有機化学

科目基礎情報

学校 和歌山工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 有機化学
科目番号 0015 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 物質工学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 マクマリー「有機化学概説」(東京化学同人)
担当教員 河地 貴利

到達目標

不飽和炭化水素・芳香族化合物・ハロゲン化アルキル・アルコール関連化合物について,
1. 基本的な化合物の命名法と構造を理解する。
2. 代表的な合成法を理解する。
3. 特徴的な反応を理解し,その反応機構を説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
不飽和炭化水素・芳香族化合物・ハロゲン化アルキル・アルコール関連化合物について,基本的な化合物の命名法と構造を理解する。左記の化合物群について,基本的な化合物の命名法と構造を十分に理解している。左記の化合物群について,基本的な化合物の命名法と構造をほぼ理解している。左記の化合物群について,基本的な化合物の命名法と構造を理解していない。
不飽和炭化水素・芳香族化合物・ハロゲン化アルキル・アルコール関連化合物について,代表的な合成法を理解する。左記の化合物群について,代表的な合成法を十分に理解している。左記の化合物群について,代表的な合成法をほぼ理解している。左記の化合物群について,代表的な合成法を理解していない。
不飽和炭化水素・芳香族化合物・ハロゲン化アルキル・アルコール関連化合物について,特徴的な反応を理解し,その反応機構を説明できる。左記の化合物群について,特徴的な反応を理解し,その反応機構を十分に説明できる。左記の化合物群について,特徴的な反応を理解し,その反応機構をほぼ説明できる。左記の化合物群について,特徴的な反応を理解し,その反応機構を説明できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
不飽和炭化水素・芳香族化合物・ハロゲン化アルキル・アルコール関連化合物について学習する。
授業の進め方・方法:
第2学年で学習した有機化学の知識(混成軌道,極性共有結合,官能基,飽和炭化水素など)を基にして,4つの化合物群(不飽和炭化水素・芳香族化合物・ハロゲン化アルキル・アルコール関連化合物)の命名法,構造,物性,合成法,特徴的な反応,および立体化学について学習する。
注意点:
授業中は教員の説明を理解するように努めるとともに板書と口頭説明をノートにまとめる。教科書・参考書の練習問題を解いて理解を深める。授業内容や演習問題で理解できない部分があれば教員に質問して早期に解決する。
事前学習:第2学年「有機化学」の内容を復習しておく。各週の内容について教科書を読んでおく。
事後学習:各週の内容について教科書の練習問題と章末問題,問題集の問題を解いて理解を確認する。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 不飽和炭化水素(1),アルケンの命名法と構造 アルケンの命名法,二重結合の構造が理解できる。
2週 不飽和炭化水素(2),アルケンのシス-トランス異性 シス-トランス異性,E,Z命名法,置換基の順位則が理解できる。
3週 不飽和炭化水素(3),有機反応の種類と機構 有機反応の種類(付加・脱離・置換・転位,極性反応・ラジカル反応)が理解できる。
4週 不飽和炭化水素(4),反応の表し方 有機反応の機構,反応エネルギー図(遷移状態,活性化エネルギー,中間体,触媒)が理解できる。
5週 不飽和炭化水素(5),アルケンへの付加の機構 アルケンへの付加反応の機構(カルボカチオン中間体,マルコフニコフ則)が理解できる。
6週 不飽和炭化水素(6),アルケンへの付加 アルケンへの付加反応(ハロゲン化水素化,水和,ハロゲン化,水素化)が理解できる。
7週 不飽和炭化水素(7),アルケンの酸化,共役ジエン アルケンの酸化(ヒドロキシ化,開裂),共役ジエンの構造が理解できる。
8週 不飽和炭化水素(8),共鳴,アルキンの命名 共鳴の概念,アルキンの命名法が理解できる。
2ndQ
9週 不飽和炭化水素(9),アルキンの反応 アルキンの反応(付加反応,アセチリドアニオン)が理解できる。
10週 芳香族化合物(1),芳香族化合物の構造と命名法 芳香族化合物の構造(ケクレの説,共鳴説) ,芳香族化合物の命名法が理解できる。
11週 芳香族化合物(2),芳香族求電子置換の機構と種類 芳香族求電子置換反応の機構と種類が理解できる。
12週 芳香族化合物(3),芳香族求電子置換の置換基効果 芳香族求電子置換反応の置換基効果(反応性と配向性)が理解できる。
13週 芳香族化合物(4),芳香族化合物の酸化と還元 芳香族化合物の酸化と還元が理解できる。
14週 芳香族化合物(5),芳香族性,有機合成 ヒュッケル束に基づく芳香族性,有機合成が理解できる。
15週 立体化学(1),立体異性体 キラリティー,鏡像異性体,立体中心が理解できる。
16週
後期
3rdQ
1週 立体化学(2),光学活性 光学活性,立体配置の表示(R, S)が理解できる。
2週 立体化学(3),ジアステレオマー ジアステレオマー,メソ化合物,キラルな環境が理解できる。
3週 ハロゲン化アルキル(1),ハロゲン化アルキルの命名法 ハロゲン化アルキルの命名法が理解できる。
4週 ハロゲン化アルキル(2),ハロゲン化アルキルの製法 ハロゲン化アルキルの製法が理解できる。
5週 ハロゲン化アルキル(3),求核置換反応(SN2反応) 求核置換反応(SN2反応)の機構,求核試薬,Walden反転が理解できる。
6週 ハロゲン化アルキル(4),求核置換反応(SN1反応) 求核置換反応(SN1反応)の機構,脱離基,ラセミ化が理解できる。
7週 ハロゲン化アルキル(5),脱離反応(E2反応) 脱離反応(E2反応)の機構,ザイツェフ則が理解できる。
8週 ハロゲン化アルキル(6),脱離反応(E1反応) 脱離反応(E1反応)の機構が理解できる。
4thQ
9週 アルコール・フェノール・エーテル(1),命名法 アルコール・フェノール・エーテルの命名法が理解できる。
10週 アルコール・フェノール・エーテル(2),物性 アルコール,フェノール,エーテルの物性(水素結合,酸性度)が理解できる。
11週 アルコール・フェノール・エーテル(3),アルコールの合成と反応 アルコールの合成(付加,還元),反応(脱水,酸化,エーテルへの変換)が理解できる。
12週 アルコール・フェノール・エーテル(4),フェノールの合成と反応 フェノールの合成,反応(求電子置換反応,エーテルへの変換,キノンへの酸化)が理解できる。
13週 アルコール・フェノール・エーテル(5),エーテルの合成と反応 エーテルの合成,反応(酸開裂)が理解できる。
14週 アルコール・フェノール・エーテル(6),エポキシド 環状エーテル,エポキシドの合成と反応が理解できる。
15週 アルコール・フェノール・エーテル(7),チオール,スルフィド チオールおよびスルフィドの合成と反応が理解できる。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野有機化学共鳴構造について説明できる。4
炭化水素の種類と、それらに関する性質および代表的な反応を説明できる。4前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14
芳香族性についてヒュッケル則に基づき説明できる。4前14
分子の三次元的な構造がイメージでき、異性体について説明できる。4前15,後1,後2
構造異性体、シスートランス異性体、鏡像異性体などを説明できる。4前15,後1,後2
化合物の立体化学に関して、その表記法により正しく表示できる。4前15,後1,後2
代表的な反応に関して、その反応機構を説明できる。4後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15

評価割合

試験小テスト合計
総合評価割合7030100
基礎的能力7030100
専門的能力000
分野横断的能力000