応用微生物学

科目基礎情報

学校 和歌山工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 応用微生物学
科目番号 0017 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 物質工学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 青木健次編著「微生物学」化学同人(2007)、 適宜復習プリントを配布する
担当教員 米光 裕

到達目標

微生物の基本構造、主な種類、培養方法が説明できる。
微生物の遺伝、代謝が説明できる。
微生物を利用した飲食品や医薬品の生産並びに環境保全等について説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
微生物の種類、培養について説明できる。微生物の種類、培養について十分に説明できる。微生物の種類、培養について説明できる。微生物の種類、培養について説明できない。
微生物の細胞の構造、代謝、遺伝子発現の付いて、説明きでる。微生物の細胞の構造、代謝、遺伝子発現の付いて、十分に説明きでる。微生物の細胞の構造、代謝、遺伝子発現の付いて、説明きでる。微生物の細胞の構造、代謝、遺伝子発現の付いて、説明きできない。
微生物の応用について説明できる。微生物の応用について十分に説明できる。微生物の応用について説明できる。微生物の応用について説明できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
微生物に関する基礎を学ぶ。また、飲食品、医薬品、環境保全などの微生物利用について学ぶ。
授業の進め方・方法:
教科書の内容に準じて進める。必要に応じてパワーポイントを使用し、視覚的に理解させる。また、適宜小テストを実施する。
注意点:
第1週〜第22週は微生物学の基礎を説明します。第23週〜第30週は微生物を用いた応用について説明します。
事前学習:教科書を事前に読んでおくこと。
事後学習:小テストを適宜行うので、復習しておくこと。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 オリエンテーション、応用微生物学の概要 応用微生物学の概要について理解する。
2週 微生物学の歴史(レーウェンフック、パスツール、コッホ等) 微生物の発見、滅菌法及び純粋培養法の確立などを中心に応用微生物学発展の歴史的背景を説明できる。
3週 微生物の取扱い方の基本
微生物培養のための栄養源(培地成分)、培養器、滅菌方法、培養条件を学び、微生物の取扱いの基礎を説明できる。
4週 微生物の種類と分類(種類、細菌)
生物の系統分類体系と微生物の位置を説明できる。細菌の代表種とその特徴を説明できる。
5週 微生物の種類と分類(細菌、古細菌) 細菌、古細菌の代表種とその特徴を説明できる。
6週 微生物の種類と分類(真菌類、原生生物) 真菌類、原生生物の代表種とその特徴について説明できる。
7週 微生物の種類と分類(ウイルス) ウイルスについて代表種を説明できる。
8週 微生物の種類と分類(分類) 微生物の分類方法を説明できる。
2ndQ
9週 微生物の細胞構造(細菌の構造)  細菌の構造(細胞壁、細胞膜、核様体、プラスミド)とその役割について説明できる。
10週 微生物の細胞構造(細菌の構造)  細菌の構造(鞭毛、線毛、細胞内顆粒等)とその役割について説明できる。
11週 微生物の細胞構造(真菌の構造)  真菌の構造(核、小胞体、ゴルジ体、ミトコンドリア、液胞等)とその役割について説明できる。
12週 微生物の細胞構造(ウイルスの構造)  ウイルスの構造について説明できる。
13週 微生物の栄養と増殖(増殖の特性、栄養素)
微生物の栄養素を説明できる。さらに増殖様式を理解し、世代時間を計算できる。
14週 微生物の遺伝と遺伝子工学(DNAの構造、複製) DNAの構造を理解し、複製について説明できる。
15週 微生物の遺伝と遺伝子工学(転写、翻訳) 転写、翻訳を説明できる。
16週
後期
3rdQ
1週 微生物の遺伝と遺伝子工学(遺伝子の変異と修復) 遺伝子の変異と修復について理解できる。
2週 微生物の遺伝と遺伝子工学(細菌の遺伝) 形質転換について説明できる。
3週 微生物の遺伝と遺伝子工学(遺伝子工学) 大腸菌の遺伝子組み換えについて説明できる。
4週 微生物の代謝(エネルギーの獲得、ATP、NAD等) 異化と同化について説明できる。また、ATP、NADの構造と役割について理解できる。
5週 微生物の代謝(解糖系、アルコール発酵、乳酸発酵) 解糖系について理解できる。アルコール発酵及び乳酸発酵におけるエネルギー獲得について理解できる。
6週 微生物の代謝(TCAサイクル、電子伝達系) 解糖系、TCAサイクル、電子伝達系におけるエネルギー獲得について理解できる。
7週 微生物の代謝(酵素の特徴、代謝調節) 酵素の特徴を説明できる。代謝におけるフィードバック阻害・抑制について理解できる。
8週 微生物の応用(アルコール発酵) 清酒、ビール、ワインの製造方法と微生物の役割が説明できる。
4thQ
9週 微生物の応用(チーズ、醤油) チーズ、醤油の製造方法と微生物の役割が説明できる。
10週 微生物の応用(その他の発酵食品) 食酢、味噌、納豆、漬物、熟鮓等の製造方法と微生物の役割を説明できる。
11週 微生物の応用(アミノ酸発酵) グルタミン酸発酵について、生産菌の分離と培養方法を説明できる。また、リシン発酵について、栄養要求性変異株の分離方法について理解できる。
12週 微生物の応用(抗生物質) 抗生物質の種類と作用機序について理解できる。ペニシリン生産菌の分離について説明できる。また、アンピシリンの製造方法について理解できる。
13週 微生物の生態と地球化学的物質循環への寄与(炭素のサイクル) 地球規模での炭素のサイクルを理解し、微生物の役割を説明できる。
14週 微生物の環境保全への利用(活性汚泥法、バイオレメディエーション) 活性汚泥法、バイレネディエーションについて説明できる。
15週 まとめ 応用微生物学の意義を説明できる。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野基礎生物原核生物と真核生物の違いについて説明できる。4
核、ミトコンドリア、葉緑体、細胞膜、細胞壁、液胞の構造と働きについて説明できる。4
葉緑体とミトコンドリアの進化の説について説明できる。4
代謝、異化、同化という語を理解しており、生命活動のエネルギーの通貨としてのATPの役割について説明できる。4
酵素とは何か説明でき、代謝における酵素の役割を説明できる。4
DNAの構造について遺伝情報と結びつけて説明できる。4
遺伝情報とタンパク質の関係について説明できる。4
染色体の構造と遺伝情報の分配について説明できる。4
ゲノムと遺伝子の関係について説明できる。4
細胞膜を通しての物質輸送による細胞の恒常性について説明できる。4
フィードバック制御による体内の恒常性の仕組みを説明できる。4
生物化学ヌクレオチドの構造を説明できる。4
DNAの二重らせん構造、塩基の相補的結合を説明できる。4
DNAの半保存的複製を説明できる。4
RNAの種類と働きを列記できる。4
コドンについて説明でき、転写と翻訳の概要を説明できる。4
解糖系の概要を説明できる。4
クエン酸回路の概要を説明できる。4
酸化的リン酸化過程におけるATPの合成を説明できる。4
嫌気呼吸(アルコール発酵・乳酸発酵)の過程を説明できる。4
生物工学原核微生物の種類と特徴について説明できる。4
真核微生物(カビ、酵母)の種類と特徴について説明できる。4
微生物の増殖(増殖曲線)について説明できる。4
微生物の育種方法について説明できる。4
微生物の培養方法について説明でき、安全対策についても説明できる。4
アルコール発酵について説明でき、その醸造への利用について説明できる。4
食品加工と微生物の関係について説明できる。4
抗生物質や生理活性物質の例を挙げ、微生物を用いたそれらの生産方法について説明できる。4
微生物を用いた廃水処理・バイオレメディエーションについて説明できる。4
遺伝子組換え技術の原理について理解している。4

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他小テスト・課題合計
総合評価割合750000025100
基礎的能力40000001555
専門的能力30000001040
分野横断的能力50000005