有機化学

科目基礎情報

学校 和歌山工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 有機化学
科目番号 0063 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 生物応用化学科 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 教科書:マクマリー有機化学概説(マクマリー,伊東,児玉訳,東京化学同人)/参考書:有機化学問題集(粟野,瀬川著,裳華房)
担当教員 河地 貴利

到達目標

1.カルボニル化合物およびアミンの構造と性質について理解できる。
2.カルボニル化合物およびアミンの合成法と反応性について理解できる。
3.代表的な反応については有機電子論に基づく反応機構を説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
カルボニル化合物およびアミンの 構造と性質について理解できる。カルボニル化合物およびアミンの構造と性質について十分に理解している。カルボニル化合物およびアミンの構造と性質についてほぼ理解している。カルボニル化合物およびアミンの構造と性質について理解していない。
カルボニル化合物およびアミンの 合成法と反応性について理解でき る。カルボニル化合物およびアミンの合成法と反応性について十分に理解している。カルボニル化合物およびアミンの合成法と反応性についてほぼ理解している。カルボニル化合物およびアミンの合成法と反応性について理解していない。
代表的な反応については有機電子 論に基づく反応機構を説明できる 。代表的な反応については有機電子論に基づく反応機構を十分に説明できる。代表的な反応については有機電子論に基づく反応機構をほぼ説明できる。代表的な反応については有機電子論に基づく反応機構を説明できない。

学科の到達目標項目との関係

C-1 説明 閉じる

教育方法等

概要:
有機化学と合成化学において重要な化合物群であるカルボニル化合物(アルデヒド,ケトン,カルボン酸およびカルボン酸誘導体)およびアミンについて,IUPAC命名法に基づく命名,性質と合成法,それらの反応について学習する。
授業の進め方・方法:
第3学年までに学習した有機化学の基礎の上に,重要な化合物群であるカルボニル化合物(アルデヒド,ケトン,カルボン酸およびカルボン酸誘導体)およびアミンの命名法,構造,物性,合成法,特徴的な反応について学習する。
注意点:
授業中は教員の説明を理解するように努めるとともに板書と口頭説明をノートにまとめる。教科書・参考書の練習問題を解いて理解を深める。授業内容や演習問題で理解できない部分があれば教員に質問して早期に解決する。
事前学習:第2および第3学年の「有機化学」を復習しておく。各週の内容について教科書を読んでおく。
事後学習:各週の内容について教科書の練習問題と章末問題,問題集の問題を解いて理解を確認する。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 カルボニル化合物の特徴と性質,アルデヒド・ケトンの命名 カルボニル基の特徴(sp2混成,分極),アルデヒドとケトンの命名法を理解できる。
2週 アルデヒド・ケトンの合成 アルデヒドとケトンの合成(アルコールの酸化,末端アルキンの水和,Friedel-Craftsアシル化),アルデヒドの酸化(カルボン酸の生成),アルデヒドとケトンの求核付加反応(概要)
3週 アルデヒド・ケトンの反応(1) ヒドリドの付加(還元),Grignard試薬の付加,水の付加(gem-ジオールの生成),アルコールの付加(ヘミアセタールとアセタールの生成,保護基)
4週 アルデヒド・ケトンの反応(2) アミンの付加(イミンの生成),Wittig反応(アルケンの生成),共役求核付加
5週 カルボン酸とその誘導体の命名,性質 カルボン酸とその誘導体(酸ハロゲン化物,酸無水物,アミド,エステル,ニトリル)の命名法,カルボン酸の性質(二量体,酸性度)
6週 カルボン酸の合成 カルボン酸の合成(アルキルベンゼンの酸化,アルコールの酸化,ニトリルの加水分解,Grignard試薬と二酸化炭素の反応),求核アシル置換反応(アシル誘導体の反応性,四面体中間体)
7週 カルボン酸とその誘導体の反応(1) 還元(アルコールの生成),酸塩化物・エステル・アミドへの変換,酸ハロゲン化物の反応(カルボン酸・エステル・アミドへの変換)
8週 カルボン酸とその誘導体の反応(2) 酸無水物の反応(カルボン酸・エステル・アミドへの変換),エステルの反応(カルボン酸・アミド・3級アルコールへの変換),アミドの反応(カルボン酸・アミンへの変換),ニトリルの性質と反応(カルボン酸・アミン・ケトンへの変換)
2ndQ
9週 中間試験 中間試験を行う
10週 カルボニル化合物のα置換反応 α置換反応と縮合反応(概要),ケト-エノール互変異性,エノールの反応性(α置換反応),αハロゲン化
11週 カルボニル化合物の縮合反応(1) エノラートイオンの生成,エノラートイオンの反応性(アルキル化)
12週 カルボニル化合物の縮合反応(2) カルボニル縮合反応,アルドール反応(エノンの合成),Claisen縮合(エステルの縮合)
13週 アミンの命名,アミンの合成 アミンの種類(級数)と命名法,アミンの構造と性質(塩基性度)
アミンの合成(ニトリルとアミドの還元,ハロゲン化アルキルの置換,アルデヒドとケトンの還元的アミノ化,ニトロベンゼンの還元)
14週 アミンの反応 アミンの反応(アルキル化,アシル化,アミドの生成,アルケンの生成,ジアゾ化-カップリング反応,Sandmeyer反応),複素環アミン(ピロール,ピリジン,縮合複素環)
15週 期末試験 期末試験を行う
16週 試験答案返却・解答解説

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野有機化学代表的な官能基に関して、その構造および性質を説明できる。4前1,前5,前13
それらの官能基を含む化合物の合成法およびその反応を説明できる。4前2,前6,前13
代表的な反応に関して、その反応機構を説明できる。4前3,前4,前7,前8,前10,前11,前12,前14
電子論に立脚し、構造と反応性の関係が予測できる。4前3,前4,前7,前8,前10,前12,前14
反応機構に基づき、生成物が予測できる。4前3,前4,前7,前8,前10,前12,前14

評価割合

試験小テスト+課題相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合60400000100
基礎的能力60400000100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000