電気電子工学特論

科目基礎情報

学校 和歌山工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 電気電子工学特論
科目番号 0042 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 メカトロニクス工学専攻 対象学年 専2
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 【参考書】小出 昭一郎著『量子論 (基礎物理学選書)』(裳華房),S.M.Sze著『半導体デバイス』(産業図書),赤崎 正則他著『プラズマ工学の基礎』(産業図書),青木昌治著『電子物性工学』(コロナ社)
担当教員 直井 弘之

到達目標

1.マクロな世界ではみられないミクロな世界で起こる、基本的な量子論的特異現象を説明できる。
2.半導体レーザや発光ダイオードなど、量子効果を利用した基本的なデバイスの基本構造と動作原理を説明できる。
3.プラズマについて、基本的な生成方法および維持方法、典型的な応用例を説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
ミクロな世界で起こる、基本的な量子論的特異現象に関する理解度ミクロな世界で起こる、基本的な量子論的特異現象を説明できている。ミクロな世界で起こる、基本的な量子論的特異現象を限定的に説明できている。ミクロな世界で起こる、基本的な量子論的特異現象を全く説明できていない。
量子効果を利用した基本的なデバイスに関する理解度量子効果を利用した基本的なデバイスの基本構造と動作原理を説明できている。量子効果を利用した基本的なデバイスの基本構造と動作原理を限定的に説明できている。量子効果を利用した基本的なデバイスの基本構造と動作原理を全く説明できていない。
プラズマについての、基本的な生成方法および維持方法、典型的な応用例に関する理解度プラズマについて、基本的な生成方法および維持方法、典型的な応用例を説明できている。プラズマについて、基本的な生成方法および維持方法、典型的な応用例を限定的に説明できている。プラズマについて、基本的な生成方法および維持方法、典型的な応用例を全く説明できていない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
本科目は、大学やベンチャー企業にて半導体材料やデバイスの開発に従事していた教員が、その経験を活かし、電気電子工学分野の内、本科では教授しなかったものの、工学応用上重要であると考えられる比較的発展した内容を厳選して、講義形式で授業を行なうものである。具体的には、量子論的特異現象や統計的手法を含めた、「物質」を取り扱うための物理学的視点について学習しながら、量子効果を利用した基本的なデバイスについて学習する。物質の第四の状態といわれるプラズマの生成・維持方法およびその応用例についても学習する。
本科目の知識が活かされる学問(科目):大学での材料工学,固体物理学,量子力学,気体電子工学やそれらに関連する科目
本科目の知識が活かされる仕事:材料の製造メーカーやそれらの材料を使った各種の電子部品・デバイス製造メーカー等
授業の進め方・方法:
講義とともに原則、授業毎に課題を実施する。適宜プリントやPDFを配布することにより補足しながら説明する。
注意点:
本科目は学習単位であり、授業の進み方が速いことから、下記に注意すること。
事前学習:毎授業前に、シラバスに記載の週ごとの授業内容や到達目標の中に記されている専門用語の意味あるいはそれらの内容のあらましを学習しておくこと
事後学習:毎授業後に、授業に関する課題を出題するので、次回の授業時までに提出すること

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 オリエンテーション 本授業の内容、進め方、成績評価法を説明できる。
2週 不確定性Ⅰ(不確定性原理) 不確定性原理を定性的に説明できる。
3週 不確定性Ⅱ(不確定性原理に基づく物理現象) 不確定性原理に基づく物理現象の例を説明できる。
4週 量子効果Ⅰ(量子井戸,量子細線,量子ドット) ダブルヘテロ接合と量子井戸の違いを説明できる。量子井戸の中では、伝導電子・正孔のエネルギーが離散的になることを定性的に説明できる。量子井戸,量子細線,量子ドットの違いを説明できる。
5週 量子効果Ⅱ(量子井戸デバイス) 量子井戸を利用した基本的なデバイスの例を挙げ、その動作原理を定性的に説明できる。
6週 トンネル効果Ⅰ(トンネル現象) トンネル効果が起こる機構を定性的に説明できる。
7週 トンネル効果Ⅱ(トンネル効果の応用例) トンネル効果の応用例を説明できる。
8週 格子振動と熱 フォノンの概念を説明でき、フォノンの光学様式と音響様式を区別できる。
2ndQ
9週 気体のエネルギー・速度分布 エネルギー分布則あるいは速度分布則を用いて、気体分子の種々の物理量の平均値を計算できる。
10週 気体の絶縁破壊 気体の絶縁破壊のメカニズムを定性的に説明できる。
11週 電離気体の基本的性質 デバイの遮蔽やデバイの長さの概念を定性的に説明できる。
12週 直流プラズマ 直流プラズマが維持される仕組みとその応用例を説明できる。
13週 RFプラズマⅠ(誘導結合プラズマ) 誘導結合プラズマが維持される仕組みとその応用例を説明できる。
14週 RFプラズマⅡ(容量結合プラズマ) 容量結合プラズマが維持される仕組みとその応用例を説明できる。
15週 その他のプラズマ 他のいくつかのプラズマについて、その概要を説明できる。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験自宅学習合計
総合評価割合5050100
基礎的能力000
専門的能力5050100
分野横断的能力000