化学Ⅰ

科目基礎情報

学校 和歌山工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 化学Ⅰ
科目番号 0007 科目区分 一般 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 3
開設学科 環境都市工学科 対象学年 1
開設期 通年 週時間数 3
教科書/教材 [教科書] 化学基礎(東京書籍) [参考書] フォトサイエンス化学図録(数研出版)
担当教員 西嶋 政樹

到達目標

化学結合のしくみと固体結晶の構造を説明できる。化学反応の量的関係を求めることができる。酸・塩基の性質と中和反応および電子の授受と酸化還元反応の関係を説明できる。本科目の習得は、理系技術者としての基本であり、専門科目のより深い理解とともに,専門的な仕事に就いた時の基礎となります。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1化学結合のしくみと固体結晶の構造を説明できる化学結合のしくみと固体結晶の構造をおおむね説明できる化学結合のしくみと固体結晶の構造を説明できない
評価項目2化学反応の量的関係を求めることができる化学反応の量的関係を求めることがおおむねできる化学反応の量的関係を求めることができない
評価項目3酸・塩基の性質と中和反応および電子の授受と酸化還元反応の関係を説明できる酸・塩基の性質と中和反応および電子の授受と酸化還元反応の関係をおおむね説明できる酸・塩基の性質と中和反応および電子の授受と酸化還元反応の関係を説明できない

学科の到達目標項目との関係

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教育方法等

概要:
物質を構成する基本的な粒子である原子・イオン・分子の構造や結合のしかた,化学の基礎概念である物質量(モル)の考え方について学習することにより化学反応を定量的に捉え,物質の変化について理解を深める。その具体的な例として,中和反応と酸化還元反応について学ぶ。
授業の進め方・方法:
目的意識を持って観察,実験などを行い,化学的に探究する能力と態度を身に付ける
注意点:
事前学習:次回の授業範囲を予習し、専門用語の意味等を理解しておくこと。事後学習:受講した日のうちに教科書の授業範囲とノートを読み返し、課題プリントに取り組むこと。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス,物質の分類,混合物の分離,元素の確認 元素の周期表のうち、原子番号1番から20番までの元素名、元素記号、原子量を記憶する
2週 原子の構造,原子の電子配置,元素の周期律と周期表 原子の構造と電子配置を、原子番号と絡めて理解し、価電子の概念を覚える。
3週 イオンの生成,イオン結合,イオン結晶の構造 イオンの生成の原理を理解し、様々なイオン結晶を覚える。
4週 共有結合と分子の生成,電子式と構造式 共有結合の概念を理解し、イオン結合との違いを明確にする。
5週 実験;混合物の分離 混合物の分離方法と、その実際についいて理解する。
6週 分子の形,配位結合,分子間の結合(極性,水素結合など) 分子間および原子間に働く力について学習し、物質の状態との関連について考える。
7週 共有結合の結晶,分子結晶,金属の結晶構造 様々な結合から生成する結晶における、分子間力(原子間力)と状態について考える。
8週 相対質量と原子の重さの表し方 相対質量について理解し、原子量、分子量、式量へと発展的に考える。
2ndQ
9週 前学期中間試験
10週 アボガドロ数と物質量の定義,アボガドロ定数 物質を構成する粒子(原子)の数と物質の質量について考える。
11週 モル質量,1molの気体の体積,問題演習 物質量と物質の質量、体積、粒子の数との関係を理解する。
12週 溶液の濃度,化学反応式の書き方,係数の求め方 化学反応式の記述方法を理解する。
13週 化学反応式と量的関係 化学反応式の係数と物質の量的関係を理解する。
14週 実験;化学変化と物質量 実験
15週 期末試験
16週 試験答案返却・解説等 期末試験の答案返却と解説
後期
3rdQ
1週 酸・塩基の定義,価数 酸・塩基の概念を理解し、基本的な酸・塩基の種類と電離を理解する。
2週 電離度と酸・塩基の強弱,水素イオン濃度とpH 溶液中の水素イオン濃度とpHの関係を理解し、酸性、塩基性とのかかわりを学習する。
3週 中和反応の定義と塩の生成,pH指示薬の選定 中和滴定における指示薬やpHの測定方法について学習する。
4週 塩の分類,塩の性質,問題演習 塩について理解し、その分類およびその性質について学習する。
5週 中和滴定(量的関係,計算式の導入) 中和滴定における量的関係を計算できる。
6週 中和滴定(使用する器具,滴定曲線,指示薬の選定) 中和滴定における使用器具と使用方法を理解する。
7週 実験;食酢中の酢酸の濃度測定(中和滴定) 実験により食酢中の酢酸量を定量する。
8週 後学期中間試験 演習
4thQ
9週 酸化と還元,酸化数 酸化・還元の概念(酸素、水素、電子の授受)について理解する。
10週 酸化剤と還元剤 酸化剤と還元剤およびその働きについて理解する。
11週 金属の酸化還元反応 金属のイオン化傾向を学習し、反応性の違い(空気中、水中、酸)を学習する。
12週 電池 電池の働きについて学習する。
13週 電気分解 電気分解とファラデーの法則について学習する。
14週 章末問題および問題演習 まとめ
15週 期末試験
16週 試験答案返却・解説等 期末試験の答案返却と解説

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学化学(一般)化学(一般)代表的な金属やプラスチックなど有機材料について、その性質、用途、また、その再利用など生活とのかかわりについて説明できる。3
洗剤や食品添加物等の化学物質の有効性、環境へのリスクについて説明できる。3
物質が原子からできていることを説明できる。3
単体と化合物がどのようなものか具体例を挙げて説明できる。3
同素体がどのようなものか具体例を挙げて説明できる。3
純物質と混合物の区別が説明できる。3
混合物の分離法について理解でき、分離操作を行う場合、適切な分離法を選択できる。3
物質を構成する分子・原子が常に運動していることが説明できる。3
水の状態変化が説明できる。3
物質の三態とその状態変化を説明できる。3
原子の構造(原子核・陽子・中性子・電子)や原子番号、質量数を説明できる。3
同位体について説明できる。3
放射性同位体とその代表的な用途について説明できる。3
原子の電子配置について電子殻を用い書き表すことができる。3
価電子の働きについて説明できる。3
原子のイオン化について説明できる。3
代表的なイオンを化学式で表すことができる。3
原子番号から価電子の数を見積もることができ、価電子から原子の性質について考えることができる。3
元素の性質を周期表(周期と族)と周期律から考えることができる。3
イオン式とイオンの名称を説明できる。3
イオン結合について説明できる。3
イオン結合性物質の性質を説明できる。3
イオン性結晶がどのようなものか説明できる。3
共有結合について説明できる。3
構造式や電子式により分子を書き表すことができる。3
自由電子と金属結合がどのようなものか説明できる。3
金属の性質を説明できる。3
原子の相対質量が説明できる。3
天然に存在する原子が同位体の混合物であり、その相対質量の平均値として原子量を用いることを説明できる。3
アボガドロ定数を理解し、物質量(mol)を用い物質の量を表すことができる。3
分子量・式量がどのような意味をもつか説明できる。3
気体の体積と物質量の関係を説明できる。3
化学反応を反応物、生成物、係数を理解して組み立てることができる。3
化学反応を用いて化学量論的な計算ができる。3
電離について説明でき、電解質と非電解質の区別ができる。3
質量パーセント濃度の説明ができ、質量パーセント濃度の計算ができる。3
モル濃度の説明ができ、モル濃度の計算ができる。3
酸・塩基の定義(ブレンステッドまで)を説明できる。3
酸・塩基の化学式から酸・塩基の価数をつけることができる。3
電離度から酸・塩基の強弱を説明できる。3
pHを説明でき、pHから水素イオン濃度を計算できる。また、水素イオン濃度をpHに変換できる。3
中和反応がどのような反応であるか説明できる。3
中和滴定の計算ができる。3
酸化還元反応について説明できる。3
イオン化傾向について説明できる。3
金属の反応性についてイオン化傾向に基づき説明できる。3
ダニエル電池についてその反応を説明できる。3
鉛蓄電池についてその反応を説明できる。3
一次電池の種類を説明できる。3
二次電池の種類を説明できる。3
電気分解反応を説明できる。3
電気分解の利用として、例えば電解めっき、銅の精錬、金属のリサイクルへの適用など、実社会における技術の利用例を説明できる。3
ファラデーの法則による計算ができる。3
化学実験化学実験実験の基礎知識(安全防具の使用法、薬品、火気の取り扱い、整理整頓)を持っている。3
事故への対処の方法(薬品の付着、引火、火傷、切り傷)を理解し、対応ができる。3
有効数字の概念・測定器具の精度が説明できる。3

評価割合

定期試験小テスト・演習・課題レポ-ト・実験レポ-ト合計
総合評価割合7030100
配点7030100