到達目標
生体における主な高分子の構造と機能の他に、遺伝子が歴史に登場してきた背景を理解できる。さらに 科学的および討論のできる論理的思考を培い、生体高分子、特に遺伝子の構造と機能について理解 する。最終的には、生命や生命現象に関わる分子の働きやそのメカニズムを理解する。
人間が消費するようなものの生産の過程や消費の過程で、用いられる・含まれる化学物質が人間そのものや周りの生き物の遺伝子や身体にどのような影響をもたらしてしまうかを検討するのに、生命体の動きを分子レベルで理解する分子生物学の知識が必要である。従って、本科目から学ぶ様々な知見が将来の様々な職場で役立つ。
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
生命現象の仕組みと代謝 | 生体分子と代謝の関連について、充分に理解している | 生体分子と代謝の関連について、ある程度理解している | 生体分子と代謝の関連について、理解していない |
学科の到達目標項目との関係
C-1
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JABEE C-1
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教育方法等
概要:
授業導入期で生命とはなにかについて考察しながら、分子生物学はどんな学問なのかを学ぶ。次いで、生命現象のしくみを学び、DNA、RNA、タンパク質についての性質やその生体内合成について学ぶ。さらに、それぞれの高分子と細胞内代謝との関連について理解を深める。
授業の進め方・方法:
a. 授業ノートをしっかりとること。
b. 質問時間を設けるため、解らないことがあれば授業時間内にみんなのまえで質問すること。
c. 教科書以外の参考図書からのコピーや論文の別刷りなど、理解するのに便利な資料を適宜配布する。
d. この科目は学修単位科目のため:
(1)レポート課題を課する場合もある。
(2)毎回、最低120分間の、定期的な予習・復習を含む自習を行うことを想定して授業を進める。
注意点:
事前学習
a. 生物学、生物化学、酵素工学、応用微生物学の復習を事前に行うこと。
事後学習
a. 授業中に取ったノートだけではなく、教科書や配布資料をしっかり復習すること。
b. 必要に応じて、インターネットや図書館を用いて授業で習ったことに関係する情報を調べること。
授業の属性・履修上の区分
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
後期 |
3rdQ |
1週 |
生物の基本概念と基本構造 |
分子生物学の学問領域の特性を正しく捕らえるために、はじめに生命体と生命現象について理解する必要がある。ここから、分子生物学はどんな学問なのか、そして生命現象の研究においてのその位置づけについて理解する。
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2週 |
生物多様性と進化 |
分子生物学の学問領域の特性を正しく捕らえるために、はじめに生命体と生命現象について理解する必要がある。ここから、分子生物学はどんな学問なのか、そして生命現象の研究においてのその位置づけについて理解する。
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3週 |
分子生命科学の分野対象 |
分子生物学の学問領域の特性を正しく捕らえるために、はじめに生命体と生命現象について理解する必要がある。ここから、分子生物学はどんな学問なのか、そして生命現象の研究においてのその位置づけについて理解する。
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4週 |
生体の高分子:DNAとRNA |
生命体の基本的な高分子(タンパク質、核酸)の構造に秘められた意義を知るために、構造を維持している分子間相互作用とはどのようなものか、また個々の高分子の構造にはどのような特徴があるか等について分析を加えながら機能との関係について学ぶ。
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5週 |
生命現象とタンパク質 |
生命体の基本的な高分子(タンパク質、核酸)の構造に秘められた意義を知るために、構造を維持している分子間相互作用とはどのようなものか、また個々の高分子の構造にはどのような特徴があるか等について分析を加えながら機能との関係について学ぶ。
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6週 |
核酸の構造とDNAの複製 |
生命体の基本的な高分子(タンパク質、核酸)の構造に秘められた意義を知るために、構造を維持している分子間相互作用とはどのようなものか、また個々の高分子の構造にはどのような特徴があるか等について分析を加えながら機能との関係について学ぶ。また、DNAの複製反応や半保存的複製について、歴史的背景から定義までしっかり理解できるように学ぶ。 遺伝情報を担うDNAから、生命体の主成分の分子であるタンパク質になるまでの分子反応について学び、「遺伝情報」という抽象的なものと、物理的の実態をもつ「生命体」との繋がりについて理解する。
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7週 |
核酸の構造とDNAの複製 |
生命体の基本的な高分子(タンパク質、核酸)の構造に秘められた意義を知るために、構造を維持している分子間相互作用とはどのようなものか、また個々の高分子の構造にはどのような特徴があるか等について分析を加えながら機能との関係について学ぶ。DNAの複製反応や半保存的複製について、歴史的背景から定義までしっかり理解できるように学ぶ。 遺伝情報を担うDNAから、生命体の主成分の分子であるタンパク質になるまでの分子反応について学び、「遺伝情報」という抽象的なものと、物理的の実態をもつ「生命体」との繋がりについて理解する。
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8週 |
中間試験 |
今まで勉強したものについての理解度をテストする。試験時間が50分とする。残りの40分は、試験問題の解答やそれらについての授業・議論をする。
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4thQ |
9週 |
DNA複製原理に基づくバイオテクノロジー中間試験 |
PCRやシーケンシング技術などについて学ぶ。
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10週 |
遺伝子の発現:セントラルドグマ・生物の階層性・細胞説 |
遺伝情報を担うDNAとRNAについて、それぞれの遺伝物質としての役割とその性質を、歴史的な実験結果を基に考察する。遺伝情報を担うDNAから、生命体の主成分の分子であるタンパク質になるまでの分子反応について学び、それに加えて細胞分裂やメンデル遺伝など「分子」と「生命」を繋ぐ「遺伝」についての原理を学ぶことで、「遺伝情報」という抽象的なものと、物理的の実態をもつ「生命体」との繋がりについて理解する。
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11週 |
遺伝子の発現:セントラルドグマ・生物の階層性・細胞説 |
遺伝情報を担うDNAとRNAについて、それぞれの遺伝物質としての役割とその性質を、歴史的な実験結果を基に考察する。遺伝情報を担うDNAから、生命体の主成分の分子であるタンパク質になるまでの分子反応について学び、それに加えて細胞分裂やメンデル遺伝など「分子」と「生命」を繋ぐ「遺伝」についての原理を学ぶことで、「遺伝情報」という抽象的なものと、物理的の実態をもつ「生命体」との繋がりについて理解する。
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12週 |
遺伝子の発現:転写とその仕組み |
DNA情報からタンパク質になるまでの流れである「セントラルドグマ」の詳細な分子的機構の流れについて学ぶ。 遺伝情報を担うDNAから、生命体の主成分の分子であるタンパク質になるまでの分子反応について学び、「遺伝情報」という抽象的なものと、物理的の実態をもつ「生命体」との繋がりについて理解する。
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13週 |
遺伝子の発現:翻訳とその仕組み |
DNA情報からタンパク質になるまでの流れである「セントラルドグマ」の詳細な分子的機構の流れについて学ぶ。 遺伝情報を担うDNAから、生命体の主成分の分子であるタンパク質になるまでの分子反応について学び、「遺伝情報」という抽象的なものと、物理的の実態をもつ「生命体」との繋がりについて理解する。
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14週 |
ゲノムとは:ゲノム構造と進化 |
生命の青写真と言われているゲノムについて学ぶ。ゲノムの定義をより深く理解するために、その構造や進化について学ぶ。特に、ゲノム重複や遺伝子倍化のメカニズムについて、学ぶ。
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15週 |
期末試験 |
今まで勉強したものについての理解度をテストする。試験時間が50分とする。
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16週 |
答案返却・解説 |
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 化学・生物系分野 | 生物化学 | ヌクレオチドの構造を説明できる。 | 4 | 後4 |
DNAの二重らせん構造、塩基の相補的結合を説明できる。 | 4 | 後4 |
DNAの半保存的複製を説明できる。 | 4 | 後6 |
評価割合
| 試験 | 合計 |
総合評価割合 | 100 | 100 |
基礎的能力 | 40 | 40 |
専門的能力 | 40 | 40 |
分野横断的能力 | 20 | 20 |