概要:
不飽和炭化水素・芳香族化合物・ハロゲン化アルキル・アルコール関連化合物について学習する。
授業の進め方・方法:
第2学年で学習した有機化学の知識(混成軌道,極性共有結合,官能基,飽和炭化水素など)を基にして,4つの化合物群(不飽和炭化水素・芳香族化合物・ハロゲン化アルキル・アルコール関連化合物)の命名法,構造,物性,合成法,特徴的な反応,および立体化学について学習する。
注意点:
授業中は教員の説明を理解するように努めるとともに板書と口頭説明をノートにまとめる。教科書・参考書の練習問題を解いて理解を深める。授業内容や演習問題で理解できない部分があれば教員に質問して早期に解決する。
事前学習:第2学年「有機化学」の内容を復習しておく。各週の内容について教科書を読んでおく。
事後学習:各週の内容について教科書の練習問題と章末問題,問題集の問題を解いて理解を確認する。
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
アルケンとアルキン(1),アルケンの命名法と構造 |
アルケンの命名法,二重結合の構造が理解できる。
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2週 |
アルケンとアルキン(2),シス-トランス異性 |
シス-トランス異性,E,Z命名法,置換基の順位則が理解できる。
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3週 |
アルケンとアルキン(3),有機反応の機構 |
有機反応の種類(極性反応・ラジカル反応,付加・脱離・置換・転位),有機反応の機構が理解できる。
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4週 |
アルケンとアルキン(4),反応の表し方 |
反応エネルギー図(遷移状態,活性化エネルギー,中間体,触媒)が理解できる。
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5週 |
アルケンとアルキン(5),アルケンの付加反応(1) |
アルケンへの付加反応の機構(ハロゲン化水素化,カルボカチオン中間体,マルコフニコフ則)が理解できる。
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6週 |
アルケンとアルキン(6),アルケンの付加反応(2) |
アルケンへの付加反応(水和,ハロゲン化,水素化)が理解できる。
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7週 |
アルケンとアルキン(7),アルケンの酸化,共役ジエン |
アルケンの酸化(ヒドロキシ化,開裂),共役ジエンの構造,共鳴の概念が理解できる。
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8週 |
アルケンとアルキン(8),アルキン |
アルキンの命名法,アルキンの反応(付加反応,アセチリドアニオン)が理解できる。
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2ndQ |
9週 |
芳香族化合物(1),芳香族化合物の構造と命名法 |
芳香族化合物の構造(ケクレの説,共鳴説) ,芳香族化合物の命名法が理解できる。
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10週 |
芳香族化合物(2),求電子置換の機構 |
芳香族求電子置換反応の機構が理解できる。
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11週 |
芳香族化合物(3),求電子置換の種類 |
種々の求電子置換反応(ハロゲン化,ニトロ化,スルホン化,Friedel-Crafts反応)が理解できる。
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12週 |
芳香族化合物(4),求電子置換の置換基効果(1) |
芳香族求電子置換反応の置換基効果(反応性)が理解できる。
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13週 |
芳香族化合物(5),求電子置換の置換基効果(2) |
芳香族求電子置換反応の置換基効果(配向性)が理解できる。
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14週 |
芳香族化合物(6),酸化と還元,芳香族性 |
芳香族化合物の酸化と還元,ヒュッケル則に基づく芳香族性,および有機合成が理解できる。
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15週 |
立体化学(1),立体異性体 |
キラリティー,鏡像異性体,立体中心が理解できる。
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16週 |
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後期 |
3rdQ |
1週 |
立体化学(2),光学活性 |
光学活性,立体配置の表示(R, S)が理解できる。
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2週 |
立体化学(3),ジアステレオマー |
ジアステレオマー,メソ化合物,キラルな環境が理解できる。
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3週 |
有機ハロゲン化物(1),ハロゲン化アルキルの命名法 |
ハロゲン化アルキルの命名法が理解できる。
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4週 |
有機ハロゲン化物(2),ハロゲン化アルキルの製法 |
ハロゲン化アルキルの製法が理解できる。
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5週 |
有機ハロゲン化物(3),求核置換反応(SN2反応) |
求核置換反応(SN2反応)の機構,求核試薬,Walden反転が理解できる。
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6週 |
有機ハロゲン化物(4),求核置換反応(SN1反応) |
求核置換反応(SN1反応)の機構,脱離基,ラセミ化が理解できる。
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7週 |
有機ハロゲン化物(5),脱離反応(E2反応) |
脱離反応(E2反応)の機構,ザイツェフ則が理解できる。
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8週 |
有機ハロゲン化物(6),脱離反応(E1反応) |
脱離反応(E1反応)の機構が理解できる。
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4thQ |
9週 |
アルコール・フェノール・エーテル(1),命名法 |
アルコール・フェノール・エーテルの命名法が理解できる。
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10週 |
アルコール・フェノール・エーテル(2),物性 |
アルコール,フェノール,エーテルの物性(水素結合,酸性度)が理解できる。
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11週 |
アルコール・フェノール・エーテル(3),アルコールの合成と反応 |
アルコールの合成(付加,還元),反応(脱水,酸化,エーテルへの変換)が理解できる。
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12週 |
アルコール・フェノール・エーテル(4),フェノールの合成と反応 |
フェノールの合成,反応(求電子置換反応,エーテルへの変換,キノンへの酸化)が理解できる。
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13週 |
アルコール・フェノール・エーテル(5),エーテルの合成と反応 |
エーテルの合成,反応(酸開裂)が理解できる。
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14週 |
アルコール・フェノール・エーテル(6),エポキシド |
環状エーテル,エポキシドの合成と反応が理解できる。
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15週 |
アルコール・フェノール・エーテル(7),チオール,スルフィド |
チオールおよびスルフィドの合成と反応が理解できる。
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16週 |
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 化学・生物系分野 | 有機化学 | 共鳴構造について説明できる。 | 4 | 前7,前9,前10,前13,前14 |
炭化水素の種類と、それらに関する性質および代表的な反応を説明できる。 | 4 | 前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14 |
芳香族性についてヒュッケル則に基づき説明できる。 | 4 | 前14 |
分子の三次元的な構造がイメージでき、異性体について説明できる。 | 4 | 前15,後1,後2,後5,後6 |
構造異性体、シスートランス異性体、鏡像異性体などを説明できる。 | 4 | 前2,前15,後1,後2,後5,後6 |
化合物の立体化学に関して、その表記法により正しく表示できる。 | 4 | 前2,前15,後1,後2,後5,後6,後7,後8 |
代表的な反応に関して、その反応機構を説明できる。 | 4 | 前3,前5,前6,前7,前8,前10,前11,前12,前13,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15 |
電子論に立脚し、構造と反応性の関係が予測できる。 | 4 | 前1,前3,前5,前6,前7,前8,前10,前11,前12,前13,後5,後6,後7,後8,後11,後12,後13,後14,後15 |
反応機構に基づき、生成物が予測できる。 | 4 | 前5,前6,前7,前8,前10,前11,前12,前13,後5,後6,後7,後8,後11,後12,後13,後14,後15 |