量子化学

科目基礎情報

学校 和歌山工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 量子化学
科目番号 0096 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 1
開設学科 生物応用化学科 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 1
教科書/教材 化学結合の量子論入門,小笠原著,三共出版
担当教員 奥野 恒久

到達目標

1.原子軌道や分子軌道の考え方に基づいて化学結合を理解できること
2.分子軌道法の計算手法とその原理を理解できること
3.分子軌道論による有機化合物の電子状態の考察手法を理解できること
4.分子軌道論による有機化合物の化学反応の考察手法を理解できること

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
化学結合軌道論による理解ができる軌道論による理解がある程度できる軌道論による理解ができていない
分子軌道法の計算手法計算手法と特徴を説明できる計算手法と特徴をある程度説明できる計算手法と特徴が説明できない
有機化合物の電子状態軌道論による考察手法が理解できる軌道論による考察手法がある程度理解できる軌道論による考察手法が理解できていない
有機化合物の化学反応軌道論による考察手法が理解できる軌道論による考察手法がある程度理解できる軌道論による考察手法が理解できていない

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
量子化学は物質の特徴を原子・電子レベルから解釈する根幹の学問であり、現代化学において最も重要な学問分野となっている。特に、コンピュータの演算性能の向上により量子化学理論に基づく計算が精密に行えるようになり、研究開発現場での量子化学計算の重要性は益々増している。本講義では、量子化学の基礎と量子化学理論に基づき、有機化合物の電子状態と反応性の考え方について学習する。
授業の進め方・方法:
1.原子軌道、分子軌道の考え方をもとに、周期律や2原子分子の化学結合について学ぶ。
2.フロンティア軌道論などに基づき、実際の有機化合物の電子状態を理解し、有機反応が軌道論からどのように解釈できるかについて学ぶ。
3.量子化学計算の手法とその実例について学ぶ。
事前学習
配布する資料の該当部分を事前に読んでおくこと。
事後学習
講義スライドを十分に復習してください。また,自学自習のための演習レポートを課すので次回の講義時に提出してください。
注意点:

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 原子論・周期律 量子論の考え方およびシュレディンガー方程式の導出を学習し、量子化学の基礎的考え方について説明できる。
2週 原子軌道と分子軌道 原子軌道についての考え方および原子軌道から分子軌道の作成の仕方が説明できる。
3週 混成軌道・分子軌道論 化学結合について、分子軌道的考え方に基づく軌道間相互作用の法則が説明できる。
4週 フロンティア軌道論の基礎 フロンティア軌道理論について、基礎となる理論や考え方が理解できる。
5週 フロンティア軌道論による電子状態に対する考察 1 フロンティア軌道理論を利用したエテン分子の計算ならびに結果の解釈の方法が理解できる。
6週 フロンティア軌道論による電子状態に対する考察 2 フロンティア軌道理論を利用したブタジエン分子の計算ならびに結果の解釈の方法が理解できる。
7週 フロンティア軌道論による化学反応の考察 フロンティア軌道理論を利用した有機反応の位置選択性や閉環、開環反応の立体選択性などが説明できる。
8週 量子化学計算の実例 量子化学計算の実例について、その結果が示す内容が説明できる。
2ndQ
9週 期末試験 元素の周期律が理解できる。2原子分子の分子軌道が理解できる。フロンティア軌道理論による計算結果が理解できる。有機反応の位置選択性や立体選択性が説明できる。
10週
11週
12週
13週
14週
15週
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験演習レポート合計
総合評価割合6040100
基礎的能力402060
専門的能力202040