生物化学

科目基礎情報

学校 和歌山工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 生物化学
科目番号 0011 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 物質工学科(生物工学コース) 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 教科書 泉谷、野田他「生物化学序説」化学同人/教材 田宮、八木「コーンスタンプ生化学」東京化学同人、今堀、山川「生化学辞典」東京化学同人
担当教員 土井 正光

到達目標

1.アミノ酸、タンパク質、糖、脂質、核酸等の構造や性質の特徴が理解できる。2.酵素や生理活性物質の特性が理解できる。3.物質代謝の全容が理解できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1
評価項目2
評価項目3

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
生体を構成する基本物質であるアミノ酸、タンパク質、糖、脂質、核酸等を中心に、ビタミンやホルモン等の生理活性物質も含めて構造や性質、さらにそれらの代謝の全容までを述べる。
授業の進め方・方法:
1 ,2 年の「生物」、3 年の「応用微生物学」を基礎として、人間の三大栄養素である蛋白質、糖、脂質の化学的性質や構造から始めて、核酸、酵素、生理活性物質、代謝、最後には遺伝情報の発現にまで至る内容を学習する。ついては、専門用語の理解を深めるため、アミノ酸や糖を始めとする化合物を実際に見て、触れる機会を作り、簡単なデモ実験も取り入れながら講義する。また、定期試験の他に、小テストや演習を適宜取り入れる。また、場合によってはレポートの提出を義務付ける。
注意点:
地域の農産物や魚介類が持つ化合物について予習しておくこと。また、地域の広報誌やニュース等を通じて地域関連産品の最新情報に触れ、継続した考察を行うこと。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 生物、応用微生物学との関わり、復習




  
生物、応用微生物学との関わりと生物化学の授業内容を知る。
2週 生物化学序論     生物化学の歴史、細胞、生元素 生物化学の歴史、細胞、生元素について理解する。
3週 アミノ酸の化学(1) タンパク質性および非タンパク質性アミノ酸 タンパク質性および非タンパク質性アミノ酸について理解する。
4週 アミノ酸の化学(2) 立体化学と性質 アミノ酸の立体化学と性質について理解する。
5週 ペプチドの化学    分類、表現法、生理活性ペプチド、ホルモンペプチド ペプチドの分類、表現法、生理活性ペプチド、ホルモンペプチドについて理解する。
6週 タンパク質の化学(1)分類、機能、構造 タンパク質の分類、機能、構造について理解する。
7週 タンパク質の化学(2)性質、分析法
タンパク質の性質、分析法について理解する。
8週 アミノ酸、ペプチド、タンパク質のまとめ アミノ酸、ペプチド、タンパク質について演習問題を解き、理解を深める。
2ndQ
9週 糖質の化学(1)   単糖類の分類と構造  

       
単糖類の分類と構造について理解する。
10週 糖質の化学(2)   単糖類の性質 単糖類の性質について理解する。
11週 糖質の化学(3)   天然単糖類と誘導体、グリコシド結合  天然単糖類と誘導体、グリコシド結合について理解する。
12週 糖質の化学(4)   オリゴ糖類、多糖類 オリゴ糖類、多糖類について理解する。
13週 脂質の化学(1)   単純脂質、複合脂質、リン脂質二重層 単純脂質、複合脂質、リン脂質二重層について理解する。
14週 脂質の化学(2)   トリアシルグリセロール、イソプレノイド トリアシルグリセロール、イソプレノイドについて理解する。
15週 糖質と脂質のまとめ  糖質と脂質について演習問題を解き、理解を深める。
16週                



      
後期
3rdQ
1週 核酸の化学(1)   構成成分  核酸の構成成分について理解する。
2週 核酸の化学(2)   性質

核酸の性質について理解する。
3週 酵素の化学(1)   分類、性質 酵素の分類、性質について理解する。
4週 酵素の化学(2)   反応速度、阻害様式、補酵素 酵素の反応速度、阻害様式、補酵素について理解する。
5週 生理活性物質(1)  ビタミン ビタミンについて理解する。
6週 生理活性物質(2)  ホルモン ホルモンについて理解する。
7週 生理活性物質(3)  毒   毒について理解する。
8週 核酸、酵素、生理活性物質のまとめ 核酸、酵素、生理活性物質について演習問題を解き、理解を深める。
4thQ
9週 代謝(1)      代謝総論、エネルギー生成反応、光合成色素 




代謝総論、エネルギー生成反応、光合成色素について理解する。
10週 代謝(2)      糖質の分解反応と生合成反応 糖質の分解反応と生合成反応について理解する。
11週 代謝(3)      脂質の分解反応と生合成反応 脂質の分解反応と生合成反応について理解する。
12週 代謝(4)      アミノ酸の分解反応と生合成反応 アミノ酸の分解反応と生合成反応について理解する。
13週 遺伝情報の発現    タンパク質の生合成、遺伝子工学 タンパク質の生合成、遺伝子工学について理解する。
14週 代謝と遺伝情報の発現のまとめ 代謝と遺伝情報の発現について演習問題を解き、理解を深める。
15週 総まとめ 生化学全般について演習問題を解き、理解を深める。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野生物化学タンパク質、核酸、多糖がそれぞれモノマーによって構成されていることを説明できる。4
生体物質にとって重要な弱い化学結合(水素結合、イオン結合、疎水性相互作用など)を説明できる。4
単糖と多糖の生物機能を説明できる。4
単糖の化学構造を説明でき、各種の異性体について説明できる。4
グリコシド結合を説明できる。4
多糖の例を説明できる。4
脂質の機能を複数あげることができる。4
トリアシルグリセロールの構造を説明できる。脂肪酸の構造を説明できる。4
リン脂質が作るミセル、脂質二重層について説明でき、生体膜の化学的性質を説明できる。4
タンパク質の機能をあげることができ、タンパク質が生命活動の中心であることを説明できる。4
タンパク質を構成するアミノ酸をあげ、それらの側鎖の特徴を説明できる。4
アミノ酸の構造とペプチド結合の形成について構造式を用いて説明できる。4
タンパク質の高次構造について説明できる。4
ヌクレオチドの構造を説明できる。4
DNAの二重らせん構造、塩基の相補的結合を説明できる。4
DNAの半保存的複製を説明できる。4
RNAの種類と働きを列記できる。4
酵素の構造と酵素-基質複合体について説明できる。4
酵素の性質(基質特異性、最適温度、最適pH、基質濃度)について説明できる。4
補酵素や補欠因子の働きを例示できる。水溶性ビタミンとの関係を説明できる。4
解糖系の概要を説明できる。4
各種の光合成色素の働きを説明できる。4

評価割合

試験課題相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合70300000100
基礎的能力205000025
専門的能力3020000050
分野横断的能力205000025