到達目標
化学や生物工学は実験による検証が非常に多い分野である。研究室や工場においては,分子設計,機器分析,データ解析,装置設計・制御のためにコンピュータとそれを動作させるソフトウェアが利用されている。それらのうちのいくつかは目的に特化した専用のコンピュータ及びソフトウェアであるが,研究開発段階では汎用ソフトウェアを用いたデータ解析が必要とされることも多い。
現在,最も普及している表計算ソフトウェアはMicrosoft Excelである。Excelはバージョンアップを重ねるごとに膨大な機能を追加し,プログラミングを含めた科学計算が可能な汎用表計算ソフトウェアとなっており,化学や生物工学に携わる技術者,研究者にとっても必要不可欠なツールとなっている。本授業では,Excel の化学・生物工学分野での利用として,以下の到達目標を設定する。
(1)目的に応じたグラフを作成できる。
(2)測定機器などから出力されるデータ構造を理解し,解析のためのデータ処理ができる。
(3)プログラミングの基礎を理解し,化学計算に利用できる。
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
目的に応じたグラフを作成できる。 | 実験データに応じた適切なグラフを論文誌に投稿できる程度の体裁で作成できる。 | 実験データに応じたグラフを、ある程度の体裁で作成できる。 | 実験データに応じたグラフを作成できない。 |
測定機器などから出力されるデータ構造を理解し,解析のためのデータ処理ができる。 | テキストデータなどを表計算ソフトで開くことができ、データ処理をできる。 | ある程度の指導があれば、研究データの採取・整理および関係する情報の収集ができる。 | 研究データの採取・整理および関係する情報の収集ができない。 |
プログラミングの基礎を理解し,化学計算に利用できる。 | 基礎的な計算アルゴリズムを組み合わせて目的のプラグラムを構築できる。 | フローチャートなどが与えられれば、プログラムのコーディングができる。 | プログラムのコーディングができない。 |
学科の到達目標項目との関係
B
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C-1
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C-2
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教育方法等
概要:
本授業では,Excelを用いたグラフの作成,Excelのマクロ機能を用いたデータ処理,Excelに付随する Visual Basic for Application (VBA) を用いた化学プログラミングを学習する。
授業の進め方・方法:
授業は,ICTルームでの演習を主とする。説明にしたがって順に操作する場合と説明の後にまとまった時間をとって演習する場合がある。
注意点:
コンピューターの操作及びExcelに関する基本的な用語についてはあらかじめ予習しておくように。
演習は必ず自分で行うこと。
授業の属性・履修上の区分
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
Excelの基本操作(1) |
演算,作表ができる。
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2週 |
Excelの基本操作(2) |
オートフィルタ,テキストデータの読み込みができる。
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3週 |
Excelの基本操作(3) |
データをグラフ化し、書式を整えることができる。
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4週 |
Excelの基本操作(4) |
2軸を持つグラフや誤差棒を有するグラフを作成できる。グラフに回帰直線を表示できる。
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5週 |
ExcelのマクロとVBA(1) |
マクロの記録と実行ができる。
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6週 |
ExcelのマクロとVBA(2) |
マクロコードを理解し、編集することができる。
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7週 |
ExcelのマクロとVBA(3) |
IFステートメントによる条件分岐ができる。
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8週 |
化学プログラミング(1) |
ユーザー定義関数を作成できる。二進数を理解できる。
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2ndQ |
9週 |
中間試験期間 |
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10週 |
化学プログラミング(2) |
変数と定数を理解し、代入ステートメントを記述できる。
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11週 |
化学プログラミング(3) |
ユーザー定義関数を利用できる。
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12週 |
化学プログラミング(4) |
For〜Nextステートメント,Whileステートメントによる繰り返し処理ができる。
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13週 |
化学プログラミング(5) |
配列を利用することができる。
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14週 |
化学プログラミング(6) |
データの並べ替えができる。
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15週 |
まとめ(総合演習) |
これまでの学習内容を理解しており、応用できる。
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16週 |
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 工学基礎 | 情報リテラシー | 情報リテラシー | 論理演算と進数変換の仕組みを用いて基本的な演算ができる。 | 3 | 前8 |
同一の問題に対し、それを解決できる複数のアルゴリズムが存在しうることを知っている。 | 3 | 前8,前10,前11,前12,前13,前14 |
与えられた基本的な問題を解くための適切なアルゴリズムを構築することができる。 | 3 | 前8,前10,前11,前12,前13,前14 |
任意のプログラミング言語を用いて、構築したアルゴリズムを実装できる。 | 3 | 前8,前10,前11,前12,前13,前14 |
評価割合
| 演習 | 課題 | 総合演習 | 合計 |
総合評価割合 | 50 | 25 | 25 | 100 |
基礎能力 | 25 | 15 | 10 | 50 |
専門能力 | 25 | 10 | 15 | 50 |