有機化学

科目基礎情報

学校 和歌山工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 有機化学
科目番号 0030 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 生物応用化学科 対象学年 2
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 化学(東京書籍)、 マクマリー有機化学概説(マクマリー、伊東、児玉訳、東京化学同人)
担当教員 舟浴 佑典

到達目標

1. 有機化合物を構成する結合について説明できる。
2. 有機化合物の酸と塩基について説明できる。
3. アルカン類の命名法と構造について説明できる。
有機化学で修得した知識は,石油化学,食品,医薬品製造などの品質管理や分析業務の業務で役立ちます。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1有機化合物を構成する結合について詳細に説明できる。有機化合物を構成する結合について説明できる。有機化合物を構成する結合について説明できない。
評価項目2有機化合物の酸と塩基について有機化学的に説明できる。有機化合物の酸と塩基について説明できる。有機化合物の酸と塩基について説明できない。
評価項目3アルカン類の命名法と構造について詳細に説明できる。アルカン類の命名法と構造について説明できる。アルカン類の命名法と構造について説明できない。

学科の到達目標項目との関係

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教育方法等

概要:
有機化学は第2~4学年の3ヶ年をかけて学習する科目である。第2学年ではその基礎として、まず、有機化合物の構造と結合、酸と塩基、官能基、アルカン類について学習する。
授業の進め方・方法:
第9週までは高等学校で使用する教科書「化学」を使用し、有機化学分野の基礎知識を学ぶ。第10週から15週では有機化学の教科書「マクマリー有機化学概説」を使用し、化学結合の基礎とアルカンの命名、構造などについて学習する。
成績評価は、定期試験60%、演習、課題レポート40%を基準として評価する。成績は、中間40%、期末60%の配分で評価し、100点満点で60点以上を合格とする。
注意点:
学習にあたっては次の点に留意すること。
・授業中は教員の説明を理解するように努めるとともに板書と口頭説明をノートにまとめる。
・授業内容や演習問題で理解できない個所があれば教員に質問して早期に解決する。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 ガイダンス、有機化合物の特長 有機化合物と無機化合物との違いについて理解する。
2週 有機化合物の分類と構造決定 有機化合物の分類と官能基の特徴、ルイス構造などの有機化合物の表し方、異性体について理解する。
3週 脂肪族炭化水素1 飽和炭化水素 飽和炭化水素の構造、性質、反応および生活との係わりについて理解する。
4週 脂肪族炭化水素2 不飽和炭化水素 不飽和炭化水素の構造、性質、反応および生活との係わりについて理解する。
5週 アルコールとエーテル アルコール、エーテルなどの酸素を含む有機化合物の構造、性質、反応性および生活との係わりついて理解する。
6週 カルボニル化合物 アルデヒド、ケトン、カルボン酸などの酸素を含む有機化合物の構造、性質、反応性および生活との係わりついて理解する。
7週 芳香族化合物1 芳香族化合物の構造、性質、反応性および生活との係わりについて理解する。
8週 中間試験 第7週までに学習した高等学校の有機化学の基礎について試験を実施
4thQ
9週 芳香族化合物2 芳香族化合物の構造、性質、反応性および生活との係わりについて理解する。
10週 有機化合物の構造と結合1 化学結合の基礎と混成軌道 化学結合の基礎を学ぶ。原子価結合法の考え方,水素・メタン・水・アンモニアなどを例に共有結合と非共有電子対について理解する。また、炭素原子の混成軌道の概念を理解する。メタン分子の正四面体構造を理解する。エタンの構造を例に 結合を理解する。 結合および炭素-炭素二重結合・三重結合を学ぶ。エチレンおよびアセチレンの構造を理解する。
11週 有機化合物の構造と結合2 極性共有結合 異なる原子間の電気陰性度の違いに基づく極性共有結合を理解する。誘起効果を理解する。
12週 酸と塩基 ブレンステッド=ローリーの定義、ルイスの定義に基づく酸・塩基の考え方を理解する。酸性度定数 (Ka および pKa) を学ぶ。酸・塩基と共役酸・共役塩基の強弱の関係を理解する。
13週 アルカンとシクロアルカン1 命名法 アルカン、シクロアルカンの命名法を学ぶ。アルキル基および級数について理解する。また、アルカンの構造と物性および化学反応性について理解する。
14週 アルカンとシクロアルカン2 構造と物性 立体配座 エタンおよびブタンを例に 結合の回転と立体配座を理解する。シクロアルカンのシス-トランス異性を理解する。シクロヘキサンの立体配座 (いす形,環反転,アキシャル・エクアトリアル位など) を理解する。
15週 期末試験 期末試験を実施
16週 答案返却と解説、総まとめ 試験問題の解説、まとめを行う。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野有機化学有機物が炭素骨格を持つ化合物であることを説明できる。4前1,後1
代表的な官能基を有する化合物を含み、IUPACの命名法に基づき、構造から名前、名前から構造の変換ができる。4前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後13,後14
σ結合とπ結合について説明できる。4前9,後4,後10
混成軌道を用い物質の形を説明できる。4前10,後10
誘起効果と共鳴効果を理解し、結合の分極を予測できる。4前11,後11
σ結合とπ結合の違いを分子軌道を使い説明できる。4前10,後4
ルイス構造を書くことができ、それを利用して反応に結びつけることができる。4前9,前12,後2
炭化水素の種類と、それらに関する性質および代表的な反応を説明できる。4前13,前14,前15,後3,後4,後13
分子の三次元的な構造がイメージでき、異性体について説明できる。4前15,後2,後14
構造異性体、シスートランス異性体、鏡像異性体などを説明できる。4前2,前3,前4,後2,後11
代表的な官能基に関して、その構造および性質を説明できる。4前5,前6,後5,後6
それらの官能基を含む化合物の合成法およびその反応を説明できる。4前5,前6,後5

評価割合

試験演習課題合計
総合評価割合6040100
基礎的能力6040100