酵素化学

科目基礎情報

学校 和歌山工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 酵素化学
科目番号 0016 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 物質工学科(生物工学コース) 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 掘越、虎谷他「酵素 科学と工学」講談社
担当教員 楠部 真崇

到達目標

1.酵素の構造や触媒機能が理解できる。(C)
2.酵素の特異性が理解できる。(C)
3.酵素の反応速度論が理解できる。(C)
4.酵素工学の内容を説明できる。(C)

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
構造・触媒機能構造および生体触媒機能について、的確に説明する事ができる構造および生体触媒機能について、ある程度説明する事ができる構造および生体触媒機能について、説明することができない
特異性3つの特異性について、詳しく説明することができる3つの特異性について、ある程度説明することができる3つの特異性について、説明することができない
反応速度反応速度について、式の導出ができ、説明する事ができる反応速度についてのイメージを説明することができる反応速度について、説明することができない
酵素工学酵素工学について、自分の考えを的確に述べる事ができる酵素工学について、ある程度議論することができる酵素工学について、話しすることができない

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
タンパク質の一種である酵素の構造、触媒機能、そして反応速度論まで、つまり蛋白質工学の研究分野や工業的応用に至るまでの基礎となる理論的な部分を講義する。
授業の進め方・方法:
1 、2 年の「生物」、3 年の「応用微生物学」を基礎として、復習を兼ねた課題を設定する。また、4 年の「生物化学」と並行しながら、タンパク質の一種である酵素についての構造、触媒機能、反応速度論を中心に学習し、最終的には応用分野に至るまでを解説する。また、定期試験の他に、小テストや演習を適宜取り入れる。また、場合によってはレポートの提出を義務付ける。
注意点:

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 酵素の構造(1) タンパク質の一、二次、超二次構造 タンパク質の一から四次構造までを理解し、酵素の活性中心の色々な検索方法から、酵素の特徴を理解する。
2週 酵素の構造(2) タンパク質の三、四次構造 タンパク質の一から四次構造までを理解し、酵素の活性中心の色々な検索方法から、酵素の特徴を理解する。
3週 酵素の構造(3)  活性中心のアミノ酸残基、化学的検索法 タンパク質の一から四次構造までを理解し、酵素の活性中心の色々な検索方法から、酵素の特徴を理解する。
4週 酵素の構造(4)総まとめ活性中心の遺伝子工学的検索法、物理的検索法 タンパク質の一から四次構造までを理解し、酵素の活性中心の色々な検索方法から、酵素の特徴を理解する。
5週 酵素の構造(5)  立体構造の例、構造モチーフ、グラフィックス タンパク質の一から四次構造までを理解し、酵素の活性中心の色々な検索方法から、酵素の特徴を理解する。
6週 コファクターと作用機構(1) 補酵素 補酵素の概念について例を上げながら説明できる。補欠分子族型と基質型の補酵素また補酵素依存酵素の構造と機能について理解する。
7週 コファクターと作用機構(2) 補欠分子族型と基質型の補酵素 補酵素の概念について例を上げながら説明できる。補欠分子族型と基質型の補酵素また補酵素依存酵素の構造と機能について理解する。
8週 酵素の特性(1) 酵素機能の安定性の基礎 酵素の持つ種々の特異性を理解した上で、特異性の転換や活性の制御や調節等について理解する。
2ndQ
9週 酵素の特性(2) 反応特異性 と基質特異性 酵素の持つ種々の特異性を理解した上で、特異性の転換や活性の制御や調節等について理解する。
10週 酵素の反応速度論(1) 酵素と基質の濃度、Michaelis-Menten式 Michaelis-Menten 式、Lineweaver-Burk 逆数プロット、Hanes-Woolf プロットを中心に反応速度論を理解し、実際の酵素反応の解析に利用出来るようにする。
11週 酵素の反応速度論(2)Lineweaver-Burk とHanes-Woolf プロット Michaelis-Menten 式、Lineweaver-Burk 逆数プロット、Hanes-Woolf プロットを中心に反応速度論を理解し、実際の酵素反応の解析に利用出来るようにする。
12週 酵素の反応速度論(3)阻害反応の解析 Michaelis-Menten 式、Lineweaver-Burk 逆数プロット、Hanes-Woolf プロットを中心に反応速度論を理解し、実際の酵素反応の解析に利用出来るようにする。
13週 酵素工学  精製と分析 酵素研究の実際や工業的応用について、実験に利用する際の精製や分析方法、また物質生産の手法等について理解する。
14週 総まとめ
15週
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野生物化学タンパク質の高次構造について説明できる。4
酵素の構造と酵素-基質複合体について説明できる。4
酵素の性質(基質特異性、最適温度、最適pH、基質濃度)について説明できる。4
補酵素や補欠因子の働きを例示できる。水溶性ビタミンとの関係を説明できる。4

評価割合

試験課題合計
総合評価割合7030100
専門的能力351550
分野横断的能力351550