概要:
(COC)
生体を構成する基本物質であるアミノ酸、タンパク質、糖、脂質、核酸等を中心に、ビタミンやホルモン等の生理活性物質も含めて構造や性質、さらにそれらの代謝の全容までを述べる。
授業の進め方・方法:
1 ,2 年の「生物」、3 年の「応用微生物学」を基礎として、人間の三大栄養素である蛋白質、糖、脂質の化学的性質や構造から始めて、核酸、酵素、生理活性物質、代謝、最後には遺伝情報の発現にまで至る内容を学習する。ついては、専門用語の理解を深めるため、アミノ酸や糖を始めとする化合物を実際に見て、触れる機会を作り、簡単なデモ実験も取り入れながら講義する。また、定期試験の他に、小テストや演習を適宜取り入れる。また、場合によってはレポートの提出を義務付ける。
注意点:
地域の農産物や魚介類が持つ化合物について予習しておくこと。また、地域の広報誌やニュース等を通じて地域関連産品の最新情報に触れ、継続した考察を行うこと。
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
生物、応用微生物学との関わり、復習
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生物、応用微生物学との関わりと生物化学の授業内容を知る。
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2週 |
生物化学序論 生物化学の歴史、細胞、生元素 |
生物化学の歴史、細胞、生元素について理解できる。
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3週 |
アミノ酸の化学(1) タンパク質性および非タンパク質性アミノ酸 |
タンパク質性および非タンパク質性アミノ酸について理解できる。
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4週 |
アミノ酸の化学(2) 立体化学と性質 |
アミノ酸の立体化学と性質について理解できる。
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5週 |
ペプチドの化学 分類、表現法、生理活性ペプチド、ホルモンペプチド |
ペプチドの分類、表現法、生理活性ペプチド、ホルモンペプチドについて理解できる。
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6週 |
タンパク質の化学(1)分類、機能、構造 |
タンパク質の分類、機能について理解できる。
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7週 |
タンパク質の化学(2)構造
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タンパク質の構造について理解できる。
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8週 |
タンパク質の化学(3)性質、分析法
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タンパク質の性質、分析法について理解できる。
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2ndQ |
9週 |
前期中間試験 |
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10週 |
糖質の化学(1) 単糖類の性質 |
単糖類の分類、構造、性質について理解する。
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11週 |
糖質の化学(2) 天然単糖類と誘導体、グリコシド結合 |
天然単糖類と誘導体、グリコシド結合について理解できる。
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12週 |
糖質の化学(3) オリゴ糖類、多糖類 |
オリゴ糖類、多糖類について理解できる。
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13週 |
脂質の化学(1) 単純脂質、複合脂質、リン脂質二重層 |
単純脂質、複合脂質、リン脂質二重層について理解できる。
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14週 |
脂質の化学(2) トリアシルグリセロール、イソプレノイド |
トリアシルグリセロール、イソプレノイドについて理解できる。
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15週 |
前期末試験 |
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16週 |
試験答案返却・解答解説
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前期末試験の正答が理解できる。
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後期 |
3rdQ |
1週 |
核酸の化学(1) 構成成分 |
核酸の構成成分について理解できる。
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2週 |
核酸の化学(2) 性質
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核酸の性質について理解できる。
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3週 |
酵素の化学(1) 分類、性質 |
酵素の分類、性質について理解できる。
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4週 |
酵素の化学(2) 反応速度、阻害様式、補酵素 |
酵素の反応速度、阻害様式、補酵素について理解できる。
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5週 |
生理活性物質(1) ビタミン |
ビタミンについて理解できる。
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6週 |
生理活性物質(2) ホルモン |
ホルモンについて理解できる。
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7週 |
生理活性物質(3) 毒 |
毒について理解できる。
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8週 |
後期中間試験 |
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4thQ |
9週 |
代謝(1) 代謝総論、エネルギー生成反応、光合成色素
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代謝総論、エネルギー生成反応、光合成色素について理解できる。
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10週 |
代謝(2) 糖質の分解反応と生合成反応 |
糖質の分解反応と生合成反応について理解できる。
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11週 |
代謝(3) 脂質の分解反応と生合成反応 |
脂質の分解反応と生合成反応について理解できる。
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12週 |
代謝(4) アミノ酸の分解反応と生合成反応 |
アミノ酸の分解反応と生合成反応について理解できる。
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13週 |
遺伝情報の発現 タンパク質の生合成、遺伝子工学 |
タンパク質の生合成、遺伝子工学について理解できる。
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14週 |
代謝と遺伝情報の発現のまとめ |
代謝と遺伝情報の発現について演習問題を解き、理解できる。
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15週 |
後期期末試験 |
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16週 |
試験答案返却・解答解説 |
前期末試験の正答が理解できる。
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 化学・生物系分野 | 生物化学 | タンパク質、核酸、多糖がそれぞれモノマーによって構成されていることを説明できる。 | 4 | 前3,前10,後1 |
生体物質にとって重要な弱い化学結合(水素結合、イオン結合、疎水性相互作用など)を説明できる。 | 4 | 前7 |
単糖と多糖の生物機能を説明できる。 | 4 | 前10,前12 |
単糖の化学構造を説明でき、各種の異性体について説明できる。 | 4 | 前10 |
グリコシド結合を説明できる。 | 4 | 前11 |
多糖の例を説明できる。 | 4 | 前12 |
脂質の機能を複数あげることができる。 | 4 | 前13 |
トリアシルグリセロールの構造を説明できる。脂肪酸の構造を説明できる。 | 4 | 前14 |
リン脂質が作るミセル、脂質二重層について説明でき、生体膜の化学的性質を説明できる。 | 4 | 前13 |
タンパク質の機能をあげることができ、タンパク質が生命活動の中心であることを説明できる。 | 4 | 前6 |
タンパク質を構成するアミノ酸をあげ、それらの側鎖の特徴を説明できる。 | 4 | 前3,前4 |
アミノ酸の構造とペプチド結合の形成について構造式を用いて説明できる。 | 4 | 前5 |
タンパク質の高次構造について説明できる。 | 4 | 前7 |
ヌクレオチドの構造を説明できる。 | 4 | 後1 |
DNAの二重らせん構造、塩基の相補的結合を説明できる。 | 4 | 後2 |
DNAの半保存的複製を説明できる。 | 4 | 後13 |
RNAの種類と働きを列記できる。 | 4 | 後2 |
酵素の構造と酵素-基質複合体について説明できる。 | 4 | 後2 |
酵素の性質(基質特異性、最適温度、最適pH、基質濃度)について説明できる。 | 4 | 後3 |
補酵素や補欠因子の働きを例示できる。水溶性ビタミンとの関係を説明できる。 | 4 | 後4 |
解糖系の概要を説明できる。 | 4 | 後10 |
クエン酸回路の概要を説明できる。 | 4 | 後9 |
酸化的リン酸化過程におけるATPの合成を説明できる。 | 4 | 後9 |
嫌気呼吸(アルコール発酵・乳酸発酵)の過程を説明できる。 | 4 | 後9 |
各種の光合成色素の働きを説明できる。 | 4 | 後10 |
光化学反応の仕組みを理解し、その概要を説明できる。 | 4 | 後10 |
炭酸固定の過程を説明できる。 | 4 | 後10 |