、微生物の無菌操作および観察を行うことができる。
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8週 |
微生物培養と観察(酵母3種) |
代表的な酵母を用いて、微生物の無菌操作および観察を行うことができる。
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2ndQ |
9週 |
微生物培養と観察(細菌4種) |
代表的な細菌を用いて、微生物の無菌操作および観察を行うことができる。
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10週 |
まとめ |
各実験内容に対する発表ができる。
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11週 |
合成系(無期化学)実験に関する諸注意、陽イオン定性分析:1,2属陽イオンの性質 |
実験に必要な器具や装置の取り扱いなどができる。1,2属陽イオンの性質が理解できる。
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12週 |
陽イオン定性分析:3,4属陽イオンの性質 |
3,4属陽イオンの性質が理解できる。
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13週 |
陽イオン定性分析:1~4属混合物の分離,陽イオン定性分析:5属陽イオンの性質 |
1~4属混合物の分離ができる。5属陽イオンの性質が理解できる。
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14週 |
陽イオン定性分析:6属陽イオンの性質,陽イオン定性分析:3~6属混合物の分離 |
6属陽イオンの性質が理解できる。 3~6属混合物の分離ができる。
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15週 |
陽イオン未知試料分析 |
陽イオン未知試料分析ができる。 各実験内容に対して整理やまとめができる。
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16週 |
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後期 |
3rdQ |
1週 |
合成系(有機化学)実験に関する諸注意、分子模型による立体構造の把握(1) |
メタン・エタン・エチレン・シクロヘキサンなど基本的な有機化合物の分子模型を組み立て観察することで立体化学の基礎が身についている。
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2週 |
分子模型による立体構造の把握(2) |
メタン・エタン・エチレン・シクロヘキサンなど基本的な有機化合物の分子模型を組み立て観察することで立体化学の基礎が身についている。
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3週 |
アルコールの反応 |
アルコールのエステル化反応を行い有機化合物について理解している。
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4週 |
高分子化合物の合成 |
ナイロンの合成を行い有機化合物について理解している。
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5週 |
医薬品の合成と検出 |
サリチル酸を原料とした医薬品成分の合成を行い、官能基の性質についても理解している。
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6週 |
物性系実験に関する諸注意、説明 |
実験に必要な器具や装置の取り扱いなどができる。
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7週 |
測容ガラス器具の検定 |
測容器具の取り扱いができる。
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8週 |
中和滴定における一次標準溶液の調製と二次標準溶液の評定 |
酸塩基中和滴定とpH測定を行い、化学量論計算および濃度計算ができる。
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4thQ |
9週 |
pH滴定曲線の測定 |
酸塩基中和滴定とpH測定を行い、化学量論計算および濃度計算ができる。
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10週 |
炭酸の解離定数の測定 |
酸塩基中和滴定とpH測定を行い、化学量論計算および濃度計算ができる。
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11週 |
水酸化ナトリウム・炭酸ナトリウム混合物の定量 |
酸塩基中和滴定とpH測定を行い、化学量論計算および濃度計算ができる。
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12週 |
キレート形成反応と金属指示薬の色変化 |
キレート形成反応と金属指示薬について理解している。
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13週 |
キレート滴定によるCa2+およびMg2+濃度測定(1) |
キレート滴定を行い、化学量論計算および濃度計算ができる。
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14週 |
キレート滴定によるCa2+およびMg2+濃度測定(2) |
キレート滴定を行い、化学量論計算および濃度計算ができる。
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15週 |
まとめ |
化学量論計算および濃度計算ができる。
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16週 |
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 工学基礎 | 工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法) | 工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法) | 物理、化学、情報、工学における基礎的な原理や現象を明らかにするための実験手法、実験手順について説明できる。 | 4 | |
実験装置や測定器の操作、及び実験器具・試薬・材料の正しい取扱を身に付け、安全に実験できる。 | 4 | |
実験データの分析、誤差解析、有効桁数の評価、整理の仕方、考察の論理性に配慮して実践できる。 | 4 | |
実験テーマの目的に沿って実験・測定結果の妥当性など実験データについて論理的な考察ができる。 | 4 | |
実験ノートや実験レポートの記載方法に沿ってレポート作成を実践できる。 | 4 | |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 化学・生物系分野 | 有機化学 | 代表的な官能基に関して、その構造および性質を説明できる。 | 4 | 後1,後2,後3,後4,後5,後6 |
分野別の工学実験・実習能力 | 化学・生物系分野【実験・実習能力】 | 分析化学実験 | 中和滴定法を理解し、酸あるいは塩基の濃度計算ができる。 | 4 | 後8,後9,後10,後11 |
キレート滴定を理解し、錯体の濃度の計算ができる。 | 4 | 後12,後13,後14 |
物理化学実験 | 温度、圧力、容積、質量等を例にとり、測定誤差(個人差・器差)、実験精度、再現性、信頼性、有効数字の概念を説明できる。 | 4 | 後7 |
生物工学実験 | 光学顕微鏡を取り扱うことができ、生物試料を顕微鏡下で観察することができる。 | 4 | 前3,後7 |
滅菌・無菌操作をして、微生物を培養することができる。 | 4 | 前7,前8,前9 |