有機機能材料

科目基礎情報

学校 和歌山工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 有機機能材料
科目番号 0036 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 エコシステム工学専攻 対象学年 専2
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 『マテリアルサイエンス有機化学』伊与田正彦ら(東京化学同人)
担当教員 綱島 克彦

到達目標

1.有機化合物の光励起状態や電子移動反応を理解できる。
2.電子デバイスに用いられる有機機能材料とその機能を説明できる。
3.分子設計や材料設計の考え方を理解できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1有機化合物の光励起状態や電子移動反応を理解できる。光励起状態や電子移動反応の基本を理解できる。光励起状態や電子移動反応の基本を理解できない。
評価項目2電子デバイスに用いられる有機機能材料とその機能を説明できる。電子デバイスに用いられる典型的な有機機能材料の特性を理解できる。電子デバイスに用いられる典型的な有機機能材料の特性を理解できない。
評価項目3分子設計や材料設計の考え方を理解できる。分子設計や材料設計の基本を理解できる。分子設計や材料設計の基本を理解できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
私たちの身の回りの電気・電子機器には、その目的に応じた特性を有する機能性有機材料が多く使用されている。これらの機能性材料を構成する有機化合物は、光や電場などの外部エネルギーに応答するという性質があるため、種々の表示デバイスやエネルギー変換デバイスに利用されている。つまり、これらの有機化合物の分子構造を紐解いてみると、その機能発現のキーとなるような構造を見出すことができる。ここでは、有機化合物の基礎を振り返りながら、その分子構造と機能発現について学習する。また、有機材料の大きな利点は多様な分子設計が可能であるという点を理解し、種々の電気・電子デバイスに用いられている機能材料の設計のケーススタディを行う。なお、担当教員は企業において有機電子材料の研究開発および実用化に携わった経験を有しており、その経験を活かして有機機能材料の要求特性と応用性について解説する。
授業の進め方・方法:
機能性有機材料を学ぶために必要な有機化学の基礎、すなわち化学結合論、分子軌道法、立体化学、反応性、物性について学習する。また、有機化合物に関する電子移動および有機化合物の光励起状態について理解し、外部エネルギーが与えられたときの有機化合物の挙動について学習する。
電子機器に用いられる代表的な有機材料の分子構造とその特性を学習する。機能発現に重要な役割を演じている分子構造や官能基を理解する。
機能性有機材料が使用されているデバイスの典型例を幾つかとりあげ、その概要を学習する。実際の電気・電子デバイスの中で有機材料がどのように使用されているのかということを学び、その材料設計の背景と考え方を学習する。また、最近の機能性有機材料開発の動向についてもフォローする。

試験:60%、演習および課題レポート等:40%を基準として成績を評価する。
注意点:
指定した教科書および演習書の該当部分を事前に読んで予習しておいてください。必要に応じて、参考書を調査してください。教科書、参考書、授業ノートにより学習した内容を復習してください。必要に応じて、参考書を調査してください。適時、小テストを行ったりレポート課題を出すことがあるので、十分に復習をして準備をしておいてください。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 年間の授業計画と、内容の概略説明 機能材料の概要を知る。
2週 有機化学の基礎:化学結合論 材料特性の観点から、化学結合を理解する。
3週 有機化学の基礎:量子化学および計算化学 量子化学の概要と量子計算の事例を学ぶ。
4週 有機化学の基礎:有機電子移動化学 電気化学と有機化合物の電子移動反応を理解する。
5週 有機化学の基礎:有機光化学 有機化合物の光励起状態と光化学反応を理解する。
6週 有機機能材料:機能性有機色素 機能性有機色素の特徴と事例を理解する。
7週 有機機能材料:有機発光材料 有機発光材料の特徴と事例を理解する。
8週 有機機能材料:液晶性化合物 液晶性化合物の特徴と事例を理解する。
2ndQ
9週 有機機能材料:有機電導体(低分子系および高分子系) 有機電導体(低分子系および高分子系)の特徴と事例を理解する。
10週 有機機能材料:有機イオン伝導体,電解質 有機イオン伝導体の特徴と事例を理解する。
11週 有機機能材料:機能性炭素材料 機能性炭素材料の特徴と事例を理解する。
12週 有機機能材料:有機磁性体,有機超伝導体 有機磁性体と有機超伝導体の特徴と事例を理解する。
13週 デバイスの構成:フラットパネルディスプレイ フラットパネルディスプレイの特徴と事例を理解する。
14週 デバイスの構成:エネルギー変換デバイス (太陽電池,燃料電池) エネルギー変換デバイス (太陽電池,燃料電池)の特徴と事例を理解する。
15週 デバイスの構成:エネルギー貯蔵デバイス (蓄電池,キャパシタ) エネルギー貯蔵デバイス (蓄電池,キャパシタ)の特徴と事例を理解する。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験課題等合計
総合評価割合6040100
総合的理解6040100