生物化学

科目基礎情報

学校 和歌山工業高等専門学校 開講年度 令和07年度 (2025年度)
授業科目 生物化学
科目番号 0069 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 生物応用化学科 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 教科書 井上 英史 編「基礎講義生化学」東京化学同人 /教材 田宮、八木「コーンスタンプ生化学」東京化学同人、今堀、山川「生化学辞典」東京化学同人、泉谷、野田他「生物化学序説」化学同人
担当教員 矢野 大地

到達目標

生物化学は、主として食品や医薬品を扱う仕事において、それらの安全性や機能性などを理解する上で役立つ科目である。
1.アミノ酸、タンパク質、糖、脂質、核酸等の構造や性質の特徴が理解できる。2.酵素や生理活性物質の特性が理解できる。3.物質代謝の全容が理解できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
アミノ酸、タンパク質、糖、脂質、核酸等の構造や性質の特徴が理解できる特徴を理解し、説明することができる 特徴を理解し、基本的な内容であれば説明することができる 十分に理解できていない
酵素や生理活性物質の特性が理解できる 特性を理解し、説明することができる 特性を理解し、基本的な内容であれば説明することができる 十分に理解できていない
物質代謝の全容が理解できる全容を理解し、説明することができる専用を理解し、基本的な内容であれば説明することができる十分に理解できていない

学科の到達目標項目との関係

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教育方法等

概要:
(COC)
生体を構成する基本物質であるアミノ酸、タンパク質、糖、脂質、核酸等を中心に、ビタミンやホルモン等の生理活性物質も含めて構造や性質、さらにそれらの代謝の全容までを述べる。
授業の進め方・方法:
2 年の「生物」、3 年の「生命科学」を基礎として、人間の三大栄養素である蛋白質、糖、脂質の化学的性質や構造から始めて、核酸、酵素、生理活性物質、代謝、最後には遺伝情報の発現にまで至る内容を学習する。ついては、専門用語の理解を深めるため、アミノ酸や糖を始めとする化合物を実際に見て、触れる機会を作り、簡単なデモ実験も取り入れながら講義する。また、定期試験の他に、小テストや演習を適宜取り入れる。また、場合によってはレポートの提出を義務付ける。
注意点:
地域の農産物や魚介類が持つ化合物について予習しておくこと。また、地域の広報誌やニュース等を通じて地域関連産品の最新情報に触れ、継続した考察を行うこと。
本授業はグローバルエンジニア育成事業レベル1で実施する。 レベル1:英語使用割合(テキスト:50%以上)

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 生物、生命科学との関わり、復習   生物、生命科学との関わりと生物化学の授業内容を知る。
2週 生命を支える化学的原理と生命の起源 生命を支える化学的原理と生命の起源について理解できる。
3週 ヌクレオチドと核酸 (1) ヌクレオチドと核酸について理解できる。
4週 ヌクレオチドと核酸 (2) 核酸の特徴とその分析方法について理解できる
5週 脂質の構造と性質 (1) 脂質の構造と性質について理解できる。
6週 脂質の構造と性質 (2) 生体における脂質とステロイドホルモンについて理解できる
7週 糖の構造と性質(1)
単糖類の分類、構造、性質について理解する。
8週 糖の構造と性質(2)
オリゴ糖類、多糖類について理解できる。
2ndQ
9週 前期中間試験
       
10週 アミノ酸,ペプチドについて アミノ酸,ペプチドの性質について理解する。
11週 タンパク質の性質と解析方法 タンパク質の性質と解析方法について理解できる。
12週 タンパク質の立体構造(1) タンパク質の二次構造について理解できる
13週 タンパク質の立体構造(2) タンパク質の立体構造とその解析方法を理解できる
14週 タンパク質の立体構造(3) タンパク質構造を安定化する力やタンパク質のフォールディングについて理解できる
15週 前期末試験
16週 試験答案返却・解答解説       前期末試験の正答が理解できる。
後期
3rdQ
1週 酵素の化学 (1)、分類、性質 酵素の分類、性質について理解できる。
2週 酵素の化学 (2)、酵素触媒機構の基礎とその解析
酵素触媒機構の基礎とその解析について理解できる。
3週 酵素の化学 (3)、酵素の反応速度式 酵素の反応速度式について理解できる。
4週 酵素の化学 (4)、様々な酵素反応の様式 様々な酵素反応の様式について理解できる。
5週 膜タンパク質 膜タンパク質について理解できる。
6週 代謝とエネルギー 代謝総論、エネルギー生成反応、について理解できる。
7週 酵素の機能調節 酵素の機能調節やアロステリック酵素について理解できる。
8週 後期中間試験
4thQ
9週 糖質代謝 (1) 糖質の分解反応とエネルギーの回収について理解できる
10週 糖質代謝 (2) 糖質の分解反応と生合成反応について理解できる。
11週 光合成 光合成の反応経路について理解できる。
12週 脂質代謝 脂質の分解反応と生合成反応について理解できる。
13週 アミノ酸代謝 アミノ酸の分解反応と生合成反応について理解できる。
14週 ヌクレオチド代謝 ヌクレオチドの代謝について理解できる。
15週 後期期末試験
16週 試験答案返却・解答解説 前期末試験の正答が理解できる。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野生物化学タンパク質、核酸、多糖がそれぞれモノマーによって構成されていることを説明できる。4前3,前7,前10
生体物質にとって重要な弱い化学結合(水素結合、イオン結合、疎水性相互作用など)を説明できる。4前3,前7,前14
単糖と多糖の生物機能を説明できる。4前7,後9,後10
単糖の化学構造を説明でき、各種の異性体について説明できる。4前7,前8
グリコシド結合を説明できる。4前7,前8,後9
多糖の例を説明できる。4前8,後9,後10
脂質の機能を複数あげることができる。4前5,前6,後12
トリアシルグリセロールの構造を説明できる。脂肪酸の構造を説明できる。4前5,前6,後12
リン脂質が作るミセル、脂質二重層について説明でき、生体膜の化学的性質を説明できる。4前5,前6,後5,後12
タンパク質の機能をあげることができ、タンパク質が生命活動の中心であることを説明できる。4前10,前11,後5,後13
タンパク質を構成するアミノ酸をあげ、それらの側鎖の特徴を説明できる。4前10,前11,後13
アミノ酸の構造とペプチド結合の形成について構造式を用いて説明できる。4前10,前11,前12,後13
タンパク質の高次構造について説明できる。4前11,前12,前13,前14
ヌクレオチドの構造を説明できる。4前3,前4,後14
DNAの二重らせん構造、塩基の相補的結合を説明できる。4前3,前4
DNAの半保存的複製を説明できる。4前3,前4
RNAの種類と働きを列記できる。4前3,前4,後14
酵素の構造と酵素-基質複合体について説明できる。4後1,後2,後3
酵素の性質(基質特異性、最適温度、最適pH、基質濃度)について説明できる。4後2,後3,後4,後7
補酵素や補欠因子の働きを例示できる。水溶性ビタミンとの関係を説明できる。4後1,後2,後3,後4,後7
解糖系の概要を説明できる。4後9,後10
クエン酸回路の概要を説明できる。4後9,後10
酸化的リン酸化過程におけるATPの合成を説明できる。4後9,後10
嫌気呼吸(アルコール発酵・乳酸発酵)の過程を説明できる。4後9,後10
各種の光合成色素の働きを説明できる。4後11
光化学反応の仕組みを理解し、その概要を説明できる。4後11
炭酸固定の過程を説明できる。4後11

評価割合

試験課題合計
総合評価割合7030100
基礎的能力20525
専門的能力302050
分野横断的能力20525