伝熱工学

科目基礎情報

学校 和歌山工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 伝熱工学
科目番号 0020 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 メカトロニクス工学専攻 対象学年 専1
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 伝熱工学,一色尚次・北山直方 森北出版
担当教員 大村 高弘

到達目標

伝導伝熱とふく射伝熱の物理的意味を理解し,熱の等価回路を使った伝熱計算や,熱伝達による固体表面からの伝熱量,集中熱容量法による物体の温度変化が計算できる.これらのことから伝熱工学に関する問題を解決する能力が身につけられる.さらに,熱伝導率や比熱の測定原理を理解し,技術者としての実践的な基本知識を身につける.
あらゆる機械には必ず発熱部分が存在し,その熱をどのように処理するかという問題が必ず付きまとう.そのような課題に取り組むにあたり,伝熱工学の基礎は最も重要な科目である.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1専門用語を理解し,説明できる.基本的な専門用語を理解している.基本的な専門用語を理解できない.
評価項目2熱伝導方程式を立て,それを解くことが出来る.定常状態における熱伝導方程式を立てて,解くことが出来る.熱伝導方程式を立てられない.
評価項目3演習問題を解くことが出来る.基本的な演習問題が解ける.基本的な演習問題ができない.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
企業で伝熱工学に関する研究開発を担当していた教員が,伝導とふく射による伝熱現象を記述するエネルギー式の成り立ち,熱収支に基づく方程式の導出ならびに取り扱い方法を解説し,例題演習を通じて,学生の伝熱解析に対する理解を深める.
また,工学への応用として,現象に即した簡単化として,熱の等価回路理論と集中熱容量法を概説する.さらに,伝熱技術の基本の一つである熱伝導率測定技術と比熱測定技術についても概説し,実践的な知識を習得する.多くの産業分野で,断熱や遮熱,放熱などが課題となっており,その対策が試みられている.本講座では,その基礎を中心に開発現場の実状などについて講義する.
授業の進め方・方法:
言葉の定義や,数式とその意味,図に至るまで,全てノートに書き込ませる.分かりにくいところは簡単な演習問題を行う.技術者として研究開発および製造現場で役に立つ知識,特に熱計算問題について,実例を交えながら実施する.また,レポート課題を通して,問題解法のための計算以外の知識を習得させる.
注意点:

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 授業のガイダンス 輸送現象の概要 熱移動の形態(伝導,対流,輻射)   (自宅演習) 熱移動の形態を理解する.
2週 熱伝導に関する基本的事項 熱流束,フーリエ則,熱伝導率,熱抵抗   (自宅演習) 熱伝導に関する基本的な事項について理解する.
3週 熱伝導の計算(1) 平行平板,多層平板 (自宅演習) 平板および多層平板における熱抵抗,通過熱量,温度の計算方法を理解する.
4週 熱伝導の計算(2) 円管・複層円管 (多層)球状壁
     (自宅演習)
円管および多層円管における熱抵抗,通過熱量,温度の計算方法を理解する.
5週 非定常熱伝導 熱伝導方程式の導出 解の例(半無限固体など),集中熱容量法(自宅演習) 非定常状態における熱伝導方程式と,その解の意味を理解する.集中熱容量法による計算方法を理解する。
6週 熱通過(1)  熱伝達率,平板の熱通過,円管の熱通過
          (自宅演習)
熱伝達率の意味を理解する.流体に挟まれた固体壁における熱通過量の計算方法を理解する.
7週 熱通過(2)  熱伝達率と熱通過率 平板・円管・管群など               (自宅演習) 演習問題を通して,熱通過の理解を深める.
8週 熱交換器の伝熱設計 熱交換器の形式 対数平均温度差               (自宅演習) 熱交換器の伝熱設計 熱交換器の形式 対数平均温度差などを理解する.
4thQ
9週 放射伝熱(1) 概念,プランク則,ステファン・ボルツマン則,ウィーン則         (自宅演習) 放射伝熱(1) 概念,プランク則,ステファン・ボルツマン則,ウィーン則などを理解する.
10週 放射伝熱(2) ランバート則,高温ガスの熱放射,黒体二面間の放射伝熱         (自宅演習) 放射伝熱(2) ランバート則,高温ガスの熱放射,黒体二面間の放射伝熱などを理解する.
11週 放射伝熱(3) 灰色体,形態係数,放射伝熱の等価回路                (自宅演習) 放射伝熱(3) 灰色体,形態係数,放射伝熱の等価回路を理解する.
12週 放射伝熱(4) 放射伝熱の等価回路                (自宅演習) 放射伝熱(4) 放射伝熱の等価回路を理解する.
13週 熱伝導率測定方法
(自宅演習)
定常法による熱伝導率測定原理を理解する.特に,保護熱板法,比較法,熱流計法などの測定原理を理解する.
14週 比熱の測定方法                (自宅演習) 比熱の測定原理を理解する.真比熱や平均比熱の概念を理解し,投下法やDSC法の原理を理解する.
15週 全体総復習 演習 演習問題を通して,理解を深める.
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオレポート合計
総合評価割合80000020100
基礎的能力4000001050
専門的能力4000001050
分野横断的能力0000000