分離工学

科目基礎情報

学校 和歌山工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 分離工学
科目番号 0017 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 エコシステム工学専攻 対象学年 専1
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 「分離プロセス工学の基礎」: 化学工学会分離プロセス部会 編,朝倉書店
担当教員 岸本 昇

到達目標

種々の製品を作製した場合、原料の一部が残存していたり、副生成物が存在することが一般的である、たいていの場合、目的物質を濃縮するか、不純物を除去する分離操作が必要である。分離は産業界で必須のプロセスである。分離工学は、分離プロセスで分離操作を適切に選択・実施するために必要な知識を学習する科目である。次の到達目標を設定する。
(1)式や図を用いながら各分離プロセスに関する説明を行なうことができる。(C-2)
(2)物質収支、量論関係などを理解し、分離プロセスの設計に必要な式を構築することができる。(C-2)
(3)分離プロセスの設計に必要な式に関する計算を行い、解を求めることができる。(C-2)

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1式や図を用いながら各分離プロセスに関する説明を十分行なうことができる。式や図を用いながら各分離プロセスに関する説明を行なうことができる。式や図を用いながら各分離プロセスに関する説明を行なうことができない。
評価項目2物質収支、量論関係などを理解し、分離プロセスの設計に必要な式を十分構築することができる。物質収支、量論関係などを理解し、分離プロセスの設計に必要な式を構築することができる。物質収支、量論関係などを理解し、分離プロセスの設計に必要な式を構築することができない。
評価項目3分離プロセスの設計に必要な式に関する計算を十分行い、解を求めることができる。分離プロセスの設計に必要な式に関する計算を行い、解を求めることができる。分離プロセスの設計に必要な式に関する計算を行い、解を求めることができない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
化学・生物工業では様々な製品が生産されおり、製品化の過程では、分離プロセスが大きな役割を果たしている。本授業では、高専本科の化学工学で取り上げられていない、基本的分離プロセスの内、特に、晶析、吸着・イオン交換、膜について取り上げ、授業を行なう。
授業の進め方・方法:

分離精製技術を使って,混合物の中から物を分けるシステムを開発するためには,様々な分離精製法の原理を理解し,最適な方法を選択する必要がある。分離精製に関わる物質の性質と,分離生成の基本的な原理について,学習する。

第1回
「分離工学」に関するガイダンスを行う。分離工学の意義を学習する。
第2回
 各種の物質分離法を総括し,その原理について学習する。
第3回~第4回
 晶析について学習する。いくつかの問題について演習を行い,計算能力を身につける。
第5回~第12回
 吸着について解説し,基本式の構築の仕方について学習する。いくつかの問題について演習を行い,計算能力を身につける。
第13~14回
 膜について解説し,基本式の構築の仕方について学習する。いくつかの問題について演習を行い,計算能力を身につける。
第15回
これまでの学習内容に関する復習を行う。
注意点:
事前学習
 指定した教科書(可能であれば参考書も)の該当部分を事前に読んでおくこと。
事後学習
教科書、参考書、ノートにより、講義時に学修した内容を復習しておくこと。課題を与えられた場合には、期限までにレポートを提出すること。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 導入 ガイダンス
分離工学の基礎事項について、理解し説明できる。
2週 分離の原理と方法 分離の原理,分離の方法と分離例について、理解し説明できる。
3週 晶析(1) 平衡と晶析、結晶の諸特性について理解し、計算したり説明できる。
4週 晶析(2) 晶析操作、晶析プロセスについて理解し、計算したり説明できる。
5週 吸着・イオン交換(1) 吸着現象および吸着剤、多孔体について理解し、説明できる。
6週 吸着・イオン交換(2) 吸着平衡について理解し、計算したり説明できる。
7週 吸着・イオン交換(3) イオン交換平衡について理解し、計算したり説明できる。
8週 吸着・イオン交換(4) 多成分吸着平衡について理解し、計算したり説明できる。
4thQ
9週 吸着・イオン交換(5) 物質移動現象、吸着速度について理解し、計算したり説明できる。
10週 吸着・イオン交換(6) 固定層吸着、破過曲線について理解し、計算したり説明できる。
11週 吸着・イオン交換(7) 吸着帯について理解し、計算したり説明できる。
12週 吸着・イオン交換(8) クロマトグラフィーについて理解し、計算したり説明できる。
13週 膜(1) 膜分離の概要について理解し、計算したり説明できる。
14週 膜(2) 膜分離プロセスについて理解し、計算したり説明できる。
15週 総まとめ これまでの学習内容についてのまとめを行うことができる。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験課題・小テスト合計
総合評価割合6040100
専門的能力6040100