生物化学

科目基礎情報

学校 和歌山工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 生物化学
科目番号 0067 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 生物応用化学科 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 教科書 泉谷、野田他「生物化学序説」化学同人/教材 田宮、八木「コーンスタンプ生化学」東京化学同人、今堀、山川「生化学辞典」東京化学同人
担当教員 土井 正光

到達目標

生物化学は、主として食品や医薬品を扱う仕事において、それらの安全性や機能性などを理解する上で役立つ科目である。
1.アミノ酸、タンパク質、糖、脂質、核酸等の構造や性質の特徴が理解できる。2.酵素や生理活性物質の特性が理解できる。3.物質代謝の全容が理解できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
アミノ酸、タンパク質、糖、脂質、核酸等の構造や性質の特徴が理解できる特徴を理解し、説明することができる 特徴を理解し、基本的な内容であれば説明することができる 十分に理解できていない
酵素や生理活性物質の特性が理解できる 特性を理解し、説明することができる 特性を理解し、基本的な内容であれば説明することができる 十分に理解できていない
物質代謝の全容が理解できる全容を理解し、説明することができる専用を理解し、基本的な内容であれば説明することができる十分に理解できていない

学科の到達目標項目との関係

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教育方法等

概要:
(COC)
生体を構成する基本物質であるアミノ酸、タンパク質、糖、脂質、核酸等を中心に、ビタミンやホルモン等の生理活性物質も含めて構造や性質、さらにそれらの代謝の全容までを述べる。
授業の進め方・方法:
1 ,2 年の「生物」、3 年の「応用微生物学」を基礎として、人間の三大栄養素である蛋白質、糖、脂質の化学的性質や構造から始めて、核酸、酵素、生理活性物質、代謝、最後には遺伝情報の発現にまで至る内容を学習する。ついては、専門用語の理解を深めるため、アミノ酸や糖を始めとする化合物を実際に見て、触れる機会を作り、簡単なデモ実験も取り入れながら講義する。また、定期試験の他に、小テストや演習を適宜取り入れる。また、場合によってはレポートの提出を義務付ける。
注意点:
地域の農産物や魚介類が持つ化合物について予習しておくこと。また、地域の広報誌やニュース等を通じて地域関連産品の最新情報に触れ、継続した考察を行うこと。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 生物、応用微生物学との関わり、復習




  
生物、応用微生物学との関わりと生物化学の授業内容を知る。
2週 生物化学序論     生物化学の歴史、細胞、生元素 生物化学の歴史、細胞、生元素について理解できる。
3週 アミノ酸の化学(1) タンパク質性および非タンパク質性アミノ酸 タンパク質性および非タンパク質性アミノ酸について理解できる。
4週 アミノ酸の化学(2) 立体化学と性質 アミノ酸の立体化学と性質について理解できる。
5週 ペプチドの化学    分類、表現法、生理活性ペプチド、ホルモンペプチド ペプチドの分類、表現法、生理活性ペプチド、ホルモンペプチドについて理解できる。
6週 タンパク質の化学(1)分類、機能、構造 タンパク質の分類、機能について理解できる。
7週 タンパク質の化学(2)構造
タンパク質の構造について理解できる。
8週 タンパク質の化学(3)性質、分析法
タンパク質の性質、分析法について理解できる。
2ndQ
9週 前期中間試験
       
10週 糖質の化学(1)   単糖類の性質 単糖類の分類、構造、性質について理解する。
11週 糖質の化学(2)   天然単糖類と誘導体、グリコシド結合 天然単糖類と誘導体、グリコシド結合について理解できる。
12週 糖質の化学(3)   オリゴ糖類、多糖類 オリゴ糖類、多糖類について理解できる。
13週 脂質の化学(1)   単純脂質、複合脂質、リン脂質二重層 単純脂質、複合脂質、リン脂質二重層について理解できる。
14週 脂質の化学(2)   トリアシルグリセロール、イソプレノイド トリアシルグリセロール、イソプレノイドについて理解できる。
15週 前期末試験
16週                
試験答案返却・解答解説


      
前期末試験の正答が理解できる。
後期
3rdQ
1週 核酸の化学(1)   構成成分  核酸の構成成分について理解できる。
2週 核酸の化学(2)   性質

核酸の性質について理解できる。
3週 酵素の化学(1)   分類、性質 酵素の分類、性質について理解できる。
4週 酵素の化学(2)   反応速度、阻害様式、補酵素 酵素の反応速度、阻害様式、補酵素について理解できる。
5週 生理活性物質(1)  ビタミン ビタミンについて理解できる。
6週 生理活性物質(2)  ホルモン ホルモンについて理解できる。
7週 生理活性物質(3)  毒   毒について理解できる。
8週 後期中間試験
4thQ
9週 代謝(1)      代謝総論、エネルギー生成反応、光合成色素 




代謝総論、エネルギー生成反応、光合成色素について理解できる。
10週 代謝(2)      糖質の分解反応と生合成反応 糖質の分解反応と生合成反応について理解できる。
11週 代謝(3)      脂質の分解反応と生合成反応 脂質の分解反応と生合成反応について理解できる。
12週 代謝(4)      アミノ酸の分解反応と生合成反応 アミノ酸の分解反応と生合成反応について理解できる。
13週 遺伝情報の発現    タンパク質の生合成、遺伝子工学 タンパク質の生合成、遺伝子工学について理解できる。
14週 代謝と遺伝情報の発現のまとめ 代謝と遺伝情報の発現について演習問題を解き、理解できる。
15週 後期期末試験
16週 試験答案返却・解答解説 前期末試験の正答が理解できる。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野生物化学タンパク質、核酸、多糖がそれぞれモノマーによって構成されていることを説明できる。4前3,前10,後1
生体物質にとって重要な弱い化学結合(水素結合、イオン結合、疎水性相互作用など)を説明できる。4前7
単糖と多糖の生物機能を説明できる。4前10,前12
単糖の化学構造を説明でき、各種の異性体について説明できる。4前10
グリコシド結合を説明できる。4前11
多糖の例を説明できる。4前12
脂質の機能を複数あげることができる。4前13
トリアシルグリセロールの構造を説明できる。脂肪酸の構造を説明できる。4前14
リン脂質が作るミセル、脂質二重層について説明でき、生体膜の化学的性質を説明できる。4前13
タンパク質の機能をあげることができ、タンパク質が生命活動の中心であることを説明できる。4前6
タンパク質を構成するアミノ酸をあげ、それらの側鎖の特徴を説明できる。4前3,前4
アミノ酸の構造とペプチド結合の形成について構造式を用いて説明できる。4前5
タンパク質の高次構造について説明できる。4前7
ヌクレオチドの構造を説明できる。4後1
DNAの二重らせん構造、塩基の相補的結合を説明できる。4後2
DNAの半保存的複製を説明できる。4後13
RNAの種類と働きを列記できる。4後2
酵素の構造と酵素-基質複合体について説明できる。4後2
酵素の性質(基質特異性、最適温度、最適pH、基質濃度)について説明できる。4後3
補酵素や補欠因子の働きを例示できる。水溶性ビタミンとの関係を説明できる。4後4
解糖系の概要を説明できる。4後10
クエン酸回路の概要を説明できる。4後9
酸化的リン酸化過程におけるATPの合成を説明できる。4後9
嫌気呼吸(アルコール発酵・乳酸発酵)の過程を説明できる。4後9
各種の光合成色素の働きを説明できる。4後10
光化学反応の仕組みを理解し、その概要を説明できる。4後10
炭酸固定の過程を説明できる。4後10

評価割合

試験課題合計
総合評価割合7030100
基礎的能力20525
専門的能力302050
分野横断的能力20525