分析化学

科目基礎情報

学校 和歌山工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 分析化学
科目番号 0037 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 生物応用化学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 教科書: 分析化学-溶液反応を基礎とするー  大橋弘三郎ら著  三共出版・  参考書:化学平衡の計算  関根達也ら著  理学書院      分析化学演習 奥谷、本水ら著  東京教学社
担当教員 岸本 昇

到達目標

分析化学は、天然や人工の物質の化学的組成を定性的・定量的に識別するための方法(論)を開発・確立することを目的とする化学の一分野である。また、分野を問わず生産部門、研究・開発部門で使われる分析操作、分析技術を理解するために必須な知識を学習する科目である。次の到達目標を設定する。
(1)錯イオン、沈殿反応、酸化還元反応などの溶液反応における濃度計算ができる。
(2)反応速度論・酵素反応の基礎を理解できる。
(2)基礎的な化学反応速度式を記述でき、液-液抽出についてその原理について理解できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
錯イオン・沈殿反応・酸化還元反応における濃度計算ができる。錯イオン・沈殿反応・酸化還元反応における濃度計算が十分できる。錯イオン・沈殿反応・酸化還元反応における濃度計算ができる。錯イオン・沈殿反応・酸化還元反応における濃度計算ができない。
反応速度論・酵素反応の基礎を理解できる。反応速度論・酵素反応の基礎を十分理解している。反応速度論・酵素反応の基礎を理解している。反応速度論・酵素反応の基礎を理解していない。
抽出の基礎を理解できる。抽出の基礎を十分理解している。抽出の基礎を理解している。抽出の基礎を理解していない。

学科の到達目標項目との関係

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教育方法等

概要:
2年生に引き続き溶液内化学反応を履修する。錯イオン、沈殿反応、酸化還元反応などの溶液反応の学習と化学反応速度、液-液抽出についてその原理について学習する。
授業の進め方・方法:
講義形式の授業が中心となる。具体的な問題演習を行う。必要に応じて口頭試問、小テストを実施し、各自の理解度を把握してもらう。定期試験を70%、口頭試問、小テスト、課題、レポートなどを30%を基準に年間を通じて総合評価する。

前期
第1週
ガイダンス、2年生までに学習した内容について、到達度をチェックする。
第2週~第8週
錯イオン、キレートなどについて学習する。それらの知識、計算法を解説し、必要に応じて演習を行う。
第9週
中間試験を行い、理解度を評価する。
第10週~第14週
溶解度と溶解度積、共通イオン効果、錯イオン生成の影響、分別滴定法について学習する。それらの知識、計算法を解説し、必要に応じて演習を行う。
第15週~第16週
期末試験を行い、理解度を評価する。答案返却と解説を行う。

後期
第1週~第2週
酸化数、酸化還元反応について学習する。それらの知識、計算法を解説し、必要に応じて演習を行う。
第3週
電池と起電力について学習する。それらの知識、計算法を解説し、必要に応じて演習を行う。
第4週~第5週
ネルンストの式について学習する。それらの知識、計算法を解説し、必要に応じて演習を行う。
第6週~第7週
酸化還元滴定について学習する。それらの知識、計算法を解説し、必要に応じて演習を行う。
第8週
中間試験を行い、理解度を評価する。
第9週
答案の返却を行い、解説する。反応速度の基礎について学習する。それらを解説する。
第10週~第11週
1次反応速度式、2次反応速度式について学習する。それらの知識、計算法を解説し、必要に応じて演習を行う。
第12週
酵素反応速度式について学習する。それらの知識、計算法を解説し、必要に応じて演習を行う。
第13週
液液分配平衡について学習する。それらの知識、計算法を解説し、必要に応じて演習を行う。
第14週
キレート抽出について学習する。それらの知識、計算法を解説し、必要に応じて演習を行う。
第15週~第16週
期末試験を行い、理解度を評価する。答案返却と解説を行う。
注意点:
事前学習
 指定した教科書(可能であれば参考書も)の該当部分を事前に読んでおくこと。
事後学習
教科書、参考書、ノートにより、講義時に学修した内容を復習しておくこと。課題を与えられた場合には、期限までにレポートを提出すること。次回の授業時に小テストを行うことがあるので、備えておくこと。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス 到達度チェック   溶液内の化学平衡について理解できる。
2週 錯イオンについて 錯イオンの形成について理解できる。
3週 錯イオンについて 錯体生成定数とそれによる濃度計算ができる。
4週 キレート定数 キレート生成定数を理解できる。
5週 キレート反応の定量的取り扱い キレート反応の定量的取り扱いができる。
6週 キレート反応の定量的取り扱い キレート反応の定量的取り扱いができる。
7週 キレート滴定法について キレート滴定法が理解できる。
8週 演習 これまでの項目を理解し整理すること。
2ndQ
9週 中間試験 これまでの項目に関して試験し、到達度を把握する。
10週 溶解度と溶解度積 溶解度・溶解度積を理解できる。
11週 共通イオン効果 共通イオン効果が理解できる。
12週 錯イオン生成の影響 錯イオンの影響が理解できる。
13週 分別沈殿 分別沈殿の原理が理解できる。
14週 沈殿滴定法 沈殿滴定法の原理が理解できる。
15週 期末試験   これまでの項目に関して試験し、到達度を把握する。
16週 答案返却・解説 各自の答案の評価により、理解度を把握すること。解説により、各自の問題点を把握し、不足していたことを補うこと。
後期
3rdQ
1週 酸化数 酸化還元反応  酸化数 酸化還元反応を理解できる。
2週 酸化数 酸化還元反応  酸化数 酸化還元反応を理解できる。
3週 電池と起電力 電池と起電力について理解できる。
4週 ネルンストの式 ネルンストの式を説明できる。
5週 ネルンストの式 ネルンストの式を使って溶液内の各分子種の定量ができる。
6週 酸化還元滴定  酸化還元滴定を計算により解くことができる。 
7週 酸化還元滴定  酸化還元滴定を計算により解くことができる。
8週 中間試験 これまでの項目に関して試験し、到達度を把握する。
4thQ
9週 試験の解説・化学反応速度の概説 試験の解答および反応速度の基礎を理解する。
10週 1次反応速度式 一次反応速度式の基礎を理解する。
11週 2次反応速度式 二次反応速度式を組みたてることができる。
12週 酵素反応速度式演習 酵素反応の速度式を組み立てることができる。
13週 液液分配平衡  液液分配平衡について理解できる。
14週 キレート抽出 キレート抽出について理解できる。
15週 期末試験 これまでの項目に関して試験し、到達度を把握する。
16週 答案返却・解説 各自の答案の評価により、理解度を把握すること。解説により、各自の問題点を把握し、不足していたことを補うこと。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野分析化学いくつかの代表的な陽イオンや陰イオンの定性分析のための化学反応について理解できる。4前2,前13
溶解度・溶解度積について理解し必要な計算ができる。4前10
沈殿による物質の分離方法について理解し、化学量論から沈殿量の計算ができる。4前13,前14
錯体の生成について説明できる。4前2,前3
陽イオンや陰イオンの関係した化学反応について理解し、溶液中の物質の濃度計算(定量計算)ができる。4前2,前3,前4,前5,前6,前7
酸化還元滴定についての原理を理解し、酸化剤及び還元剤の濃度計算ができる。4後6,後7
キレート滴定についての原理を理解し、金属イオンの濃度計算ができる。4前7
溶媒抽出を利用した分析法について説明できる。4後13,後14
物理化学反応速度の定義を理解して、実験的決定方法を説明できる。4後9,後10,後11
反応速度定数、反応次数の概念を理解して、計算により求めることができる。4後9,後10,後11
微分式と積分式が相互に変換できて半減期が求められる。4後9,後10,後11

評価割合

試験口頭試問、小テスト、課題等合計
総合評価割合7030100
基礎的能力7030100
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