応用数学

科目基礎情報

学校 和歌山工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 応用数学
科目番号 0061 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 生物応用化学科 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 『数理統計学の基礎』(新納浩幸 著,森北出版)
担当教員 嶋田 佳一

到達目標

(1)独立事象の確率,余事象の確率,確率の加法定理,条件付き確率,確率の乗法定理を理解し,簡単な場合について確率を求めることができる.
(2)1次元のデータについて,ヒストグラム,平均,分散,標準偏差の概念を理解し,値を求めることができる.2次元のデータについて,散布図を作成でき,相関係数,回帰直線を理解し,求めることができる.
(3)離散型確率変数,確率分布の概念を理解し,確率変数の平均,分散を求めることができる.二項分布,ポアソン分布を理解し,確率を求めることができる.連続型確率分布の概念を理解し,確率,確率変数の平均,分散を求めることができる.正規分布,二項分布との関係を理解し,確率を求めることができる.2次元確率分布と確率変数の独立概念を理解し,確率変数の平均,分散を求めることができる
(4)母集団と標本の関係を理解する.正規母集団の標本平均,中心極限定理,標本分散と不偏分散,カイ2乗分布,t分布を理解する.
(5)区間推定の概念を理解し,平均の区間推定,分散の区間推定ができる.仮説検定の概念を理解し,平均の検定,比率の検定,分散の検定ができる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
事象と確率確率の概念,事象,加法定理,条件付き確率,乗法定理,事象の独立,ベイズの定理を理解し,説明できる.確率の概念,事象,加法定理,条件付き確率,乗法定理,事象の独立,ベイズの定理を理解し,確率を求めることができる.確率の概念,事象,加法定理,条件付き確率,乗法定理,事象の独立,ベイズの定理を使って確率を求めることができない.
データの整理と分布ヒストグラム,分散,標準偏差の概念を理解し,説明できる.相関係数,回帰直線の概念を理解し、説明できる.ヒストグラム,分散,標準偏差を理解し,求めることができる.相関係数,回帰直線を理解し、求めることができる.ヒストグラム,分散,標準偏差を求めることができない.相関係数,回帰直線を求めることができない.
確率分布離散型確率分布,連続型確率分布の概念を理解し,確率を求め,説明できる. 確率変数の平均,分散を求めることができる.二項分布,正規分布などの概念を理解し,確率を求めることができる.確率変数の平均,分散を求めることができる.二項分布,正規分布などの確率を求めることができない.確率変数の平均,分散を求めることができない.
母集団と標本正規母集団の標本平均,中心極限定理,不偏分散の概念を理解し,説明できる.標本平均の確率,不偏分散を求めることができる.正規母集団の標本平均,中心極限定理,不偏分散の概念を理解し,標本平均の確率,不偏分散を求めることができる.標本平均の確率,不偏分散を求めることができない.
区間推定,仮説検定統計量とそれが従う確率分布を理解し,区間推定,仮説検定を理解し,説明ができる.代表的な区間推定ができる.代表的な仮説検定ができる.代表的な区間推定,仮説検定ができない.

学科の到達目標項目との関係

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教育方法等

概要:
データの整理と分析の基本的方法を学ぶ.二項分布などの離散型確率分布,正規分布などの連続型確率分布を学び,確率,確率変数の平均,分散などを求められるようになる.標本から母集団の平均,分散などを推定・検定する方法を学ぶ.
授業の進め方・方法:
教科書を補うテキストを配布する.新しい学習内容について説明し,演習問題で理解を深める.また,授業時間内に,適宜,小テストを行う.
事前学習:次回の授業範囲(テキスト)を事前に読んでおくこと.
事後学習:テキストの[問]を解答すること.
注意点:

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 オリエンテーション(釣り銭の問題)
事象と確率(1)確率の概念
釣り銭の問題を考えることを通して,分布を考えることの大切さ,不確実性の時代に誤った意思決定をする可能性を小さくすることを理解する.
確率の概念,確率の基本性質を理解する.
2週 事象と確率(2) 余事象の確率,確率の加法定理,条件付き確率,確率の乗法定理を理解し,簡単な確率を求めることができる.
3週 事象と確率(3) 事象の独立,ベイズの定理を理解し,簡単な確率を求めることができる.期待値を理解し,値を求めることができる.
4週 データの整理と分析(1)度数分布表,ヒストグラム,代表値 データを相対度数分布表に整理できる.確率密度の概念を理解し,ヒストグラムを作成できる.平均値,中央値,最頻値を理解する.
5週 データの整理と分析(2)四分位数,箱ひげ図,分散,標準偏差 四分位数を求め,箱ひげ図を描くことができる.分散,標準偏差の概念を理解し,値を求めることができる.
6週 データの整理と分析(3)2次元の資料,相関係数 散布図,相関,共分散,相関係数を理解し,値を求めることができる.
7週 データの整理と分析(4)共分散,回帰分析 共分散,回帰直線の概念を理解し,回帰直線を求めることができる.
8週 データの整理と分析(5)回帰直線 回帰直線の公式の証明を理解できる.
2ndQ
9週 前期中間試験
10週 中間試験返却・解説+授業
確率分布(1)確率変数と確率分布
中間試験の解答と解説が理解できる.
離散型確率変数と確率分布の概念を理解し,確率変数の平均,分散を求めることができる.
11週 確率分布(2)二項分布(2) 二項分布を理解し,平均,分散を求めることができる.
12週 確率分布(3)ポアソン分布,連続型確率変数,確率密度関数 ポアソン分布を理解し,確率を求めることができる.
連続型確率変数,確率密度関数を理解できる.
13週 確率分布(4)確率密度関数,分布関数 積分を用いて確率を求めることができる.分布関数を理解し求めることができる.
14週 確率分布(5)連続型確率変数の平均,分散 連続型確率変数の平均,分散を求めることができる.
15週 前期末試験
16週 答案返却・解説 試験問題の解答と解説が理解できる。
後期
3rdQ
1週 確率分布(6)正規分布(1) 正規分布,標準化を理解し,確率を求めることができる.
2週 確率分布(7)正規分布(2) 二項分布の確率を正規分布を利用して求めることができる.
3週 確率分布(8)多次元確率分布と確率変数の独立 2次元確率分布,確率変数の独立概念を理解する.
4週 確確率分布(9)多次元確率変数の平均と分散,無作為抽出の実験 多次元確率変数の平均と分散を求めることができる.ランダムを理解し,無作為抽出ができる.
5週 母集団と標本(1)標本平均 標本平均の平均,分散の概念を理解し,確率を求めることができる.
6週 母集団と標本(2)正規母集団の標本平均,中心極限定理,不偏分散 正規母集団の標本平均,中心極限定理を理解し,確率を求めることができる.不偏分散の概念を理解し,求めることができる.
7週 母集団と標本(3)カイ2乗分布,t分布 カイ2乗分布,t分布と,それらに従う統計量を理解できる.
8週 後期中間試験
4thQ
9週 答案返却・解説+授業
推定と仮説検定(1)平均の推定
中間試験の解答と解説を理解できる.
区間推定の概念を理解し,平均の区間推定ができる.
10週 推定と仮説検定(2)分散の推定 分散の区間推定を理解し,推定できる.
11週 推定と仮説検定(3)比率の推定 比率の区間推定を理解し,推定できる.
12週 推定と仮説検定(4)平均の検定(1) 母分散が既知の場合の平均の検定を理解し,検定ができる.仮説と棄却域の関係を理解し,平均の片側検定ができる.
13週 推定と仮説検定(5)平均の検定(2)分散の検定 母分散が未知の場合の平均の検定を理解し,検定ができる.分散の検定を理解し,検定ができる.
14週 推定と仮説検定(6)比率の検定 比率の検定を理解し,検定ができる.
15週 後期期末試験
16週 答案返却・解説 試験問題の解答と解説が理解できる.

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力数学数学数学独立試行の確率、余事象の確率、確率の加法定理、排反事象の確率を理解し、簡単な場合について、確率を求めることができる。3前2
条件付き確率、確率の乗法定理、独立事象の確率を理解し、簡単な場合について確率を求めることができる。3前2,前3

評価割合

試験演習・小テスト合計
総合評価割合7030100
基礎的能力351550
専門的能力351550