熱流体工学

科目基礎情報

学校 和歌山工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 熱流体工学
科目番号 0037 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 メカトロニクス工学専攻 対象学年 専2
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 伝熱工学,一色尚次・北山直方 森北出版
担当教員 大村 高弘

到達目標

熱移動の3形態(伝導,対流,ふく射)について熱流束が算定でき,特に熱の等価回路を使った伝熱計算や,対流伝熱による固体表面からの伝熱量が計算できる.また,沸騰,熱放射の基本事項が理解できる.これらのことから熱流体問題を解決する能力が身につけられる.あらゆる機械には必ず発熱部分が存在し,その熱をどのように処理するかという問題が必ず付きまとう.そのような課題に取り組むにあたり,熱流体工学の基礎は最も重要な科目である.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1専門用語を理解し,説明できる.基本的な専門用語を理解している.基本的な専門用語を理解できない.
評価項目2熱伝導方程式を立て,それを解くことが出来る.定常状態における熱伝導方程式を立てて,解くことが出来る.熱伝導方程式を立てられない.
評価項目3演習問題を解くことが出来る.基本的な演習問題が解ける.基本的な演習問題ができない.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
企業で熱流体工学に関する研究開発を担当していた教員が,伝導,対流,ふく射の各伝熱現象を記述するエネルギー式の成り立ち,熱収支に基づく方程式の導出ならびに取り扱い方法を解説し,例題演習を通じて,学生の伝熱解析に対する理解を深める.
また,工学への応用として,現象に即した簡単化として,熱の等価回路理論と境界層理論を概説する.沸騰・凝縮伝熱,熱放射の基本事項についても概説する.流体を使った熱輸送は,産業分野の広い範囲で使用されており,その基礎を学ぶことは,将来の機械技術者にとって非常に有益である.
授業の進め方・方法:
言葉の定義や,数式とその意味,図に至るまで,全てノートに書き込ませる.分かりにくいところは簡単な演習問題を行う.技術者として研究開発および製造現場で役に立つ知識,特に熱計算問題について,実例を交えながら実施する.また,レポート課題を通して,問題解法のための計算以外の知識を習得させる.
注意点:

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 授業のガイダンス 輸送現象の概要 熱移動の形態(伝導,対流,輻射)   (自宅演習) 熱移動の形態を理解する.
2週 熱伝導に関する基本的事項 熱流束,フーリエ則,熱伝導率,熱抵抗   (自宅演習) 熱伝導に関する基本的な事項について理解する.
3週 対流熱伝達に関する基本事項1 Newton則,熱伝達率,境界層,無次元数   (自宅演習) 対流熱伝達に関する基本事項1 Newton則,熱伝達率,境界層,無次元数などを理解する.
4週 自然対流熱伝達 対流熱伝達の伝熱式 自然対流の伝熱式     (自宅演習) 自然対流熱伝達 対流熱伝達の伝熱式 自然対流の伝熱式などを理解する.
5週 強制対流熱伝達 境界層方程式  (自宅演習) 連続の式,運動量の式,エネルギーの式などを理解する.
6週 強制対流熱伝達 対流熱伝達の伝熱式 強制対流の伝熱式         (自宅演習) 強制対流熱伝達 対流熱伝達の伝熱式 強制対流の伝熱式などを理解する.
7週 演習 (自然対流,強制対流) 対流熱伝達の基本的な問題を解くことができる.
8週 対流熱伝達に関する実験式 (自宅演習) 対流熱伝達の各種実験式を理解し,簡単な演習問題が解けるようになる.
2ndQ
9週 沸騰熱伝達1 沸騰熱伝達の様相(自宅演習) 各種沸騰の種類と特徴,沸騰曲線を理解する.
10週 沸騰熱伝達2 沸騰熱伝達の実用上の問題点(自宅演習) 沸騰する水の熱伝達を実用として利用する場合の問題点を理解する.
11週 凝縮熱伝達 膜状凝縮と滴状凝縮,熱伝達率   (自宅演習) 凝縮熱伝達 膜状凝縮と滴状凝縮,熱伝達率などを理解する.
12週 演習 (沸騰・凝縮熱伝達) 沸騰流および凝縮流熱伝達の基本的な問題を解くことができる.
13週 液体の熱伝導率測定技術1 (自宅演習) 液体の熱伝導率測定方法の測定技術を理解する.
14週 液体の熱伝導率測定技術2 (自宅演習) 液体の熱伝導率測定方法の最新の測定技術を理解する.
15週 全体総復習 演習 演習問題を通して,理解を深める.
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオレポート課題合計
総合評価割合80000020100
基礎的能力400000040
専門的能力4000002060
分野横断的能力0000000