材料化学

科目基礎情報

学校 和歌山工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 材料化学
科目番号 0079 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 生物応用化学科 対象学年 4
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 『ベーシック無機材料科学』(化学同人),『有機工業化学』(三共出版)
担当教員 綱島 克彦,河地 貴利

到達目標

1.セラミックスの製法を理解することによって無機材料プロセスを理解できる。
2.各種のセラミックス材料の特性と用途について理解できる。
3.油脂・界面活性剤・染料・香料・医薬品について代表的な分子構造・物性・化学変換を理解できる。
材料化学は,広義の化学メーカーにおいて製品の一角を占める無機材料および有機材料の物性と特性を学ぶものであり,その研究開発や製造・品質管理業務における基礎知識となる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1セラミックスの合成法を比較し、それらのメリットデメリットを理解でき、応用についても理解できる。典型的なセラミックスの合成法を理解できる。酸化物セラミックスの合成反応を理解できない。
評価項目2セラミックスの特性が発現するメカニズムを化学構造の観点から説明できる。セラミックスの特性とその機能を理解できる。セラミックスの特性を理解できない。
評価項目3油脂・界面活性剤・染料・香料・医薬品について代表的な分子構造・物性・化学変換を十分に説明できる。油脂・界面活性剤・染料・香料・医薬品について代表的な分子構造・物性・化学変換を理解できる。油脂・界面活性剤・染料・香料・医薬品について代表的な分子構造・物性・化学変換を理解できない。

学科の到達目標項目との関係

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教育方法等

概要:
 1~8週の講義では、無機化学の講義で学んだ事柄の発展として、ファインセラミックスの材料化学をとりあげます。種々のセラミックス材料の合成法と結晶構造を学びながら、材料の製法および種々の物理化学特性を学習します。
 9~15週の講義では、有機化学工業の主な製品のうち,他の授業科目で学修する石油化学製品および高分子材料を除いた、界面活性剤・染料・医薬品等を取り上げ、これらの分子構造、物性、製造法を学習します。
授業の進め方・方法:
 1~8週の講義では、ファインセラミックスの材料化学の導入として、材料を合成する製法とその技術について学習します。特に材料の高純度化技術、単結晶作成技術、微粒子作成技術および各種結晶の特徴について考察できるようにします。さらに、固体表面の構造や特徴(吸着現象など)についても学びます。また、表面吸着現象を利用した半導体ガスセンサーや、特異な表面性質を有する超微粒子についても知識を深めます。さらに、固体材料の熱的および機械的性質についても学習します。
 9~15週の講義では、身の回りの工業製品に多用されている有機材料がどのように天然から取り出され、あるいは基礎有機化合物から合成されているかについて学びます。また,材料としての機能と分子構造の相関についても学習します。
注意点:
指定した教科書および演習書の該当部分を事前に読んで予習しておいてください。必要に応じて、参考書を調査してください。教科書、参考書、授業ノートにより学習した内容を復習してください。適時、小テストを行ったりレポート課題を出すことがあるので、十分に復習をして準備をしておいてください。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 無機材料プロセス:セラミックスの製法(液相法) 液相法の典型例としてゾルゲル法を理解できる。
2週 無機材料プロセス:セラミックスの製法(固相法,気相法) 固相法、気相法を学び、液相法との相違点も理解できる。
3週 無機材料プロセス:相律,非晶質,多結晶体 非晶質や多結晶体を学び、結晶との違いを理解できる。
4週 化学結合論と固体の構造:格子,結晶の充填,格子エネルギー ミラー指数、ブラべ格子、結晶構造の基本、格子エネルギーの概念を理解できる。
5週 化学結合論と固体の構造:各種結晶の構造,特徴と事例 各結晶構造の事例と特徴を理解できる。
6週 固体表面の機能:固体表面の構造,吸着現象,超微粒子 固体表面の機能と、典型的な応用例や材料系を理解できる。
7週 固体の熱的・機械的特性:融点,熱伝導率,弾性変形,塑性変形 固体の熱特性や機械的特性の概要を理解できる。
8週 中間試験(無機材料) 中間試験(無機材料)
4thQ
9週 油脂・界面活性剤(1) 油脂の由来,分子構造,化学分析,加工について理解できる。
10週 油脂・界面活性剤(2) 界面活性剤の構造,物性,製造,用途について理解できる。
11週 色素・染料 色素の構造的特徴,天然色素と合成色素,染色機構について理解できる。
12週 香料 香料の種類,製法について理解できる。
13週 医薬・農薬(1) 医農薬の特徴,化学療法剤(サルファ剤,抗生物質)について理解できる。
14週 医薬・農薬(2) 新薬開発のプロセス,代表的な農薬について理解できる。
15週 期末試験(有機材料) 期末試験(有機材料)
16週 試験答案返却・解答解説 試験問題の正答が理解できる。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験小テスト+課題合計
総合評価割合6040100
基礎的能力302050
専門的能力302050