機器分析

科目基礎情報

学校 和歌山工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 機器分析
科目番号 0077 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 生物応用化学科 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 教科書:小川桂一郎他著「基礎から学ぶ有機化合物のスペクトル解析」(東京化学同人) 参考書:入門機器分析化学 庄野俊之 脇田久伸 編著 三共出版、入門機器分析化学演習 庄野俊之 脇田久伸 編著 三共出版
担当教員 楠部 真崇,土井 正光,奥野 祥治

到達目標

機器分析は当該学科関連業種では必要不可欠な分析に関する知識を基礎から応用まで学修する科目である。
次世代シーケンスおよびqPCRによるDNA配列解析や、クロマトグラフィー(HPLC、GC)、分光分析装置(紫外可視分光法、蛍光分光法、原子吸光分光法)による物質の分離、検出方法、赤外分光法(IR))、核磁気共鳴分光法(NMR)、質量分析法(MS)のスペクトルによる有機化合物の構造解析ができる能力を養う。
機器分析で修得した知識は、環境分析における生物の分類や分布調査技術の習得や、また合成した化合物の分析や未知試料の同定を行う仕事に役立つ科目である。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
次世代シーケンス、qPCRからDNA分析ができる能力を養う測定結果から自分で解析および解釈ができる簡単なアドバイスがあれば自分で解析および解釈ができる十分理解できていない
各分析機器の原理を理解し、自分で分析結果について解釈し、説明できる簡単なアドバイスがあれば、各分析機器の結果を自分で解釈し説明できる十分理解できていない
IR,NMR,MSのスペクトルから有機化合物の構造解析ができる能力を養う構造解析が自分でできる簡単なアドバイスがあれば構造解析ができる十分理解できていない

学科の到達目標項目との関係

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教育方法等

概要:
次世代シーケンス,qPCRの原理と方法を学び、バイオインフォマティクスにより測定結果の解析方法を学ぶ。
基本的な分析機器(クロマトグラフィー、分光分析装置)の原理、特徴および分析方法を学ぶ。
赤外分光法(IR),核磁気共鳴分光法(NMR)そして質量分析法(MS)などの原理と測定法を学び、ついでこれらのスペクトルを用いた有機化合物の構造解析法を学ぶ。
授業の進め方・方法:
教科書の内容を参考に各分析機器の原理を確認しながら進める。また、教科書の演習問題や必要に応じプリントを使用する。
注意点:
次世代シーケンス,qPCR,クロマトグラフィー(HPLC、GC)、分光分析装置(紫外可視分光法、蛍光分光法、原子吸光分光法)、赤外分光法,核磁気共鳴分光法,質量分析法およびX線解析などについて,それぞれの分析機器がどのような用途に利用されているか予習しておくこと。また、各分析機器に関し、最新情報に触れ継続した考察を行うこと。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス 講義の概略・予定(シラバス),取り扱う分析機器の種類と特徴
(楠部)
講義で取り扱う分析機器の種類と特徴を知る。
DNA合成、PCR、サンガーシーケンスの理解を確認する。
2週 qPCR(1) 原理と測定法(菌数測定)
(楠部)
菌数測定の原理、測定法そして結果の解釈方法を習得する。
3週 qPCR(2) 原理と測定法(遺伝子発現量解析)
(楠部)
遺伝子発現量解析の原理、相対定量測定法、ハウスキーピング遺伝子そして結果の解釈方法を習得する。
4週 次世代シーケンス(1) 原理と測定法(de novo全ゲノム解析)
(楠部)
次世代シーケンス(MiSeq)の解析原理、de novo全ゲノムアセンブル解析について習得する。
5週 次世代シーケンス(2)バイオインフォ基本演習(メタ16s解析)
(楠部/池松教授(沖縄高専))
次世代シーケンス(MiSeq)の解析原理、メタ16s解析について習得する。
6週 次世代シーケンス(3) バイオインフォ基本演習(Qiime2解析)
(楠部/池松教授(沖縄高専))
次世代シーケンス(MiSeq)結果を用いた、Qiime2による解析を習得する。
7週 次世代シーケンス(4) バイオインフォ基本演習法(R studio解析)
(楠部/池松教授(沖縄高専))
多要素解析ツール(R studio)を用いた、結果の表示を習得する。
8週 ガイダンス(化学に用いる機器分析装置とは) クロマトグラフィーについて 化学で用いる機器分析のうち特に分離および検出に用いる装置の種類について知る。
クロマトグラフィーの概要について理解する。
2ndQ
9週 中間試験   
 



中間試験を行う      
10週 クロマトグラフィーの理論 クロマトグラフィーの理論(分離と検出)について理解する。
11週 各種クロマトグラフィーの原理と装置1 ガスクロマトグラフィー(GC)およぼ液体クロマトグラフィー(LC)の原理とそれぞれの装置について理解する。
12週 各種クロマトグラフィーの原理と装置2 ガスクロマトグラフィー(GC)およぼ液体クロマトグラフィー(LC)の原理とそれぞれの装置について実際の使用例および解析方法について学ぶ。
13週 分光分析法(紫外可視分光光度法、蛍光光度法の理論と装置) 紫外可視分光光度法、蛍光光度法の理論と装置について理解する。
Lanbert-Beerの法則について理解する。
14週 分光分析法(ラマン散乱、原子吸光法、原子発光法の原理と装置) ラマン散乱、原子吸光法、原子発光法の原理と装置について理解する。
15週 期末試験 期末試験を行う
16週 試験答案返却・解答解説 試験答案返却・解答解説を行う

後期
3rdQ
1週 ガイダンス 講義の概略・予定,取り扱う分析機器の種類と特徴 講義で取り扱う分析機器の種類と特徴を知る。
2週 1H-NMR(1) 原理と測定法,シィ−ルディング 1H-NMRの原理、測定法そしてシ−ルディングを理解できる。
3週 1H-NMR(2) 化学シフト,誘起効果,共鳴効果,異方性効果 化学シフト,誘起効果,共鳴効果,異方性効果を理解できる。
4週 1H-NMR(3) スピン-スピン結合,デカップリング スピン-スピン結合そしてデカップリングを理解できる。
5週 13C-NMR(1) 1H-NMRとの違い,化学シフト 13C-NMRについて1H-NMRとの違いと化学シフトを理解できる。
6週 13C-NMR(2) 多重度の決定,オフレゾナンスデカップリング 13C-NMRの多重度の決定そしてオフレゾナンスデカップリングを理解できる。
7週 2次元NMR原理と種類,スペクトルの解析法 2次元NMR原理と種類そしてスペクトルの解析法を理解できる。
8週 NMRまとめ 1H,13Cそして2次元NMRのまとめと演習問題を解き、理解できる。
4thQ
9週 後期中間試験
10週 赤外吸収スペクトル(IR法) 原理と測定方法・官能基と特性吸収帯 赤外吸収スペクトル(IR法)の原理と測定方法・官能基と特性吸収帯について理解できる。
11週 質量スペクトル(MS法) 原理と測定法、分子イオン,フラグメンテーション 質量スペクトル(MS法)の原理と測定法、分子イオンしてフラグメンテーションについて理解できる。
12週 有機化合物の構造解析演習(1) 有機化合物のNMR、MSそしてIRスペクトルによる構造解析の演習問題を解き、理解できる。
13週 有機化合物の構造解析演習(2) 有機化合物のNMR、MSそしてIRスペクトルによる構造解析の演習問題を解き、理解できる。
14週 X線構造解析(1)  X線回折の原理と利用例を理解できる。
15週 後期期末試験
16週 試験答案返却・解答解説 前期期末試験の正答が理解できる。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野分析化学光吸収について理解し、代表的な分析方法について説明できる。4前13,前14
Lambert-Beerの法則に基づく計算をすることができる。4前13
イオン交換による分離方法についての概略を説明できる。4前11,前12
無機および有機物に関する代表的な構造分析、定性、定量分析法等を理解している。4前10,前11,前12,前13,前14,後2
クロマトグラフィーの理論と代表的な分析方法を理解している。4前10
特定の分析装置を用いた気体、液体、固体の分析方法を理解し、測定例をもとにデータ解析することができる。4前12,後2

評価割合

試験レポート合計
総合評価割合6040100
基礎的能力201030
専門的能力201030
分野横断的能力202040